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愛の最大値

この人しかいない。
この人ほど好きになれることなんてない。

そんなこと思ってしまう私に、
「そんなことないよ。もっといい人いるよ」

そう言って私を慰めてくれる人は多かった。
(ありがとう、本当に感謝してる)

私も、その通りだと思っていた。
もっといい人はいるし、もっと幸せでいい恋はできる。
私も、そう思ってた。

でも、今の私は言える。
そんなことないこともある。
"このしかいなかった" そう思ってしまう恋もある。
ある1人のことが忘れられない、こんなに愛せた恋はない、と思える恋があってもいいと思う。


なんでそんな言い切れるのか不思議だよね。

私がそうなの。
ある人のことをずっと忘れられてない。
色んな人に出会ってみても、どんなに自分と向き合ってみたって忘れられない。
忘れられたと思っても、忘れた頃に頭によぎる存在。

なにもかも運命としか言いようがない価値観の一致。
今思えば、出会った時から直感的に惚れていた。
嫌いなところが1つあったけれど、それ以外は好きだった。
たった1つの嫌な部分を打ち消すほどの好きに溢れていた。

私が今思い浮かべてしまっている好きな人に対しての感情を心のままに言葉にするのは難しいし、思うまま言葉にできない。
でも、できる限り言葉にしてみたい。
残したい、今のこの感情を。

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「結婚も恋愛も、私たち向いてないね」
なんて言い合いながら、私たちはお互い恋をしていた。

結婚するために恋をしていたんじゃなくて、死ぬまでそばにいたいから恋をしていた気がする。

気づいちゃったよ、私。
「浮気しない人、私だけを見てくれる人がいい」がいいって言ってた。
でも、浮気しない人、他の人に目移りしない人がいいわけじゃなかった。

私は、私がその人(浮気しない人)のことを好きだったのか?
たぶん、好きじゃない。好きになりたかった人だった。
"好きになったら、幸せなんだろうなぁ" って思う人だった。
直感的に、心のままに "好き" と思う前に、色々考えてた。
浮気しない人かな?結婚が考えられる人かな?って。
年を重ねる度にその思考は加速していってた。

昔みたいに直感で、心のままに好きと感じられなくなってた。


私だけを見てなかったとしても、私だけを見てるって思わせてくれた君のことがずっと好き。
他の人がいたか事実がどうかの前に、私は愛されていたと実感してた。
人なんて期待できたもんじゃないし、信じられたもんじゃない。
それでも信じたかったし、裏切られた日があったとしても好きが消えることはなかった。
盲目な恋もこれで最後かな。

この恋の主人公は私だったんだ。
まだ戻れるのなら、好きだよって思った時に伝えていればよかった。
かっこよくないって自信無くなってるところも、恋愛するのも向いてないって言うところも包み込んでしまいたい。


君が私の愛の最大値になった。

腑に落ちてしまった。
君よりも誠実な人に出会ってみたり、たくさん出会いを増やしてみても、これ以上の恋ができないことも分かった。
なぜなら、直感のままの恋はこれで最後だったんだ〜〜。

最後がほしいって言ってたね君は。
私の最後は、ちゃんと君だったよ。

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