自由詩『蜻蛉の眼』
白昼堂々お化けを見る、
おどろおどろしい霊能力者のように、
僕には見える。
人の背後に潜む欲の影。
エゴイストに成り切って、
闘牛のように猪突猛進。
目先の事しか見ていない、
彼等のようになれたなら!
そう思うときも、
全く無いと言ったら嘘になる。
でも哀しいかな、
僕のオメメは蜻蛉の眼。
あらゆる個眼で見てしまう。
「悪いのは彼じゃない。
罪深きは人間そのものなんだ」
口で言うのは容易いが、
やっぱり彼も憎らしい。
人を憎んで彼を憎まず。
人を憎んで彼を憎まず。
📝2007年作、2023年筆削
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