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少しの傲慢さで自分の心を守る【内向的で生きづらい人へ】

 「傲慢さ」というと、どういうイメージを持つでしょうか。恐らく、良いイメージを持つ人はいないと思います。キリスト教では「傲慢」が七つの大罪の一つに挙げられるなど、人が持つ悪い面と認識されていると思います。

 今回は、そんな傲慢さを少し用いることで、内向的な人が自分の心を守る考え方を紹介します。内向的な人は、他人からの心ない言葉で簡単に傷付いてしまうことがあります。そんな時に、この考え方を用いることで、心への負担を軽減することができるようになるので、是非とも実践してもらえればと思います。


1.内向的な人が傷付きやすい理由

 内向的な人が他人からの心ない発言に特に傷付きやすい理由の一つは、反論しないからだと考えています。これは、その場の空気や調和を見出したくなかったり、相手の発言に心を乱されて正常な思考が出来なくなったりして、すぐに反論ができないためです。

 そして、内向的な人はこういったことを中々忘れられず、後で冷静に考えて、自分に非がない、或いは過度に非難や批判をされていることに気付き、その理不尽さが心に重くのしかかり、大きなストレスになってしまいます。

2.傷つかないために少し傲慢になる

 傷付かないためには、何か嫌なことを言われた時点で、すぐに反論して、納得のいくまで相手と議論することが最善です。しかし、それができないからこそ傷ついてしまっているのが実態です。他の方法を探す必要があります。

 そこで私が提案する考え方が、少しだけ傲慢になることです。心の中で相手を見下し、相手の言うことは、相手がレベルが低いから仕方のないこと、愚か者の戯言たわごとだと考えます。そして、心の中でそんな愚かな戯言を抜かす相手に、思いつく限りの悪態をつきます。こうすることで、相手に言われっぱなしでいるよりも心が楽になります。

 例えば、事情があって仕事の進捗に遅れが出ていた時に、何も事情を知らない人から遅れを指摘されて嫌味を言われたとします。こんな時、内向的な人は言い返せずに黙っているか、愛想笑いでやり過ごすことが多いかもしれません。そして、後で「なんであんなことを言われなければいけないのか」とストレスを抱え、それが生きづらさに繋がります。

 こんな時に、少しの傲慢さを発揮します。心の中で以下のような言葉を気が済むまでつぶやき続けます。

  • あの人が同じ状況になったらもっと仕事は遅れている

  • 私の方が仕事ができるのに偉そうにするな

  • 仕事が遅れていると分かったなら普通は手伝うのに、手伝わないなんてあの人はどうかしている

 この傲慢なつぶやきの目的は、自分を正当化すること、相手と比べて優越感を感じて自分の心を守ることにあります。心のつぶやきが事実である必要はなく、また、どんな悪口でも構いません。とにかく、相手を貶め続け、そんなレベルの低い人の言うことを気にしても仕方がないと思えるまで続けます。

3.少しの傲慢さの注意点

 この少しの傲慢さには注意点があります。それは、相手を心の中で貶めて自分を守り続けていると、いつしか本当に傲慢になってしまうことです。

 私はこの少しの傲慢さを用いることで、自分の心を守るようにしてきたのですが、私自身には少しこの気があり、本当に傲慢になりきらないように注意するようにしています。

 これを防ぐためには、傲慢になって心の中で一通りの悪態をつき続け、他人の発言に対してある程度心の平静を取り戻せた後に、いつもの自分に戻って建設的な改善策を考えることが必要です。

 本当に愚かな人も中にはいますが、多くの人は何かしらの理由があって心ない発言をしてしまうものです。その理由が相手にある場合もありますが、自分にある場合もあります。それらの理由を考えてみて、いつもの自分から変えられる範囲で、どう変われば同じような事態を避けられるかを考えてみます

 考え方としては、どういう場面で心ないことを言われたのかを思い出し、その発言のきっかけを分析して、きっかけが生じないように行動を変えることです。

 先ほどの例では、仕事が遅れていることを知られたというきっかけで嫌味を言われたので、「仕事を遅れないようにする」「仕事が遅れていることを知られないようにする」という対策が考えられます。

 或いは、普段の相手との関係が良好でなかったから嫌味を言われてしまったのかもしれないので、「日頃からコミュニケーションを取る」ことが対策になるかもしれません。

 対応策がすぐに思いつかない、或いは思いついても中々実行できないからといって、自己嫌悪に陥ってはいけません。生きづらさの改善のために変わろうとしているのですから、その変わる過程で生きづらくなっては本末転倒です。

 他人の発言に対して傲慢さで自分を守ったのと同様に、自分が思う通りに行動できなくとも、自分の心を守ることは大切です。

 ただし、甘やかしては一生変われないので、毎日1mmずつ変わる、三歩進んで二歩下がったとしても、長期目線では進んでいられるように、自分のペースで進んでいくことが大切です。

4.まとめ

  1. 内向的な人が他人の心ない発言に傷つきやすいのは、反論ができないから

  2. 他人の心ない発言に対して、心の中で少しだけ傲慢になって相対的に他人を貶めて、自分の心を守る

  3. 他人の心ない発言のネガティブな影響がある程度収まったら、その時の状況を振り返って、どうすれば同じ事態を避けられるのか、冷静に考える

  4. 例え、すぐに改善が出来なくても自己嫌悪しない。ただし、甘やかしすぎてもいけないので、1mmずつでもよいから、長い目で見れば進んでいると実感できるようにする

5.終わりに

 私の信条に「絶対的なことはない」というものがあります。「傲慢さ」ですら、絶対的な悪ではなく、用い方次第では役に立つものだと考えています。同様に、「内向的」という、今の社会でネガティブなイメージが持たれがちのことも、考え方次第ではポジティブなものになると考えています。

 内向的な人は、外向的な人と比して、自らを積極的に発信することが少なく、交流範囲も狭い傾向があるので、内に秘めた様々な能力や魅力が理解されていなかったり、誤解されていたりすることが多いと思っています。

 私は、そんな素晴らしい可能性を秘めた内向的な人たちが、この社会で思うままに能力や魅力を発揮できる手伝いがしたいと思っています。本稿含め、今まで書いてきた内向的な人へ向けた記事には、その思いを込めています。

 これからも、内向的な方が生きやすくなるための考え方や、そもそも人生を良く生きるための方法などについての記事を書いていくつもりです。


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