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東欧旅行記 day6 ブルガリア軍の戦車に轢かれかける
ブルガリア最強エモエモ世界遺産スポットことリラの僧院を現地ツアーで訪れたわけだが、こういうツアーの良いところはルート沿いにあるおまけスポットにも立ち寄ってくれるところ。というわけでソフィア近郊のもう一つの世界遺産であるボヤナ教会に行ってみよう。
この頃から同じツアーで知り合った台湾人女性とやたら海外ネタで意気投合。向こうの旅行期間は3ヶ月、対して日本の社畜はわずか10日。まさかの10倍差に完敗である。でも日本にはオモテナシがあるから…
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なぜか雨漏りをしているミニバス(車両が雨漏てどゆこと?早く車検に出そうね?)ではお互いの過去の旅行先、特にトルコについて盛り上がる。といってもプラス要素ではないのが肝である。
トルコで食べるトルコ料理、ぶっちゃけ微妙ちゃう?
わかる。日本も台湾も肉がジューシーやけど、トルコの乾燥してるはそもそも塩胡椒かけすぎやねん。
そもそもトルコの両替レートやばくなかった?なんかコミッションで20%取られてたんやけど。
それよ、ブルガリアは言うて5%くらいやのになんなのよ20%て。しかもカッパドキアの気球ツアー、1.5倍に跳ね上がってたわ。
ひょえーー、でも来年は更に上がるんやろなぁ、、、。
そうこうしてるうちにボヤナ教会に到着。例の髪の薄いガイドの兄ちゃんが、いやー昨日はこのへんで熊が出て大変でしたわー、とサラッと言いよる。
はい??そんなデンジャーゾーンなのここ?
でも大丈夫よ、ここ高級住宅街やから逃げ惑うのはリッチな連中ばかりよ、あいつらすぐにポリスとかミリタリー呼ぶんよぉHAHAHA。
……大丈夫の定義を見直した方が良い
ボヤナ教会は元々10世紀後半頃に建てられていた聖堂に、13世紀と19世紀にそれぞれ増築を加えた作りをしており、つまるところ3つの時代の建築様式を纏めて見れる凄いやつ。
ただ基本的にデカさ&豪華さ至上主義のミーハーな僕にとっては、サザエさんの家どころか小学校の体育倉庫レベルの大きさしかなく、かつフレスコ画も大して目新しさがないボヤナは特にリラの僧院を見た後だとなんとも微妙。
しかもこちらは見学時間は10分限定にされているにも関わらず入場料は750円と、リラを侮辱せんばかりの超強気設定。
ツアーに組み込んで強制的に訪問させるのはこうでもしないと誰も寄ってくれないからだろう。なお台湾女史はなんか昨日来たらしく、その際にあまりにも面白くなかったのか今日は見向きもせずに敷地外でスマホを弄っていた。
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ツアー終了は17時。ダッシュで宿から荷物を引き上げ、近代的なソフィア地下鉄に乗ってバスターミナルへ向かう。昨日確認しておいた18時発、ブルガリア中部のヴェリコ・タルノヴォ行きバスに乗り込むためである。
この後のヴェリコ・タルノヴォ行きくれーい、と息を切らせながら言うが、ブースのブルガリアンマダムは無表情で一言
満席、と告げる
嘘やろ。宿引き払った意味ないやん。
他の行先候補も軒並み今日は全滅とのことなので諦めて明日の便、しかも当初予定とは別の場所のチケットを購入し、その場で急遽泣く泣く新しい宿を確保。
とはいえソフィアで急にやること見つけろ、というのは時間的にも無理な相談。とりあえず晩飯は毎回恒例ご当地日本食のコーナーを開催することにしよう。
選んだ店名はHAIKARAーRAMEN。
その名の通りラーメン、さぁウランバートルの絶望を払拭してくれぃ。
TONKOTSU-RAMEN…味が薄いわね??でも卓上に醤油や塩胡椒があるのでそれをぶち込めばなんとか美味く感じるレベルまで上げることも可能。肝心の値段はKARAAGEを追加して36レブ≒2800円………2800!?
前言撤回、これは許されない。表参道の意識高い系ラーメンでもまだ人の心あるで。
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何か釈然としない気持ちのまま晩飯を食べ終わり、宿への帰還中にあるものに遭遇する。
やせいの せんしゃが あらわれた!
は?戦車???
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見ると1両や2両といったレベルではなく延々とありとあらゆる軍用車両が並んでいるではないか。その数3桁には達するだろう。
夜の市街地にひっそりと展開する軍隊、絵面だけ見れば完全にクーデターのそれである。
まぁでも特に銃を向けられたりしないし大丈夫やろ、と車列の先頭方向に向かって歩くと市街地中心部の大広場に到着。おぉ、そこには何百という軍人が勢揃い。なんか行進したり演奏したり発声したりしている。
今はもう夜の22時で当然ながら近所迷惑の極みなことには目を瞑り、冷静に考えてみる。万が一クーデターだとしたら絶対こんな悠長にしてないし、そもそもこれと似た光景を見たことがある…なんだっけこの雰囲気。
あっ、運動会の予行練習だわ
でも車両もいるってことは…、もしかして東側の軍事パレード(たぶん予行)が見れちゃうのか??
警備している警察官に確認すると、20分後くらいに車両群も広場にやってくるらしい。
ま、じ、す、か。これは待たないという選択肢はない。寒いけど。
待つこと20分…では当然終わらず40分、広場の軍楽隊がスペースを作り、一般の歩兵部隊が一斉行進して去った後に遂に車両群が動き出した。
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うぉぉぉぉマジできたぁぁぁぁ!!!
恐らく部隊紹介と思われるアナウンスに合わせ、爆音を轟かして満を持しての車両群の登場。距離が近すぎるアンド道が狭すぎる&運転があまり上手ではないのでちょくちょくデカい図体がこちらにはみ出してきて結構危ない。こんなとこで戦車に轢かれるなんて嫌すぎる。
戦力的には一部M1117装甲警備車といったアメリカ製のものも見られるが、やはり主力は旧ソ連組。東側標準装備のT72戦車を筆頭にBMP戦闘車シリーズ、2S自走砲シリーズといった判別のつくものから、テレビでやってる北朝鮮の軍事パレードでしか見たことのないような悪そうな見た目のミサイル車両、対空戦車、その他諸々の大行列だ。
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ただやはり古さは否めず、判別つくものの殆どは冷戦期の代物、万が一西側先進国とやりやっても瞬殺間違いなしである。そもそもこの国の仮想敵国はどこだ?
なにはともあれ完全に偶然の産物。たぶんこんなレアな経験をすることは僕が自衛隊の偉い人になりでもしない限り一生ないだろう。バスが満席であったことに心から感謝である。え、自分軍事評論家名乗っていいすか?(慢心、イキリ顔、過剰な自己肯定)
宿に戻る頃は24時ということもありドミトリーの同室人ズがイビキ協奏曲の大合唱を奏でていたが、耳栓の力もありなんとか就寝に成功。そもそも帰還遅いの僕やしな、彼等に罪はないんやね(自省)
0900起床。
昨日予約した1030のバスで当初目的地のヴェリコ・タルノヴォではなく、ルセへ向かうことに。これでソフィアとのお別れになるが、この街は地下鉄、バス、トロリー、トラムといったあらゆる公共交通機関が縦横無尽に張り巡らされており、どこに行くにも非常に使い勝手が良い。ここまで各種交通機関の密度が濃い街はあまり見たことがないかもしれない。たしかに一歩郊外に出ればソビエト様式の住宅街が出てくるものの前評判よりも遥かに過ごしやすそうというのがソフィアの感想である。分かり「にくく」例えるなら、ブエノスアイレスからオシャレを引いて、交通機関を足した感じ。
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それではルーマニアとの国境の街、ルセに向かおう。