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箕輪記事フォローアップ「信者ビジネスって自己啓発系にしか通用しないんじゃない?」 6/11

こちらのフォローアップ記事ですよ。

先日の箕輪さんの販売手法の解説が無駄にバズって驚いている久保内です。はてブトップですってよ……。しかし、はてブの送客力はかなり落ちたなあとアクセスログ見て思いました。今の送客力では、第2.第3のイケダハヤトを生むには力不足です。はてブユーザー諸氏は奮起していただきたい。

とまあ、それでもTwitterを眺めているとさまざまな人がさまざまなコメントをつけていて、存外ご好評だったようでうれしいような、「これ全部、さらに露悪的に箕輪さん本人が言ってるんじゃ? 各所のインタビューでドヤーって言ってたじゃない? 話題にはなるけど読まれてねぇのか……。というか、まじめに読んでるのもしかして俺だけだったの……?」ビビっております。

その中で、一番多かったのは「ただの詐欺じゃん」とか、これまた「君何読んでたの?」ってなるやつ。ちょうどいいから、マシュマロに来たこんな質問にぼんやり回答してみようと思う

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出版指標年表は高いので、ちょっと確認する気にはならないんですすいません。が、ぼんやりした記憶だと、ここ数年なぜか児童書だけが販売数アップした年があったりと底堅く、ビジネス書はずっと前年比マイナスながら他のジャンルに比べると、まだ堅調だったかと記憶してます。違ったらごめん。30分しか時間をあてないと決めているので……!

で、箕輪さんの手法のコアは、著者同士の褒め合いを通じて疑似コミュニティを形成して、ファンを獲得・組織化して、ネット書店ランキングの上位を狙う。そして、その実績とバックボーンに大きく印刷部数をとって一気に書店に配本をかけるといったものでした。

これ、幻冬舎(というか見城社長案件)くらいぶっ壊れたブレーキの出版社は他になかなかないんで、印刷部数的には見劣りしますが、啓発系以外には通用しない、というワケではありません。そもそも本である必要はない。

今や、Twitterバズ製造マシーンになっている「これは発明」「絶対しちゃだめご飯が消える」とかやってるレシピ系ツイートや、ちょいエロかったり、100日後に死んだりするTwitterに掲載されたマンガたちも手法的には相似形です。


つまり、マーケティング手法としてSNSなどを駆使してファンを獲得して、売っていくというのは、今やどの業界でも行われているベーシックな手法です。アイドルも、大企業のTwitterアカウント“中の人”もそれを狙っていると言っていい。

通常のマーケティングのゴール設定は「商品を効果的に売る」こと。でも箕輪本系のゴールは設定は実は違うところに置かれていることが特異なのだと感じています。彼らのゴールは本をたくさん売ることではなく、サロンに加入させることと言えると思います。権威性を高めて、サロン加入へのエンゲージメントを高めるためのチラシとして本という媒体を利用しているんです。

まあそりゃあそうですよね、本は、手間がかかる割に売価は他の情報商材のように何万円もつけることはできず精々1600円程度。そこから5万部売っても、著者印税は900万です。これ、印税って今や消費税と同じ価格ですからね。

それに比べて、サロンは堀江貴文なら11000円が1300人強、プラットフォーム手数料引いて月額1千万強、箕輪なら5940円からで、月収が600万円とかですから。「話題だから」と買った購入者は、サロンの見込み顧客となるわけ。

そこが信者ビジネスと言われるゆえんで、箕輪さん本人も宗教という言葉を何度も言ってますわね。売り物は自分自身なので、話題になっているから買うというレベルの読者層の知性を低く見積もってのオラオラで兄貴な自己演出をするわけです。Youtuberのヒカルとかラファエルと同じです。

仮に「俺の年収1億!」って言ったら、「マジですげえついていこう」となるくらいの層を客にしているからこそのあのパフォーマンス。「えっ、1億? 1500人のサロン生分だけで7000万? 年間俺ら5万円近く払ってるのか」となる層は相手にしていないということです。

外形的なマーケティング手法は、幻冬舎のやったるでエンジンのほかは、とてもオーソドックスで効率的な建付けなんですが、その結果としてリリースされる本が、機能的にはチラシです。

商品としては、チラシなのに利益を生み、さらに継続顧客への誘導をうながす素晴らしいもの。本としては、作っているほうも成立していればいいとインタビューで言っちゃえるくらいのクオリティ。ひどい言葉でいうと知性にチャレンジされた読者を獲得するために、「易しく・平易に」ではなく最初からチャレンジング知性向けにチューニングされた本。

そこで重視されるのはサロンへのエンゲージメントの確率であり、内容そのものではない。これが、堀江貴文が褒める経営者視点だったり、出版関係者がイラつくポイントってことは言えるのではないかなと思います。

と、嫌味っぽい口調で書いてきてますが、サロンで継続的なファンを獲得しておくことと、本の内容ではなく本人のキャラクターで売るという2点は、それなり以上のメリットがあります。

それは一発屋になりにくいところ。本の内容がよくてヒットするのは、本人の努力や知識量もありますが、時勢など偶然の要素も絡む読めないものです。でも、ファン層を獲得しつつ、本よりも自分の顔が売れている場合、本の内容はよくても悪くても、売れる数字が読めます。どちらが出版社の経営状態にとってありがたいかは言うまでもないっすね。

本の内容とか、本一冊単位でのスパンで考えると、大きな販促施策打ちにくいですからね。1万部狙いで1600円だと、1600万円、販売店と取次が半分持って行って800万、印刷に120万、編集人件費に100万、著者に160万……。うまく売れて2-300万円の利益の案件にどれだけ販促施策・プロモーション打てますかという話になっちゃう。大の大人を3人、1日拘束して場所を確保するだけで20万円からかかりますよ。それでいくら売れるんですか?

だから、最近の出版計画だと、著者はどれくらい知名度があってTwitterフォロワー数やYoutube登録者数はどれくらいあって……が重要視される。元手ゼロで施策が打てるからです。ってこれ、出版社必要……? 売るための努力をするから印税10%で契約してるんだよね……? 告知やRTの頻度と反響が少ないからってなんで怒られてんの俺?(唐突な私怨)。

箕輪本をバカにしながら、こんな感じで、売る努力まで著者に負わせてたままの出版社のほうが大勢を占めているなか、自分の顔を売ることで、一つの商品ごとにない金を工面して案を絞るのではなく継続的にファン獲得の施策を打ち続けることができる手法はやっぱり優秀な点があることは指摘しておきます。

このファン獲得・コミュニティ形成の手腕なら、この手のご本家ともいえるPOPミュージックシーンでも俺は通用する! と思ったかどうかは定かではないですが、箕輪さんのミュージシャンプロジェクト「箕輪☆狂介」の「徒花」という曲で本日は終わりたいと思います。やっぱ、ヒムロックから今持って来るくらいのなんていうか、アレじゃないとなかなかできることじゃないですよ…。でも、アレンジとPVはかなりいいね。ホントに。

箕輪☆狂介 『徒花』

で、自分はというと、ぼんやり知名度も必要だよなあ…とか思いつつだらだらnoteを仕事の合間に書いて、フォロワーの数が10-20増えて一喜一憂してるんだからしょうがないもんですわな。今日はこの辺で。

あと、もうちょっとジェントルかつシンプルにまとめられている記事もあったので、こちらもどうぞ。

よろず質問あれば、久保内のマシュマロまでどうぞ。あと、やっぱり末端ながらファン層の広がりって大事だなって思ったので(素朴)、いいねと同時にRTして拡散してください。もちろんTwitterとnoteのフォロー歓迎です。新時代を突き破るために久保内をフォローするのです。いいですね? 後後日こんなのも書きました。




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