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企業内でキャリア研修はするべきか?

 この問いについて、今までたくさんの社員教育・エンゲージメント強化の担当者が悩んでいるのを目の当たりにしてきた。

 この問いに対して私はこう言いたい。「中途半端なキャリア教育はお金と時間の無駄なのでやめるべき。本当にやりたいのなら、寝た子が起きてしまい、自社を卒業してしまうリスクをとってやるべきである」

 キャリアを「自社でのキャリア」と狭義に捉える時代ではなくなっている。キャリアは「あなたらしい人生」と広義に捉え、その中に仕事や会社があるという時代が若手社員を中心に、多くの人の労働観になりつつあることを前提とした時代、企業が社員研修として今まで企画、提供してきた「自社での長期貢献と継続成長を求める」プログラムは見直さざるを得ないのである。

 「あなたは『会社』という枠を外したうえで、これからどのようなキャリアを歩んでいきたいのか」という問いに、参加者本人の「会社への忖度なしの本音」を引き出すことができるキャリア研修を自社で通せるか否かがキャリア研修の企画担当者にお伝えしたいメッセージだ。

 私が考える一つのキャリア研修を紹介させて欲しい。研修冒頭に参加者には「職務経歴書」の書き方を指導する。皆参加者は「辞めさせられるのではないか」とドキドキしながら研修が始まる。そんな参加者に追い打ちをかける。次は「退職願」の書き方である。半数以上はもうハラハラしながら参加している。新卒入社後、今の企業にいる人にとってはどれもこれも初体験だ。そして次は、自社への転職面接だ。「今のあなたはこの会社でこれからも貢献したいのか」この質問に答えられたら「あなたは今後自社の仕事を通じて、どんな価値を提供したり、ビジョンを実現したいのか、そしてなぜそう言えるのか」これが明確に伝えられたら、退職願を破り捨ててもらう。明確に整理できなかったら、その後もその未回答の問い(と退職願)を引き続き持ちながら働いてもらうことが、お互いにとってメリットがあると個人的に思う。行きすぎた考え方かもしれないが。。。

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