見出し画像

船乗りをやめました

noteを始めたきっかけでもある、船乗りを辞めた。
そして新しい仕事をはじめて一ヶ月が経つ。


ほぼ日本国内ばかりの航海、でもそのおかげで国内の未踏の地は滋賀県のみになった。

海無し県育ち、最寄りの海まで約2時間。
そんなやつが、人生25年にしてはじめてビーチじゃない港町を知って、漁業を生業とする人たちと出会った。

「船乗ってるとご飯も出るしお金ぜんぜん使わない」とは言いつつも、だいたい地の焼酎と美味しいものたちに消えていく。

ほとんど毎日、目覚めたら違う場所にいた、
だから街ごとの空気の違いが分かるようになった。

「好きな島は一番が奄美で二番が屋久島、行きたいのは青ヶ島」
そんなことを真剣に話す私を、10年前の自分は想像していなかったし、
一年前は口癖のように発してた「ここなら住める」も、きっとこれからほとんど使わない。


一年のうち約9ヶ月を過ごす、窓と電波のない部屋は、デジタルデトックスをしたい人には心からおすすめできる良物件。(私は反動でデジタルリバウンド中。)


乗ってる間はほぼ毎日仕事、休みはない。これは職種にもよるけれど、下っ端なので相部屋ばかり。

最低でも2週間はあったまとまったお休みに、
“何もしないのもしごと”と黄色いくまさんのとある名言よろしく、融点までダラダラとしていることももう出来ない。

と、なかなか未練たらしい文になったけれど、もちろん、辞めたのにはそれなりに理由はあって、今のところ、「良い思い出」の引き出しからはみ出すことなく収まっている。

それでもあと2年くらいはきっと、潮風みたいにジメっとした空気の今日だとか、飲み屋で現地の倍くらいする三岳を見かけた日だとか。きっとちょっと恋しく思い出してしまうんだと思った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?