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note㈱の赤字から考える有料記事への挑戦

 noteに投稿を始めて約3か月、有料記事の執筆や購入経験がない私がこのテーマについて書くのはおこがましいことですが、有料記事について思うところを書いていきます。

 本稿は以下の方々に向けて書いていますが、それと同時に、自分に対して向けた記事でもあり、私のnote執筆活動における決意表明でもあります。

  • noteというプラットフォームが好きな人

  • 有料記事を書いてみたいけど躊躇している人

  • 有料記事を購入したことがない人


1.note㈱の業績

①2023年11月期決算

 ご存じの方も多いかもしれませんが、noteを運営しているnote㈱は、2023年11月期決算で▲4.14億円の当期純損失となっています。詳しくはnote㈱のIRライブラリに公開されている↓リンク先の決算説明資料をご覧頂きたいのですが、営業損益ベースでは赤字幅が縮小傾向なものの、2023年11月期4Q(2023/9~11)で▲16百万円の赤字となっています。

note_決算説明資料_2023 4Q (xj-storage.jp)

『note_決算説明資料_2023 4Q』より引用

②赤字で事業は続けられない

 当然のことですが、赤字事業は継続できません。また、最近の株式市場においては、単に黒字であれば良いわけでもなさそうです。

 私は以前、東証に上場している総合商社の子会社に勤めており、親会社の方との接点が多くある中で、株主の要望や、それに応えるための親会社の方針を聞く機会がありました。

 それによれば、赤字事業は論外であり、黒字であっても、他により利益の出る事業があるのであれば、そちらに資源を集中させて、黒字でも事業売却を進める方針でした。

 事実、その一環として、私は自分が約8年間関わっていた事業の売却を担当させられることになりました。確かに赤字事業だったのですが、室員で何とか黒字化しようと努力を続け、来年には黒字化できる見通しが立っていた矢先の出来事でした。

 このように、赤字が続いている事業は、例え会社として継続を望んだとしても、株主がそれを許さず、やむを得ず事業撤退に追い込まれるケースもあるのです。

③noteというプラットフォームを維持する為に必要なこと

 私はnoteというプラットフォームを気に入っています。単にブログ記事を投稿するだけであれば、他のプラットフォームでも問題ないでしょう。しかし、noteの住民は、他にない温かさがあると感じています。赤字だからという理由で、なくなってほしくない。何とか黒字化してほしい。そう思っています。

 故に、note㈱の利益に貢献できるように、有料記事に挑戦しなければいけないと思い、この記事を書いている次第です

2.有料記事の投稿に躊躇する理由

 とはいえ、いきなり有料記事を投稿しようと思っても難しいので、まずは、なぜ有料記事の投稿に躊躇するのか、その理由を自分を基にして考えてみました。

 自分の中では、有料記事の投稿を躊躇する理由は以下の3つだと思っています。

  1. 自分の記事には有料にするほどの価値はない

  2. 誰も買ってくれなかったらと思うと怖い

  3. 収入が目的ではなく、無料でより多くの人に読んでもらいたい

 そして、それに対して、客観的に考えた結果、自分なりの解決案を出してみました。自問自答ですね。

①自分の記事には有料にするほどの価値はない

 自分で作ったモノやサービスを販売したことのない方の多くは、自分の作ったモノやサービス程度の品質では、人様からお金を頂戴することはできない、そう思っているのではないでしょうか。

 確かに、企業であったりその道に精通したプロが作った商品と比べると、無名の一般人である自分が作った商品は見劣りするように感じられます。

 しかし、実際に有料販売されている記事や書籍が、自分の記事よりも本当に優れているのでしょうか?

 自分の書いた記事を卑屈にならず、客観的に見てみてください。そして、文章の上手さ、テーマ、着眼点など、様々な観点で、有料で販売されている記事や書籍と比べてみてください。

 勿論、多くの有料販売されている記事や書籍と比べると、自分の記事の方が劣っていることが多いでしょう。しかし、中には、自分の記事の方が優れているかもしれない、そう思える点もあったのではないでしょうか

 つまり、貴方の記事は、有料販売されている記事全てに対して、必ずしも隔絶した質の差があるわけではないということです。

②誰も買ってくれなかったらと思うと怖い

 そうは言っても、せっかく有料記事を書いても、誰にも買ってもらえなかったら怖いので、有料記事は書かない。これも納得できる理由です。

 しかし、noteに記事を投稿したことのある人は、誰しも一度はそれに似た経験をしており、既に乗り越えているはずです。

 それは、初めて記事を投稿したという経験です。

 初めて記事を投稿した時のことを思い出してください。きっと、誰も読んでくれなかったらどうしよう、そう思っていたのではないでしょうか。

 私は、初めての記事を投稿する時、記事執筆後に「投稿する」ボタンを押すのに何分も躊躇していた記憶があります。怖くて何度も記事に不備がないかを見直して、意味のない時間稼ぎをしていました。

 しかし、投稿して暫くしてビューがちょっとずつ増えていき、初めてスキをしてもらった時、勇気を出して投稿して良かったと思いました。

 有料記事に初めて挑戦するのも、きっとそれと同じことだと思っています。

 勿論、現実問題として買ってもらえるかどうかは、投稿する記事のテーマや質、投稿のタイミングや見てくれる人にもよると思いますが、努力次第で買ってくれる人はきっと現れる、そう思っています。

 また、noteの記事限らず、現在有料で何かを販売している人の全てが、初めて販売しようとするときの「誰も買ってくれなかったらどうしよう」という恐怖を経験しているはずです。

 数えきれない人がその経験をしているはずで、逆に言えば、誰でも思い切って踏み出せば乗り越えられることだとも言えます。

③収入が目的ではなく、無料でより多くの人に読んでもらいたい

 noteで有料記事を書いた感想記事などを検索して読んでみると、有料記事にするとビュー数がガクッと落ちるようです。

 とにかくビュー数を稼ぐことが大切、という人にとっては、確かに有料記事を書くメリットはないでしょう。

 しかし、自分の記事に思いを込めて、誰かひとりにでもこの思いを伝えたいと思って記事を書いている人の場合、有料記事を投稿することは、今現在、どれだけの読者に本当の意味で届いているのかを確かめることができる機会になります。(結果を知るのは怖いですが)

 本当に貴方の記事を有益だと思い、一字一句漏らさずに丁寧に読んで何かを学び取ろうとしてくれている人は、例え有料になったとしても貴方の記事を買ってくれるでしょう。その人たちこそ、貴方の思いが届いている貴重な読者であり、真のフォロワーといえる人たちです。

 一方で、無料記事と有料記事のビュー数の差が示すのは、貴方の記事の価値は、今現在はその程度であったということです。

 これは、有料になった途端にそっぽを向く読者に問題があるのではなく、お金を払ってまで読むほどの価値はないと思われる記事しか書けていない、今現在の自分の腕の未熟さに問題があると考えなければいけないのでしょう。

3.有料記事を投稿するメリット

 有料記事を投稿するメリットは、4つほど考え付きました。

  1. 本当に自分の記事に価値を見出してくれている人の数が分かる

  2. 無料記事と有料記事のビュー数の差が品質向上の原動力になる

  3. noteにお金が落ち、noteを末永く続けられる可能性が上がる

  4. ちょっとした収入と、大きな自信が得られる

①本当に自分の記事に価値を見出してくれている人の数が分かる

 有料記事を買ってくれる人は、貴方の記事にお金を出しても惜しくないと思っている人です。つまりは、貴方の記事には、差し出すお金以上の価値があると思ってくれている人たちです。

 もし、貴方のnote投稿の目的が自分の言葉を誰かひとりにでも届けたいということであれば、そういう人がいるのかどうか、知るのは怖いとは思いますが、試してみる価値はあると思います。

 普段の無料記事の投稿で、スキ、コメント、フォローが多くもらえているから大丈夫と思うかもしれません。確かにそうかもしれません。

 しかし、それらは、いつもやり取りをしている人からの挨拶代わりのスキであったり、以前コメントを貰ったから返さなくてはという義務感からくるコメントであったり、相互フォロー目的のフォローかもしれません。その真意は普段のやり取りからは中々分かりません。

 本当に価値のある記事を届けられているかを確認するには、有料記事を書く以外にはないのかもしれません

②無料記事と有料記事のビュー数の差が品質向上の原動力になる

 先述の通り、無料記事と有料記事のビュー数の差によって、貴方の記事の品質がどの程度であるかが分かります。しかし、逆に言えばその差が大きければ大きいほど、伸び代があるということでもあります。

 有料記事のビュー数が無料記事のビュー数を超えることはできないでしょうが、その差をどれだけ縮めていけるかが、自分の記事の品質を図る新たな物差しになるとともに、品質向上のための原動力になると思います。

③noteにお金が落ち、noteを末永く続けられる可能性が上がる

 これが本稿を書いている目的ですが、有料記事が売れればnote㈱の利益になり、noteというプラットフォームに末永く投稿し続けられる可能性が上がります

 noteの2023年11月期4Q(2023/9~11)の累計会員登録者数は733.9万人累計ユニーククリエイター数は127.6万人(下図「購読者数とARPPU」参照)に対して、月間購読者数は46.2万人(下図「クリエイティブの街 noteの成長」参照)です。

 例えば、累計会員登録者の1%が新たに購読を始めたとしてもその数は約7.3万人、既存の月間購読者数の15.8%を占める数になり、無視できない数であることが分かります。

『note_決算説明資料_2023 4Q』より引用
『note_決算説明資料_2023 4Q』より引用

④ちょっとした収入と、大きな自信が得られる

 記事が売れれば、当然のことながら収入が入ります。いくらで記事を売るかは人それぞれですが、有料記事だけで大きな収入を得るのは容易なことではないでしょう。

 しかし、金銭的な収入以上に、自分の書いた記事が人様からお金を払って買ってもらえた、という事実の方が遥かに大きいと思います。その後の人生に影響を与えるくらいの大きな自信を得られるのではないでしょうか。

 特に、サラリーマンやパート・アルバイトなどの、組織に勤めることでしか収入を得たことがない人にとっては、初めて自分の力だけで得られた収入であり、金額の多寡に関わらず特別なものになると思います。

4.有料記事を書くに当たっての注意点

 ここまで、有料記事を書くことを推奨し続けてきたのですが、私は、今すぐに全ての記事を有料すべきと言いたいわけではありません

 もし、私の上述の記事を信じて、焦って書いた為に大した品質にならなかった記事を有料設定し、誰にも買ってもらえずに自信を無くしてしまい、結果noteそのものから去ってしまうというようなことは起きてほしくないのです。

 有料記事を書くに当たって、まずは以下のスタンスで良いのではと思っています。

  • 全ての記事を有料設定する必要はない

  • 自分の渾身の作品で、自分でもお金を払っても良いと思えるくらいの記事のみを厳選して有料記事にする。

  • 値段設定は自由ですが、初めは最低額の100円からスタートしてみる(何事も初めは小さくスタート)

  • フォロワーも殆どいない状態では厳しいので、投稿を開始して数か月以上経過し、noteに慣れてきてから有料設定を考え始める

 全てを無料にするのではなく、有料でも見てもらえる価値のある記事に絞って有料設定することが、有料設定の本質だと考えています

 逆に言えば、全ての記事に有料とするだけの価値があるのであれば、全てを有料設定しても問題はないと思います。これは人それぞれのnoteの投稿方針によるものだと思うので、私が意見できるところではないかもしれません。

5.有料記事の購入について

 当たり前ですが、売る人がいても買う人がいなければ意味がありません。noteは無料記事でも十分高品質だからお金を払いたくない、という意見はよく分かります。現に私もそうだったのですから、それを否定することはできません。

 なので、一つの考え方の提案ですが、月間で予算を決めてその範囲内で良さそうな記事があれば買ってみる、という考え方はどうでしょうか。

 これは個人的な意見ですが、例えば、良質な記事が100円で売られていたとした場合、その記事は恐らく、コンビニで買うコーヒーやお菓子よりも価値があるのではと思います。勿論、それらを飲み食いする幸せも捨てがたいですが……。

 とにかく、良い記事に対しては、少しだけお金を出す余地を作ってみても良いのではないでしょうか、と思っています。

 ちなみに、記事を購入するにあたっては、自分が信頼している方の、買う価値のあるもののみを買うべきだと思っています。

 例えば、メンバーシップや共同マガジンなどでつながりのある方だから、という理由で有料記事を購入するのは、note㈱にとっては利益になるので否定はしませんが、本当に執筆者の為になるのかどうかは分かりません。

6.終わりに

 note㈱の収益は、利用者である我々が本来考えるべきことではありません。note㈱自身が、創意工夫をして考えることです。

 しかしながら、今回は、私がnoteとは末永く付き合っていきたいという思いから、勝手に有料記事を書くことを薦める記事を書いてしまいました。

 念のために書いておきますが、私はnote㈱の手先ではありません。もし、note㈱が本気で有料記事を書くことを利用者に推奨する記事を書かせるとしたら、私のような有料記事を書いたことも買ったこともない貧弱アカウントではなく、大御所と目されるような方や有名人を使うはずですので。

 このような記事を書いた以上、自分で有料記事を書かないわけにはいかなくなりましたので、次の記事では渾身の作品を有料設定で投稿します。その結果がどうなったのかも、その後の記事にて語ってみたいと思います。悲惨な結果になるかもしれませんが、微力を尽くしたいと思います。

 さて、本稿を通して、有料記事の投稿に対しての認識が少しは変わりましたでしょうか。もし、本稿をきっかけに、有料記事に挑戦してみようと思う方が一人でも現れれば幸いです

 最後に、本稿は以下の記事に触発されて書こうと思いましたのでご紹介します。記事を執筆された3名の方々にはこの場を借りて御礼申し上げます。


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