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複雑性PTSD治療日記4 2ヶ月目

複雑性PTSDの治療の2ヶ月目の話をしていきたい…と思ったのですが、この辺りのジャーナルは日付がちゃんと書いていなかったりごちゃごちゃになっていまして…なのでこの辺りの時系列は割と前後しているかもしれません。


胸の痛み

胸の痛みで夜中に飛び起きて眠れない…という事態は減ったものの、常に胸がモヤモヤとして、何か重いものが入っている感覚がありました。
二日に一回はフォーカシングをし、何かしら『そうだったんだ…』という気づきがあるたびに半日から一日寝込み、これ…一体いつ終わるんだろう…?と不安になってきた時期。
(ちなみに5ヶ月経ってもある程度改善はしたけど終わってないです、すみません)

夜中に目が覚めることも依然としてあり、大抵は胸がとても重い感じがあり、フォーカシングの後などは胸に切れ目が入っていて、そこから溜まっている血がゆっくりと流れているようなイメージがありました。
血が溜まっていると重く、早く空っぽにしたいけれど、血が減っていくとと共に胸が空っぽだという別のつらさを感じていました。
でもこの時点では半分以上血が入っているような感覚でしたね。

自分ってどんな人間なのだろうか

複雑性PTSDの治療を続けることで知識とそれに伴う自己理解が深まり、それまで自分の性格だと思っていたものが殆ど全部トラウマ反応だったのでは、ということがわかり、今まで信じていたものや、自分の価値観がわからなくなってしまった時期でした。

つまりどういうこと、と思われるかもしれませんが、この時はとにかくそれがとてもつらいと感じていました。この感覚は、とても説明し難いものなのですが、なぜか5ヶ月後の今の私にはこの『自分が誰かわからない』という感覚は殆どありません。特に何をしたわけではないのですが、自分に正直であろうとしているうちに、だんだんこんなもんかとなってくるのかもしれません。詳しい方いたらお話お聞きしたいです。

自助グループジプシー

最初に参加した自助グループが非常に有効だったため、いろんな自助グループを模索してみました。恐らく合計で10グループくらい参加してみた気がします。結論から言いますと、残念なことにピアグループ(資格のあるオーガナイザーではなく、当事者がやっているグループ)はきちんと管理されておらず多少危険なものが多いと感じ、最終的に最初に行った複雑性PTSDのグループに主にお世話になることに。ここでは数人長期的に支え合える方々と出会え、本当にありがたいことです。

自助グループは、言ってしまうとメンタルが不安定な人間の集まりなので、普通の集まりよりもきちんと危機管理がされていることが重要になります。

(手を挙げてから発言、人の話を遮らない、ターン制を導入しい会話状態はなるべく避ける、なかなか発言できない人への気遣い、アドバイスはしないと明確にすること、メンバー同士の会話状態になってしまった時の介入など)

合わないな、と思ったら無理はせずにやめた方がいいと思います。しかし同時に、最初はどうしても知らない人間に囲まれ居心地が悪いのが当たり前なので、見定めるのが難しいですね…。

遅延性PTSD発症

半年ほど前の出来事のフラッシュバックが起こるように。

この出来事は本当に…出来事自体は到底トラウマになるようなものではなかったのですが、私の複雑性PTSDのせいで感情的フラッシュバックが数週間毎日続きまして、かつ感情の麻痺と回避性愛着タイプの傾向のせいで適切なセルフケアができず無理をしてしまった結果だと思っています。

今まで平気だったこと、たとえば出来事に関わる人間に会う可能性があるエリアに行くことが困難、または非常に不安を伴うものになり、生活範囲が限られるように。

これはEMDRとジャーナリングでかなり対処したのですが、ある一定のことをしようとすると非常に不安を感じるようになってしまい、その不安の部分は今もじわじわとできることを増やしていっている最中です。

これはなぜこのタイミングで発症したのか不明です。知っている人がいたら教えて欲しい。

自己開示


生活範囲が限られたのとはまた別に、この頃は少しづつ外に出れるようにはなってきていました。治療始めてからの1ヶ月は外に出たら泣きそうになっていたのでそこは前進です。

それと同時に、それまで会うのをやめていた友人たちと少しづつ会うようになり、実は複雑性PTSDの治療しててさ…と自己開示をするように。

これに対する反応は様々だったのですが、それとは別に友人たちに対する私自身の印象が人によっては一変して非常に興味深かったです。今まで感情が麻痺していることで、ものすごい量の情報が私の脳みそに届いていなかったんだな、と再度人体って不思議だな…と思いました。

今まで完全無欠だと思っていた人が実はすごく色々と抱えているんだな、と気がついたり、反対にとても優しいと思っていた人が意外と結構冷たい人だと感じたり。

基本的に複雑性PTSDに関しては、そんなに引いかれたり、とても傷つくことを言われた記憶はなく、言わなきゃ良かったな…と思ったことはまだないのですが、この時点では本当にこの人なら言っても大丈夫だよな…?とかなり相手を選んではいました。

たとえばパートナーの家族など微妙な距離の人とは話したい気分になれず、かつ嘘をつくのも疲れるので4ヶ月くらい距離を置いていました。


インナーチャイルドが初めて反応を返してくれた(内的家族システム療法)

トラウマ治療を始めてから、幾度となく傷ついたインナーチャイルドとの会話を試みていたのですが、私のイメージの中の子供はとてもニュートラルな表情で本に囲まれていることが殆ど。私が熱意を込めて『今まで無視してごめんね』と語りかけ、ハグをしても(受け売り)、別に嫌がりもしないけど何を言うこともなかったのですが、この時期初めて傷ついているインナーチャイルドとの会話(と言えるのかわからないですが…)に成功。

そのきっかけは、『なぜ私がこんなことで苦しまなければならないんだ』と言う怒りと憤りに気がついたことでした。それにより、自分は幼少期の環境から自分に怒りや憤り、そういった感情を許していなかったのだと自覚。
悲しみは他者を傷つけない比較的『綺麗な』感情だったので、面倒くさいけどまだ持つことが許された感情だったのですが、私の実家だと怒りや憤りは人として非常に恥ずかしいものとされていたんですね。
(これもフォーカシングによって気がついた)

ここから少しづつ、インナーチャイルドとコミュニケーションが取れるようになっていきました。

ピアノを弾き始める

治療のためにインナーチャイルドが喜ぶことをしよう!と思ったのですが、インナーチャイルドが喜ぶこと…??となってしまい、とりあえずピアノを弾き始めました。

とても楽しいのですが、ついやるなら上手くならないと!と自分にプレッシャーをかけてしまい、ただ楽しめるようになるまで数ヶ月かかりました。
なんなんだ自分は…と改めて思いましたね。
ただ自分がやりたいことを自分だけで楽しむと言うことにどれだけ罪悪感持っているんだろう…そりゃ生きづらいわ…

実働時間は一日2時間ほど

この辺りは、パソコンに向かってプログラミングができたのは良い日で1日2時間程度だったように思います。幼少期の記憶や感情のプロセスをするたびに長時間ダウンしていた上に、単に難しいことをする気力がなく…。他の時間は何をしていたのかというと、寝たり、ジャーナリングをしたり、本を読んだり、ブログを書いたり、感情的フラッシュバックに襲われていたり、ピアノを引いたり散歩をしたり料理したり…なんてことをしているうちに1日が終わってました。多分一日12時間は布団に入っていたと思います…。

この時期は自分に対してこの時間を許すことが非常に難しかったので、お世話になっているカウンセラーさんに『治療はものすごく疲れるものだし、体が色々プロセスしてるんだから何もしていないわけじゃないんだよ、沢山頑張っているんだよ』と言ってもらって、自分でもできるだけそれを思い出すようにしていました。
結局は回復にはセルフコンパッションが一番重要なのだと思うのですが、そこに行き着くのが一番大変。

フォーカシングのパートナーを見つける

これまで一人でフォーカシングをやっていたのですが、やっぱりパートナーと定期的にできたらいいな…というわけでフォーカシングのオンラインコミュニティでパートナーの募集をかけてみたところ、4〜5人から返信があり、週2、3回ほどフォーカシングをすることに。

最初はやっぱり知らない人相手に気を遣ったり、パートナーとの時差の関係でスケジュールの調整が大変だったのですが、これを書いている5ヶ月後の今は単にフォーカシングができる相手というだけではなく、戦友のような特別な繋がりを感じるようになった相手も数人いまして、対人関係の癒しにも繋がってくれました。本当にありがたいことです。(2回目)

「寂しい」という感情

幼い頃は、親と離れても泣かない子供でした。
結婚も子供もリスクが高すぎるし、たまに会える友達がいてくれればそれでいい。
そんな私だったのですが、治療が進むにつれてここ数十年で初めて『寂しい』という感情に襲われ、自分は人と繋がっていたいんだ…という気持ちを自覚することができました。

人と関わるのは怖いけれど、それでも繋がりたい。
当時は『なんだこれは、いらん!』という気持ちもあったのですが、今はとても大切にしている気持ちです。

不安で動きたくなくなるたびに、でもそれでもやっぱり人と繋がりたいよね。と思い出すことで、怖いけど動き出せる気がします。

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