人は育てられない。人は育つ。
若手がなかなか育たないとか、何もわかってないとか、仕事ができないとか、そんな愚痴をこぼしている全ての人へ。
人を育てるって、とてもとても難しいし、悩むことも多い。
でも、そもそも人って育てられるのだろうか?
今回は、若手や初任者など、自分よりも経験が浅い人たちにどう関わるか、ということについて本気出して考えてみようと思う。
長男の超難問に答える。
「僕が1番好きな電車は何でしょうか?」
うちの息子たちが、よくクイズを出してくれるのだが、まあそれはもう、クイズと呼んでいいのか、「そんなもん、答えはあんたの匙加減やがな!」と言いたくなるような問題ばかりなのだ。
「これだ!」と思って答えても、「ブブー! それは2番目でーす!」となるし、同じ問題が出された時の記憶を頼りに、「これだ!」と答えても、「ブブー! 今は違いまーす!」となる。
まさに難攻不落。
この難問に対して、どう答えを出せばいいのか。
解決策は実にシンプルだった。
正解を知らないのだから、聞けばいい。
それって、いつ頃乗った電車?
どんな色? どこが好きなの?
そうやって、質問していると、彼は言う。
「答え教えてあげようか?」
相手が答えを持っているのだから、シンプルに、それを聞けばいい。
問題を出した時点で、答えが定まっていないのなら、絞り込んでいけばいい。
長男が出す問題の答えは、長男にしかわからない。僕は正解を持っていないのだ。
相手の問題の答えは相手にしかわからない
僕の仕事は小学校の先生だ。子供達がそれぞれに自分の答えを出し、自分の思う人生を生きていけるようにするのが僕の仕事だ。
自分が正解を知っているのではない。
答えは相手が持っている。
だから、相手に聞く。
子供と関わる時も、大人と関わる時も、この感覚を大事にしたい。
根底にあるのは、相手を知ろうとすることと、相手への絶対的な信頼である。
例えば、「どうしたらいいですか?」と聞かれたら、「どうしたいと思ってるの?」と聞き返す。
質問しにきた時点で、すでに答えを持っている、もしくは、まだ気づいていないだけのことが多い。
「そうできないのって何が引っ掛かってる?」
「じゃあ、できそうなことって?」
というように、相手が答えを出せるまで対話をする。
相手が出した答えに対して、「いいね!」で後押しをする。
時間をおいて、「どんな感じ?」と聞く。
相手には問題を解決する力があると信じる。
だから、問題の解決は、相手に任せる。
その上で、やってみてどうだったか振り返り、承認し、成果を喜ぶ。
自分が育てるんじゃない。
相手が育つのだ。
そう思って関わるようにしている。
そんなにうまくいくものかなあ?
っていうあなたの感覚は、正しい。
正直なところ、この関わりは関係性によるところが大きい。
では、関係性ができるまでの期間はどうしているか。
「今」を認める。
現状、これができているから、ぜひ続けてほしいと伝える。
折に触れて、「今の相手」を承認することを意識的にやっていく。
その上で、改善したいことや、新たに身につけたいことがあるか聞く。
聞いたことは全て受けとめる。
受け止めた上で、自分の感じたことを伝える。
こうやってコミュニケーションの量を増やしていくことで、人と人との関係性を結ぶことができる。
順番を間違えてはいけない。
相手よりも自分の方が立場や役割が上ならば、キャッチボールは、相手が投げてきたボールを受けてから始めねばならない。
受け止めてもらえるから、安心して投げられるのだ(ときには大暴投も飛んでくる。それも受け止める器の大きさを持ちたい)
その上で、相手が受け止められるボールを投げる。
相手の今の状態に合わせて、受け取りやすいボール、ギリギリ受け取れるボール、それを見極める。
これはめちゃくちゃ難しい。
でも、諦めない。やろうとする。
そうやって、自分が育ちたい方向へ育っていけるように、ふわっと寄り添うことが大切なのだと思う。
迷ったとき、悩んだとき、苦しい時、そんなときに、気軽に話せる存在でありたい。
育てるの主語は、自分。
育つの主語は、相手。
相手を変えられるとか、コントロールできるなんておこがましい。
相手が自分の思うように育つなんてありえない。
思うようにならないから、面白いのだ。
自分の想像を超えていくから、素晴らしいのだ。
担任の先生であり、学年主任でもある僕にできることは、相手が育ちたいように育つ空気を、土壌を作り、水を与えること。
発芽条件を整えてあげること。
相手にとっての発芽条件を見極めること。
「やりたいことやれ」と、心から相手に言うこと。
それだけだ。
このnoteがあなたの何かのきっかけになれば嬉しいです!
それでは。
Good Luck!!
人との関わりについて、こちらのnoteもぜひご覧ください!
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