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『いつでも母と 自宅でママを看取るまで』

先月父を亡くした。そして、今、母は実家で一人で暮らしている。
と言っても、私も孫たちもちょくちょく訪ねていくのと、
父の亡くなった後の書類手続きなどで忙しくて、寂しくしている暇はないように思う。
しかし、いつかは(10年ぐらいのうちには)私が引き取って面倒を見なくてはならない。もちろん、施設に預けるという方法もあるが、私の体力が続く限り、私が面倒を見ようと思っている。

この本はアマゾンのおススメか何かで出てきたので、買ってみたのである。

亡くなる前、父に「お母さん、ちょっとおかしいから、気をつけてみて」と言われ、「えー、またまた~。あのお母さんが?」と受け流した私だったが、その後、「ん?」ということが何度かあり、これはちょっと刺激を与え続けないとまずいぞという認識に変わった。
まだ自分で書類を揃えたりなどはできるが、市役所から3枚取ってきてと言ったのに、1枚しか取ってこないとか、書類をしまった場所を忘れたりとか、そういった小さいことが、これから徐々に大きくなっていくのだろう。

そんな状況の私にとって、この本にはグサグサと刺さる言葉や有益な情報がちりばめられており、線を引きまくりである。

私の母は今のところ身体の方はピンピンしているが、山口さんのご母堂のように逝くときは苦しまずに逝かせてあげたい。そのために必要なのが、情報収集力・判断力なのだということがこの本を通じて明確に理解できた。
山口さんの場合は、友人・知人・家族に介護に詳しい方がいらっしゃって、その都度手を差し伸べてくれた。私が父の介護を手伝っていた時も、友人が色々と教えてくれたので、私自身は後悔することなく父を見送ることができた。
やはり持つべきものは、頼りになる情報通の友人知人である。

それから、色々政府や行政に文句がある人もいるだろうが、父の介護のときに、この国の介護サービスのすばらしさを実感した。山口さんもそれについてはこの本の中で書かれていた。訪問看護の医師、看護師さん、ケアマネさん、みんな天使だよ。いや、神様かな。というぐらい、親身になってくれた。本当に感謝している。私が母の介護の時に、そういう人を引き当てられるか否かも、私の情報収集力やコミュ力次第なのだと思う。


このイラスト、可愛い
黒猫がカーテンから覗いている

最後の桜木紫乃氏の解説が泣かせる…。

#介護 #いつでも母と #山口恵以子 #認知症 #桜木紫乃 #読書感想文

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