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Adobe MAX JAPANで見た「越境者たち」

11月20日、Adobe MAX JAPANに行ってきました。

取材というわけでも何でもない、ただ長年のPhotoshopユーザー、秋から始めたばかりのLightroomビギナー、ムービー編集はFinal Cut Pro派だけどPremiere Rushも気になる派、Webディレクター時代にあんたと出会いたかったよXDさん・・・といういくつかのお世話になっている&気になっているソフトの進化をこの目で見るだけのお気楽な見物。

これはその感想メモです。

雑感

ソフトウェアの進化が正当に人々のクリエイティビティをアップデートしていることを実感。いくつかのデモを見ると、CreativeCloudとiPad Proだけで動画の撮影から編集まで楽々できてしまうことが理解できる。

TikTokやSNOWを使いこなす若者なら半日でマスターできちゃいそうなカンタンさ。うちの0歳児はお絵かきをPhotoshopやIllustratorでやるようになるのかもなぁ。

来場客も一眼レフを抱えたおっさんばかりでなく若者、とくに女性が多い印象。東京ゲームショーに近い雰囲気。

体験ブース、iPadでステッカーをつくるコーナーは全員女性でした。男性はざっくり機能を理解しようとしていて、女性は自分のつくりたいモノを楽しんでいる感じ?

セッション

「スチルとムービー、どちらで勝負?プロから学ぶストーリーテリングを意識したクリエイティブ作成の極意」と「知られざる最強の写真管理&カメラアプリ!これだけ聞けば誰でも使いこなせるLightroom活用術」に参加しました。

前者の感想から(内容は省きますがAdobe Stockの話とPremiere Rushの解説でした)。

2020年の5G時代に向けて、プロフォトグラファーがムービーやドローンカメラを習得して生き残ろうと必死なのがヒシヒシ伝わりました。フォトグラファーが持っているライティングや構図のノウハウは、いくらAdobeとiPadで敷居が下がっても一朝一夕には会得できないもの。ムービーに移行しても重宝されます。

Adobe Senseiという人工知能&機械学習の猛烈な進化の横で、職人たちが自らのフィールドを飛び越えてサバイブしようとする気概と焦りを垣間見たような気がします。越境者の集い。


つづいて、Lightroom活用術の感想。

スピーカーの石川真弓さんはメルカリ広報でありながらHDRフォトグラファー。Lightroomの機能説明にとどまらず事前にTwitterで素材をUPしてくれて、その場でワークショップ的に体験できたのが超わかりやすかったです。

このセッションで初めて知ったのですが、iOSのLightroom CCって、RAW撮影ができるカメラアプリでもあるんですね(常識??)。

ちょっときれいとはいえない作例ですが、これはどっちもiPhone Xで撮った写真です。左が素のカメラアプリで、右がLightroom CCで撮影したもの。カーテンの情報が飛んでいません。へえ〜。

クラウドとAIに任せよう!という割り切りがモバイルにフィットしている所以でもあるんだなと納得しました。

「Lightroom Classicをお使いの方は無理にCCを使わなくていいです!」とのことで、Classicユーザーの僕的には「ここまで聞いてそういう結論?!」と思いましたが、印刷もするし(CCはできない)、Classicの方が細かく遊べるし、その通りだなと。CCはオートマ車でClassicはマニュアル車ような感じですね。いずれ統合されるでしょうけど。

ちなみに上のスライド、本当は右斜めから撮ったものですがLightroom CCのジオメトリを使ってワンタップで真正面にしました。使える!

スライドシェアもされていたのでペタッと。


本業がデジタル系広告プランナーなので、本業でお世話になりそうなXDのワークショップ(19日開催)にも参加しました。

今さら初めて触りましたが、ワイヤーフレームがそのままモックアップにもデザイン検証ツールにもなるんですね。未来だわ。これは習得せねばと痛感しました。

広告畑の僕から見た、Adobe MAX JAPAN感想まとめ

いくらツールを学んだところで、表現したい欲求や目的、そして魅力的に伝えるストーリーテリングが備わってなければダメで、その意味でプランナーやコピーライターといった人種は価値を失うことはないと思います。

ですが、これからは画面設計ができるコピーライターとか、ムービー編集が得意なプランナーとか、そんな人達がもっと増えそうな予感がしました。

というか、画面設計が好きなこどもやムービー編集のセンスがすごい小学生が爆発的に増えそう。そのくらい、Adobeのソフトウェアが以前に比べてシンプル設計で、とっつきやすくなっている。

実はそのあたりの空気感はAppleがコマーシャルで表現しています。

エモーショナル・・・。

広告写真だけでは食っていけないフォトグラファーのように、絶滅を恐れて越境する・・・のではなく、ごく自然と「好きでやってみた」の感覚でやる人がもっと増える。ツールは揃っているわけです。昔と違ってサブスクリプションで導入もしやすいし。あとは、やるかやらないか。それだけ。

一方で、尊敬を込めて餅は餅屋という気持ちも忘れずにいたい。

Adobeが「誰でも触れるツール」をつくってAppleが「誰でも触りたくなるデバイス」を普及させている今、餅屋はもっと大変になる。けど、いいことな気がします。みんな自分の餅屋(持ち場)と遊び場を持てばいい。

つくりたい欲求に応えてくれるツールが広がっているのは、この上なく幸せなことだと思いました。Adobe Senseiのお世話にもなりつつ、どんどん越境しちゃえばいい。

ここはまさにクリエイターの祭典。単純に何かつくりたくなります。

おまけ

MACお宝探偵団のYouTubeにスニークプレビューの模様が掲載されています。やばい、この一連のデモは鳥肌立ちました。


Adobe公式のビデオアーカイブも公開されましたので貼っておきます。


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