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パブリックスペースと針葉樹合板

TABで頻繁にやってる自分たちのオフィスやお店といった空間を、関係者といっしょにDIYでつくっていく行為。近年ではそのプロセスを地元周辺のパブリックスペースで実践する機会も増えてきました。その結果見出しにあるような、ひと昔前ではあまり見慣れなかったコントラスト強めな空間がいくつか出来上がっています。

信長像と針葉樹合板

その一つが、最近関わらせていただきましたソフトピアジャパンセンタービル1階「ふれあい広場」リニューアルになります。

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90年代前半につくられた黒川紀章設計の壮大な空間と、いつの間にやらスペースにあらわれた黄金の信長像に並んで、ホームセンターでみかける下地用の合板を活用した(角材は岐阜県産材使ってます!)TABの組み立て式家具『LOHA』シリーズをベースにしたインテリアが置かれています。

いつも見慣れた家具たちも、置かれる空間によって見え方も変わるものですね…。ちょっと感慨深いものも感じたりします。

こちらの空間は、ソフトピアセンタ-来訪者のワークスペースや、憩いの場所として活用されており、空間の特性に合わせて、連結したり、着色したり、追加パーツを加えたりと、『LOHA』シリーズ家具をうまく活用して空間を構成しています。

噴水と針葉樹合板

もうひとつ、これは屋外の公共空間になりますが、大垣駅前南の噴水広場・水都の泉で定期的に行われているナイトマーケットイベント『えきまえスクエアパーティ』もTABデザインの組み立て式屋台や組み立て式ゲーム什器を並べることで、駅前の広場を楽しげな空間に変化させています。

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最近のご時世で屋台の活躍の機会が減っておりましたが、道路空間や屋外公共空間など有効活用が国の方針として進められておりますので、また皆さまのお目にかかる機会も増えていくと思います。

ちなみに開催中止になってました『えきまえスクエアパーティ』、7/25の17時から復活予定です。出店者の屋台として、また飲食用のテーブルとしてTAB屋台が活用されますのでお楽しみに。そしてTABでデザイン協力させてもらった軽トラキッチンカーも出店予定ですのでこちらもお楽しみに!

芭蕉と針葉樹合板

最後にもう一つ、上で紹介した屋台を改造した什器がカウンターになってる、岐阜県大垣市の「奥の細道むすびの地記念館」内にある喫茶処「芭蕉庵」も針葉樹合板でできてます。

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その他にも、TABのWORKSにもいくつか事例ありますので興味のある方はWEBSITEをご参照ください!

パブリックスペースのローコストリノベーション

コンプライアンス強めのパブリックスペースのリノベーションにおいて、組み立て式・移動式の家具で空間を構成するのは、建築基準法や消防法などの観点からも有効なのではないかと考えています(賛否両論あるとは思いますが)。予算的に消去法でその手法しかないとも言えますが...。

ただこれだけ見るとパブリックスペースがチープになってくだけじゃないか!と思われるかもしれませんが、それは違います。

今後のパブリックスペース(種類にもよりますが...)の利活用のなかで、その場所が持続可能になるような仕組みをその場所自身に組み込んでいく必要が生まれてきてます。簡単に言えば人が集まる公園の一部に飲食店をつくって、その儲けでもって公園の一部を維持していくとかでしょうか(いわゆるPFI的なものです。このあたりもケースバイケースで賛否両論あったりしますが...)。公共空間も、ある程度受益者の負担で維持していく仕組みをいい感じで組み込んでいかないと、今までみたいに税金で維持できなくなるんですよね、間違いなく。近い未来の日本の話です。

じゃその仕組みをまた莫大な費用でもってつくるのかって言われればそれもむずかしい話です。最初のイニシャル抑えて運営して、また次に設備投資していこうってのが健全なカタチだと思います。資本があつまりにくい地方都市は特に。

なので最初はDIYでもちょっとチープでもいいんです。なんならデザインと耐久性良ければチープ&DIYなままでいいじゃないかとも思います。什器とかの修理とか開発とかも自前だったり利用者でやれちゃえば、ランニングコストもあまりかからないですしね。

まだ未熟ではありますが、自分たちがやってるのは下のリンク周辺の文脈になるんですかね…。こうなってくための助走みたいな。

今後も公共空間の利活用の促進に伴って、使い勝手のいいTABデザインのDIY木製家具がいろんなパブリックスペースを侵食していく予定ですのでお楽しみに!



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