第9回「遠くの国」


さて、遅ればせながら第 9 回の更新になります。週の頭からうわさには聞いていましたが、衝
撃的な展開が待っていましたね。ではいきましょう。
今週の話は、①直秀の末路、②兼家の策略が中心になっていました。まず、直秀の末路につい
てみていきましょう。前回の最後、東三条殿に盗賊に入った散楽一味を道長は捕えます。しかし、
遠くにへ行くことを直秀の口から聞いていた道長は、検非違使に賄賂を渡し刑を軽くするよう
に言います。しかし、流罪の予定の日獄へ行くと直秀たちの姿はありません。そして門番を問い
詰めると鳥辺野に行ったといわれます。
この鳥辺野という地は死者を埋葬する場所として有名です。『源氏物語』でも登場し、道長も
最後はこの地で荼毘に付されたといいます。ちなみに、この鳥辺野という地区は今でもあって、
京都の東山、つまりあの有名な清水寺のすぐ南あたりなのです。ドラマではとても不吉な場所で
したが、現在では人気の観光地になっているんですね。今でもこの名残はあって、あの辺りには
お墓がとてもたくさんあります。今度京都に行く機会があればそういったところにも目を配ら
せてみるといいですね。
まひろと道長が鳥辺野に行くと、そこには散楽一味の亡骸がありました。なぜこのような結末
になってしまったのか、ドラマでは名言されていませんが、二つの可能性があると思われます。
一つは検非違使の恨みを買っていたことです。どうもこの検非違使、2話で直秀がぶつかった人
物で伏線が張られていたようなんですね。二つ目は検非違使の勘違いです。。道長は「余計なこ
とをした」とまひろに泣きながら伝えます。それはおそらく賄賂を渡したことでしょう。道長と
しては「穏便に」と伝えたことが間違って「殺せ」に伝わってしまったのだと考えているのでし
ょう。実際、何もしなければむち打ちの刑であったと作中でも述べられています。どっちも考え
られますが、きっとここは視聴者に考察をゆだねているのでしょう。
直秀は死に際に泥を握っていました。ここには出演者の思いが隠されていたようです。以下の
記事を見つけたので参考として挙げておきます。


https://news.yahoo.co.jp/articles/3fb14a9fa8ba41a5762e019cbcec394fed1e8f55


長くなりましたが、二つ目の兼家の策略についても簡単に触れておきましょう。花山天皇を陥
れるために安倍晴明と結託します。道兼をスパイとして送り込み、さらに忯子が成仏できていな
いことを伝えます。そして宮中では祟りが起きます。これが今回の『源氏物語』をモチーフにし
た場面です。宮中の渡り廊下に一瞬ですが液体がありましたよね。一見何かわかりませんが、『源
氏物語』読者ならあれが糞尿であることがわかります。『源氏物語』冒頭、帝に寵愛されるのは
身分の低い桐壺更衣でした。より身分の高い女御たちはこの更衣に対して嫌がらせをします。そ
れが帝の部屋へ向かう廊下に糞尿をまき散らすということだったのです。えぐい嫌がらせしま
すよね。しかもお下品、、、。ドラマのあのシーンは明らかにこのオマージュです。この(仕組ま
れた)祟りをきっかけに晴明は花山院に出家を勧めます。これが歴史上有名な大事件につなが
っていくのですが、それはまた次回ということにしましょう。では!

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