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ニンジャスレイヤーTRPGソロリプレイ:「ストレンジャー・アンド・フレイム・ガール」#1

◆注意◆ドーモ、Tac.Tと申します。この記事は1月2日の夜に実施された公式サンプルソロプレイを、自分がニンジャマスター(以下NM)を兼ねて大幅な加筆修正とオリジナルのストーリーを加えたものを公開したものです。◆新参◆出来る限り推敲はしておりますが、お見苦しい点ありましたらご容赦くださいませ。◆感謝な◆
◆自ニンジャの紹介めいたなんかな◆データを抜き取るだけの簡単なソロプレイです◆とはいえ実際SSめいていて長い◆ご了承ください◆
◆STILL ‘A’ LIVE SERIES PREV... “A LOW PAYING JOB”◆

SECTION: FIRST SECOND THIRD FOURTH


◆これまでのあらすじ◆ニンジャを殺して回る謎のニンジャ…レッドブロッサムと遭遇したフリーのニンジャエージェント…マインドセットことタニマチ・ギンジ。元来彼には戦う理由も無かったが、問答無用のカトン攻撃の前に手も足も出ず、命からがら逃げおおせた。 

彼はその後レッドブロッサムと2度に渡って遭遇、再びイクサをするも、彼女へのインタビューはいずれも失敗という形に終わる。しかし短い邂逅の中で、マインドセットは彼女の異質な行動に何かを感じつつあった…

 一方でマルノウチ抗争後、不可侵条約を結んだ筈のザイバツ・シャドーギルドのネオサイタマでの動きが、未だ活発な状態にあるとの情報を入手したソウカイヤ。事実確認のためにヘルカイトにその詳細を調査させる。しかし……


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

……熱い。痛い。目が開けられない……ココは何処?

そうだ…私は確か、黒いワニめいたニンジャと戦って…負けて……

…私はココで死ぬの?いやだ、死にたくない!焼くべきニンジャを焼くまで、私は………!

でも………もう体が……


STILL ‘A’ LIVE SERIES#2◆

IRC端末に急遽として通信が入る。発信元はソウカイネット。ソウカイ・シックスゲイツが1人、ヘルカイトの消息がケイヒン・ディストリクトでの任務中に突如として絶たれた。近隣街区にいる全てのソウカイニンジャ及び提携中のニンジャは、怪しい建物をしらみつぶしに改めよ。1

その時丁度別件の依頼でケイヒン・ディストリクトに居たマインドセットも、緊急IRCコールを受け取った。彼自身はソウカイヤと懇意にしているだけのフリーランスエージェント…という立場ではあったが、断る訳にはいかない。ソウカイヤの力は強大故に、逆らったらどんなリスクが飛んでくるか分からないからだ。2

殊にこの場合、ソウカイヤの幹部……シックスゲイツが1人・ヘルカイトの安否確認である。仮にヘルカイトの身に何かがあり、その責任を押し付けられるなど御免である。(人探しくらいなら頼まれるか…) 少し億劫そうに、背の高い、つば広の中折れ帽子の男の影がゆらりと動いた。3

人探し。ふと彼は1人のニンジャの影を思い出す。レッドブロッサム…カトン・ジツというニンジャの発火能力者ばかりを狙ってイクサを仕掛ける、謎の少女ニンジャの事を。マインドセットはその行方を追い続けているが、最近その足取りもはっきりと掴めない。本来追う必要もなければ、むしろ関わるべきでない相手ではある。しかし。 4

(…あの事件に繋がる何かを、彼女は知っている…?)最初の邂逅の時、命の危機を感じたマインドセットは、咄嗟に彼女に自身のジツを用いた。レッドブロッサムは大きく動揺し、その火力を弱めた代わりに、彼にいくつかの記憶の断片を押し付けた。……燃え盛る炎。焼け焦げたビルの壁面。目の前で倒れる男女。(…それか…もしや) 5

マインドセットは、今でも去り際に見せた彼女の瞳をハッキリと覚えていた。自身へ向けられた、絶望に縁取られ、憎悪と憤怒に彩られたその瞳を。まるで自分を責め立てているかのような…ともすれば簡単に、マッポーの闇そのものと化してしまいかねない程の禍々しさを湛えたその瞳を。6

(…イカンイカンイカン、一応仕事なんだから集中せにゃあ…)マインドセットは両手で印を切り、精神を切り替えた。 ケイヒン・ディストリクトの工場地帯は、作業灯のライトアップの他に『安全第一』『危険が一切無い』『労基重点』などの欺瞞に満ちた喧伝的ネオンが、どれも遠巻きに所狭しと輝き、都市部とはまた違った猥雑さを見せている… 7

◇🎲◇あなたは今、『マグロ加工』と書かれた怪しい廃工場の近くで身を隠しています。見てください。入口前では、所属不明のクローンヤクザY-10型が1体、守りを固めているようです。普通のクローンヤクザはチャカガンを装備していますが、マシンガンを持っていますよ。廃工場なのに、怪しいですね!◇

彼は、とりあえず『マグロ加工』と書かれた怪しい廃工場に目をつける事にした。入口前では、所属不明のクローンヤクザが守りを固めている。クローンヤクザはマシンガンを携え、定期的に痰を吐きながら周囲を警戒していた。8

「待てよ?この工場ってもう使われちゃあ居ないんだよな?」すぐ側に浮遊しているソウカイヤのサポートドロイド…“モーター・ロクメンタイ”に囁きながら、マインドセットは逡巡する。「…おかしか無いか?使いもしない施設に、マシンガン付きのセキュリティ。明らかに場違いだ」 9

『はい!そのマグロ加工施設は最早使われていません…コレは怪しいですね!』妙に勢いの良いロクメンタイの返答電子音声を聞くと……マインドセットは首のスカーフを顔まで引き上げ、腕にカラテを漲らせ、クローンヤクザに向かってスリケンを構えた!七色に色彩を変える、結晶型のスリケンを…!10

[ニンジャ名:マインドセット カラテ:3、ニューロン:6、ワザマエ:3、ジツ:1(カナシバリ)、体力:3、精神力:6、脚力:2]◆このエピをプレイした当時のデータな◆
◇🎲◇悠長なことをしている暇はないので、さっそくクローンヤクザにスリケンを投げてみましょう!【ワザマエ】値に等しい個数のダイスを用意し、振ってみてください(ダイスが足りない場合は何回かに分けて振ります)。あなたが『サイバネアイ』を持つ場合、さらにもう2個のダイスを振れます。◆特に記載されてない場合の目標出目はNORMAL…4以上な◆
[ダイスの出目:4,5,6] 成功!

「アバーッ!」目にも留まらぬ速さで放たれた結晶スリケンは、クローンヤクザの胸元をあやまたず貫通!緑色の血液を噴き出し即死!「よっし…」マインドセットは小さく呟くと、すぐさま思い直したようにクローンヤクザに近づく。そして簡単にネンブツを唱え、血が目立たぬような所へとヤクザの死体を引きずって行く。11

『悠長に後始末やってる暇なんてありませんよ!早く行きましょう!ヘルカイト=サンが危険かも…』「分かってるよ…」急かすロクメンタイに対してそう返しつつも、マインドセットはクローンヤクザの胸元や腕から素子や金メッキ時計を物色する。安物だ。全部合わせても売値は1万行くか行かないかだろう… 12

……廃工場の中に潜入したマインドセットは、配管が巡らされた通路を歩いていた。かつて稼働していた頃の面影を強く残す工場内は、今は不気味な程に静まり返っている。足元をバイオネズミが音も無く駆け抜け、天井の空調ダクトからは暗褐色の液体が垂れている。辺りに響くのは、彼自身の靴音のみ。13

「……なあ」『何でしょう?』マインドセットが唐突に口を開き、ロクメンタイに問う。「……マルノウチ抗争って、分かるか?」『もちろんですとも!…何故気になるのですか?』「いやなに、あの抗争でな、ソウカイヤの連中はそれはもう八面六臂の活躍だったって聞いてな…。ほんの少し気になったのさ」14

そう言って、マインドセットはスカーフで隠された口角を上げた。「…どんな活躍ぶりかはちょっと気になる所だな…」『それはもう皆さん勇敢でしたそうですよ!シックスゲイツの皆さんから末端構成員の皆さんまで、素晴らしいカラテを振るっていたとか!」ロクメンタイの勢いがさらに強まる。15

『特にあのラオモト=サンに至っては、並み居るザイバツのツワモノ達をもう読んで字の如くちぎっては投げちぎっては…』…ロクメンタイの音声はそこで途切れた。「あ、悪い悪い!話せないならそれでも構わない…ただ気になっただけだよ」『ゴメンナサイ…』16

…ザイバツ。その組織の名を聞き、マインドセットのゴーグルの奥の瞳が一層鋭くなった。ロクメンタイはさらに続ける。『…ただひとつだけ言えるのは、ラオモト=サンや我々ソウカイヤはザイバツの邪悪なる魔の手から、ネオサイタマを守り抜いた。それだけです!』17

ザイバツの魔の手から、守り抜いた。その言を信じられるかどうかはともかく、それがソウカイヤの見解か。マインドセットは「…そうか……」とだけ言うと、黙ってさらに歩みを進める……。目の前に誰かが居る。クローンヤクザだ。先ほどと同型の。18

「ここは進入禁止区域です。速やかに退去してください」クローンヤクザはマイコ音声めいて機械的に言い放つ。「あれ?おかしいな、取材許可は下りているはずなんだが……」マインドセットは名刺をクローンヤクザに見せようと、手を自らの懐に…入れると見せかけてヤクザの懐を掴んだ! 19

◇🎲◇廃工場内を歩いていると、ドスダガーを装備した警備クローンヤクザを発見しました。接近し、奇襲しましょう。今度はカラテです。【カラテ】の値に等しい個数のダイスで判定してください。難易度はNormalなので、目標値は4です。腕部サイバネの『テッコ』があればダイスを1個追加で振れますよ◇
[ダイスの出目:3,5,6] 成功!

「イヤーッ!」「グッ、グワーッ!?」クローンヤクザの身体が浮き上がり、マインドセットを支点に回転した!イポン背負いである!「グッ…グワッ……」「イヤーッ!」仰向けになり、動揺したクローンヤクザに、トドメのカラテ掌打!「アバーッ!」20

「取材許可って言っちゃったよ…」『前のお仕事の癖ですか?』「まあ、そんなもんだ」息絶えたクローンヤクザをロッカーに押し込み、マインドセットはさらに廃工場の奥へと進む。無人の通路に靴音のみが響く…… 21


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一際暗い部屋のUNIXの前で、黒い装束を身に纏ったニンジャがアイサツをした。「…ハイ。仔細滞りなく進んでおります」『よろしい』画面の向こうの声は、不自然に加工されており、誰の声であるのかはわからない… 23

『…例の娘は?』「確かに捕らえました。路上でカトン使いのソウカイ・ニンジャとイクサ中でした。…これまでの行動からしても、やはり“例のソウルを宿した”ニンジャである事に違いないようです…」『良くやった』24

「しかし、何故…?」『…ニューワールドオダーの確実なる到来の為に、“保険”はかけておくに越した事はない。』黒装束のニンジャはその言葉だけ聞くと、理解したように頷く。「…成る程」彼は後ろの鉄扉を見る。「…実際育てがいがありそうだ…」25

「………」鉄扉の向こうの牢獄では、1人の少女ニンジャが気を失い、最早声も無く拘束されていた…。「グ……グ……」その隣の牢獄で縄に抗い続けているのは…おお!ナムサン!シックスゲイツがひとり、ヘルカイトの姿!26

「迷い込んだソウカイ・ニンジャについては如何しましょう」『即刻殺せ。我々の行動が怪しまれているやもしれん』「ヨロコンデー」『…では後程、キョートで』「ハイ、オタッシャデー」…その言葉を最後に、UNIXの通信は切れた。27

「っ…オノレ……!」黒衣のニンジャの背後、後ろ手に縛られているのは…ソウカイヤの手練れのニンジャ、ポインターフィンガーである!「…我々のやりとりをあえて聞かせた理由は分かるか?」ナムサン…ポインターフィンガーの体にも、既に凄惨な拷問の跡が!26

「…ここで死ね、ってか…!」…ポインターフィンガーの精神は死を目の前にして、むしろ凪いだ海の如く冷静であった。「ネオサイタマで…これ以上好き勝手に…出来ると思うなよ…トカゲ野郎…」「……」黒衣のニンジャの、白目の無い瞳がポインターフィンガーの眼を捉えた。27

「アッパレな心意気よ。ハイクぐらいは詠ませてやる」黒衣のニンジャは無慈悲に言い放つ。「…ここを…突き止め…たのが……ゲホッ!オレや…ヘルカイト=サンだけ…だとでも?」「……」「…吐く事も…ねえ。とっとと殺せ…」28

「イヤーッ!」黒衣のニンジャの弾頭チョップ!「サヨナラ!」ポインターフィンガーは爆発四散!それと同時に黒衣のニンジャのIRC端末に、クローンヤクザの死亡を知らせる通信が入る!「…………」黒衣のニンジャの表情がかすかに歪む。彼はドアを開け、侵入者の排除へ向かう… 29


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「…これは……!」一方!マインドセットは三度遭遇したクローンヤクザの胸元から見つけた名刺を見て、その表情を強張らせていた!31

『ちょっとちょっと!あまり悠長にやってるとヘルカイト=サンが死んじゃいますよ!』「ストレートに不吉な事言ってくれるな!?」一瞬ギクリとした様子を見せ、マインドセットは続ける…「…この紋章、見覚え無い訳無いよな?」32

ロクメンタイのカメラ・アイが捉えたクローンヤクザの名刺。偽名と共に描かれていた紋章は…横長の菱形に単眼模様が描かれた奇妙なものだった。菱形の中には神秘的な「罪」と「罰」の文字。『ザイバツ・シャドーギルド…!』「ああ…」33

マインドセットの表情は、その組織の名を聞くとさらに険しくなった。視線に殺気が籠り、歯が微かに軋む音を立てる。『少なくとも、ザイバツの無許可隠密行動を突き止められました!大手柄です、マインドセット=サン!…ここで引き返しても、大丈夫ですよ…?』彼の異変を察したロクメンタイが心配そうにLEDを点滅させる… 34

「……いや、調査を続けよう。ザイバツ絡みという事なら、事態は想像以上に深刻かも分からん。」マインドセットは名刺をコートの奥深くにしまう…彼のコートの下は、既にニンジャ装束に覆われていた。「このまま先に進む。ヘルカイト=サンも連れ戻す。連中が何を企んでようが、させんぞ。」35


【STILL‘A’LIVE】

To Be Continued…


 ◆忍◆ニンジャ名鑑#XXXX【ポインターフィンガー】ソウカイ・ニンジャの1人。組織の中では中堅ポジションに居る。その名が示す通り、人差し指のみをムテキ・アティチュードにて強化してから放たれる、油断ならぬテッシ・カラテの使い手。◆殺◆ 


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