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私の人生には登場しなかった「読書」という言葉が突然あらわれた。

「読書」。

私の人生にはほとんど登場しなかった言葉だ。

生まれてから30数年間、ほとんど読書をしてこなかった私が、この歳になって本を読み始めた。ここ1ヶ月ほどの話だ。

きっかけが何だったのか覚えてはいないが、突然「読書」に目覚めた。

いや。
突然と言うと少し語弊があるのかもしれない。

社会人としての知識や教養を身につけたいという気持ちはあった。気持ちだけは。

大学受験まで「勉強」をしていたはずなのに、大学、社会人と、大人になるにつれて「勉強」をしなくなり、ニュースやテレビ、You Tube、TwitterなどのSNS、それらから得られる知識・情報を見て、全てをわかった気でいた。

社会人として「勉強」をしなくてはと思っていても、
「仕事が忙しい」
「仕事の役に立つかわからない」
「時間がない」
「お金がもったいない」
と、できない理由をあげつらえては、結局何もしない自分がずっといた。

人に本を薦められて読書をしたこともあったが、ほとんど何も感じられなかった。1つだけ気になった言葉があったくらいだ。(今読むと真っ白で読みやすく面白い本なのだが、当時読んでいた時は茶色くどんよりしたイメージだった。)

そんな社会人としての知識や教養を身につけたい「気持ち」だけあった私が「本」を読み始めたのだ。

残念ながらきっかけはよく覚えていない。成功した経営者のように「このことがきっかけで人生が変わった!」と、格好良く言えればよかったのだが、本当に覚えていない。

ただ読書熱を一気に加速させた本は覚えている。

たまたま立ち寄った本屋で「心配事の9割は起こらない」という本を買った。曹洞宗徳雄山建功寺の住職である「枡野俊明」さんが書かれていて、その本で、禅語には「冷暖自知(れいだんじち)」という言葉があることを知った。

器に入っている水は、見ているだけでは「冷たい」のか「暖かい」のかはわからない。実際に自分で飲んでみる(あるいは、そこに手を入れてみる)以外に、「冷暖」を知る手立てはないのだ、という意味です。考えるより動くことが大事なのです。

枡野俊明「心配事の9割は起こらない」

「考えるより動くことが大事。」
「やってみなくちゃわからない。」

正直、テレビや成功した社長のインタビュー、映画やドラマなどで聞いた言葉だ。

だが、これまで全く私の中へと入っていかなかったこの言葉が、この本を読んだことで、すっと入っていったのだ。

自分で選んだ本だからなのか。
受け身ではなく本を読むという行為を自ら選択したからなのか。
タイミングの問題なのか。

なぜだかわからないが「納得感」を得たのだ。

不思議なことに、この「冷暖自知」という言葉を知っているだけで、新しいことをするときに、なぜだか一歩踏み出しやすくなる。

小さな小さな一歩かもしれないが、たった一つの「言葉」だけで「行動」が変わってきたのだ。

本を読むようになって「言葉の力」を実感している。

このnoteを書いていることも、行動が変わった結果だと思う。

もし、このnoteを読んでくれた人の中に「読書」をあまりしてこなかった人がいるのであれば、とりあえず興味を持った本を1冊読んでみてほしい。

なんでもいい。小説でも、自己啓発本でも、ノウハウ本でも、なんでもいい。

なんの根拠もないけど、何か変わると思う。

食わず嫌いの料理を食べたくなるかもしれない。
行ったことのない場所に出掛けたくなるかもしれない。
疎遠だった友達に会いたくなるかもしれない。
帰ってなかった実家に帰りたくなるかもしれない。

最初は小さな変化でも、少しずつ積み重ねることで、大きな変化になるのではないかと思う。

私が「読書」を始めたきっかけは不明だが、このnoteが誰かの「読書」を始めるきっかけになってくれたら嬉しい。

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