東路の奥つ方のはかなき童

しがない国語教師。授業ネタ多いです

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最近の記事

第9回「遠くの国」

さて、遅ればせながら第 9 回の更新になります。週の頭からうわさには聞いていましたが、衝 撃的な展開が待っていましたね。ではいきましょう。 今週の話は、①直秀の末路、②兼家の策略が中心になっていました。まず、直秀の末路につい てみていきましょう。前回の最後、東三条殿に盗賊に入った散楽一味を道長は捕えます。しかし、 遠くにへ行くことを直秀の口から聞いていた道長は、検非違使に賄賂を渡し刑を軽くするよう に言います。しかし、流罪の予定の日獄へ行くと直秀たちの姿はありません。そして門

    • 第8回「招かれざる者」

      今週は少し遅れての更新となりました。では早速第八回を振り返ってみましょう。 今週はドラマとして大きく展開していった回のように感じました。まず、花山院が力を振 るい始めます。そこで兼家によって臣下の務めとして「諫言」を挙げます。これは漢文の世 界でよく見られる話の形です。例えば、故事成語の「漁夫の利」の話があります。これは、 中国戦国時代、趙という国が燕という国を攻め入ろうとしたときに、趙王の臣下が漁夫の利 の話をして、このまま攻め入れば弱体化したときに他の大国(当時は秦)に自

      • 信夫の里①

        先日福島に行って来ました。仙台に法事で行く予定があったんですが、ちょっと時間があったので福島で一泊しようと思い立ちました。 6月の授業で『奥の細道』「信夫の里」を扱った時から一度見に行きたかった「文知摺り石」を見に行きました。 午前中は学校で合唱祭を鑑賞しないといけなくて14:00の新幹線で東京を立ちました。 15:30に福島に到着してかれこれしてるうちに16:00を少し過ぎていました。日没までまだ時間あるし今日のうちに行っちゃおう!と思い駅前のロータリーの1番前のタクシ

        • 第7回「おかしきことこそ」

          更新が週を重ねるごとに遅くなっていて申し訳ないです。今週は初心に返って月曜日に書いています!(書き終わるのは火曜日になっちゃいましたが)  第7回は冒頭、花山院の后 忯子の死から始まりました。花山院は忯子の亡骸に触れよう とするのですが、周りの人々から制止されます。当時は「穢れ」ということを強く意識していました。宮中に「穢れ」を持ち込まないことが基本です。なので本来宮中で人が死ぬことがあってはならなかったのです。「死」ともう一つ忌み嫌われていたのが「血」です。宮中で血が流れる

          第六回「二人の才女」

          2 月も後半にさしかかり、雪かと思ったら異常な暖かさと、季節感が分からなくなるよう な気候が続いていますね。 さて『光る君へ』について、今回はとっても見所の多い回となっていました。まず、前回 話した「猫」の話が伏線となっていましたね。兼家は左大臣家の人々話している時に猫を追 いかける倫子を目撃します。これがきっかけで道長に対して倫子との結婚を勧めます。後に 倫子は道長の正妻となり、中宮彰子を生むことになるのです。やはり「猫」は物語を大きく 動かす役割をもっていましたね。 第六

          漢検を受けた話

          今日は漢字検定の第3回目の日程でして、私は準1級を受けてきました。実は2年前くらいから受け始めてて3回目の挑戦でした。 今朝の時点で勉強終わってないジャンルが2つあり、朝からドトールとサイゼをハシゴして脅威の集中力で勉強してました。そのせいか試験始まる頃ちょっと気持ちが悪かったんです。そこにたたみかけてきたのが前の座席の人でした。20分くらいかな?遅れてきたんですけど、その人の香りがちょっと、、、笑 ただでさえあんまり調子良くなかったので試験受ける環境は良くなかった。けどま

          『光る君へ』余談

          第5回まで続けてきた大河の感想ですが、実は学校で中学生に向けて書いてるものの転載なんですよ。古典好きな人からしたら当たり前のことしか言ってないですもんね。 今年1年の目標は毎週大河ドラマを見て、文章を認めることにしました。他にも色々目標はあるけど、(自炊をするとか車の運転の練習するとか)まずはこれをやり切ることから始めようかと! そんなこんなで続けています。他の方の感想の方が面白いですが、学生さんや古文なんて忘れたよ!って人の参考になれればと思ってます!

          第四回「五節の舞」・第五回「告白」

          風邪をひいてしまい、何故かそのタイミングでNHK+が見られなくなり、多忙も重なり、 更新が遅れてしまいました。ただ、録画もしておいたのでなんとか見ることが出来ました! まず第四回「五節の舞」では、なんとまひろが五節の舞姫に選ばれていましたね。「五節 の舞」というのは新嘗祭や大嘗祭の中の、ある宴会の中で催される舞だそうです。4人から 五人で舞うそうで、大嘗祭の時は5人と決まっていました。そもそも新嘗祭・大嘗祭という のはいわゆる収穫祭にあたります。毎年行われるのですが、その中で

          第四回「五節の舞」・第五回「告白」

          『光る君へ』第3回「謎の男」

          もう 2024 年が始まって 3 週間も立つんですね。時の過ぎるのが早いこと。今週もなんと か感想を書けています! さて、第三回では右大臣家と左大臣家の対立がはっきりと描かれる演出になっていて、あ るていどの関係性を知っている人であれば分かりやすくなっていたかと思います。ドラマ で描かれる時代の右大臣家は藤原兼家の家系、左大臣家は源雅信です。最初に右大臣家の娘 定子(さだこ・ていし)と呼ばれる少女が出てきていました。これは兼家の長男道隆の娘で す。この定子、後にあの清少納言が

          『光る君へ』第3回「謎の男」

          『光る君へ』第二回「めぐりあい」 2024/1/14放送

          本日は第二回の感想です。冒頭のシーンは裳着から始まりました。「裳着」とは女性にと っての成人式にあたる儀式です。服に「裳」を付けることが名前の由来です。この儀式を経 ると一人前の大人となり、結婚も出来るようになるのです。大体12~14歳頃にやったそ うです。ちなみに、男性にとっての成人式は「初冠」という儀式です。烏帽子を被るように なるんですね。ドラマを見ていると成人男性か否かは明白ですよね。 今回面白かったのは、まひろが父為時に隠れてやっていた仕事です。ドラマの中

          『光る君へ』第二回「めぐりあい」 2024/1/14放送

          大河ドラマ感想No.1

          第一回「約束の月」 さぁ、いよいよ 2024 年の大河ドラマ『光る君へ』の放送が始まりました。感想や小ネタ など余力があればまとめていきたいと思っています。稚拙な文章ですがお付き合いくださ い。今年の主人公は紫式部。まずは、紫式部の基本情報をおさらいしておきましょう。 紫式部は平安時代中期に活躍した女性です。女房という身分で、中宮彰子という一条天皇 の后に仕えていました。藤原道長の命で編纂した『紫式部日記』や長編物語の『源氏物語』 を執筆したことが何より有名ですね。 「紫式部

          末法思想

          今日は末法思想のお話です。 私、仏教信者なんです。って 大嘘です笑なんなら神道の学校に通ってるくらいですね。 じゃあなんで末法思想の話なんて持ってきたかと言うと、アレですよ。ご存じ授業のネタです。 『古今著聞集』孝行恩愛第十 白河院の御時、天下殺生禁断せられければ、国土に魚鳥のたぐひ絶えにけり。そのころ、貧しかりける僧の、年老いたる母を持たるありけり。その母、魚なけれは物を食はざりけり。たまたま求め得たる食ひ物も食はずして、やや日数経るままに、老いの力いよいよ弱りて

          断定の助動詞「なり」の話

          初めて本来の主旨に沿った投稿をします。 (プロフィールは1番初めの投稿を参照してください。) 実際の授業でのお話です。 うちの学校は中高一貫校なので、中学生から古典の授業があります。みんなよく頑張るなあと感じています。 そんな学校の中学3年生で、断定の「なり」の授業をした時のお話です。 「なり」の中でやっぱり問題になるのは、連用形「に」の形の処理ですよね。「なり」の成り立ちとして、格助詞「に」+ラ変動詞「あり」が約まって出来たという話があります。その名残で、断定の「なり」

          断定の助動詞「なり」の話

          あと一歩で死者の国??

          皆さん黄泉比良坂ってご存知ですか? 日本神話『古事記』に登場する黄泉の国へと続く道なんです。 なんとこれ実在します。 つい先日、とある学会に参加するために島根に出向きました。折角ならと観光もしていたのですが、見つけてしまったんです。死者の国を。 冗談です笑 死者の国へつながる道といわれる伝承地です。 こんな普通のどこにでもありそうな道を入っていくんですね。ちなみに左側は国道9号線です。 しばらく進んでいくと竹林が見えて来ます。そしてもう少し進むと 桃の木を発見しまし

          あと一歩で死者の国??

          荒れた天気ですね

          昨日から日本全国台風によって天気が大荒れしてますね。皆さん体調はいかがですか? 私は天候に体調が左右されやすいタイプで、精神的にも弱ってるともう最悪なんですね。 こう言う時に新しいこと始めたくなるのもちょっと不思議。 数年前に人生最大に絶不調だった時、手に取ったのが俵万智の『サラダ記念日』。その中の一首をよく覚えているんです。それがこれです。 聞かされる 低血圧の 弊害を    星占いの 次に信じる 俵万智『サラダ記念日』より 「病は気から」なんてよく言いますが強ち間違

          初めまして。

          初めまして。こんにちは。 東路の奥つ方に住む童(大学院生、中高講師)です。 日々、国語教育について研究しつつ、中高の古典の先生として教鞭もとっています。 様々な教材を研究する中で、たくさん勉強しても2.3時間の授業でほんのちょっと話をして終わってしまうのはなんだが勿体無いなと日々感じていました。 そこで余裕がある時に一つの記事にできたら面白いかなと思って始めてみました。 他にも旅行のことなど様々書きていけたらなと思っております!よろしくお願いします! 【一句】 (『後