見出し画像

しあわせを未来へつなごう。

明日は1月17日。
阪神淡路大震災から29年が経とうとしている。

あの頃僕は、小学校3年生だった。
ゴーッという地鳴りの後、ドーンという突き上げるような揺れ。そして繰り返す横揺れ。
隣で寝ていた妹に、「布団をかぶれ!」と叫んだことを今でも鮮明に覚えている。

父は消防士だった。
僕たち家族を置いて、すぐに家を出た。
あの時のことは、あまり話してくれたことはない。
とにかく大変だったということは伝え聞いた。
心無い言葉をかけられることもあったそうだ。

消防士も被災者だ。
学校の先生も、市役所の職員も、みんな、同じ被災者。
家族を置いて、市民のために働いている人がたくさんいる。
そのことを忘れたくはないと、改めて思う。

父や妹は消防士。
町の未来を守ることが仕事だ。
僕の仕事は小学校の先生だ。
先生の仕事は、町の未来を作ることだと思っている。

そのために、伝えていかなければならない。
考えていかなければならない。
経験していないから伝えられないのではない。
自分なりの震災について語り、ともに考えることが大切なのだ。
その人の思いや感情、これまで学んできたことを伝えることが大切なのだ。

人間は忘れる生き物だ。
でも、忘れてはいけないことがある。
大切にしなければならないことがある。

あの時の大人たちが、思いを繋ぎ、伝え続けてきたからこそ、今の生活が、日常があるのだ。
あの時の子供たちが、学び、感じたことを発信し、その時できることを精一杯やってきたから、今の生活が、日常があるのだ。

あの震災を踏まえて乗り越えた人々が、今の街をつくっているのだ。

あの時描いた未来が今なのだ。

僕たちは子供たちと一緒に、未来を描いていかなければならない。
過去を踏まえ、歴史を踏まえ、そこから学び、伝えていかなければならない。

よりよい未来を描き、実現させていくこと。
これこそが、今を生きる僕たちに、そして、未来を生きていく子供たちに託されたバトンだと思う。

明日は1月17日。
何年経っても、大切にしていきたい日。
共に学び、共に語り、共に伝えていこう。

この記事が参加している募集

オープン学級通信

防災いまできること

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?