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「だからボリュームを下げろっての」

世界一周198日目(1/12)

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ようやく体調が元に戻った。あ~ここまで長かった!熱だしたり、駅で野宿したり、睡眠不足だったりでさんざんだったけどよかったよかった!

でも体がすっごく痒いんだよね…。
どういうわけだか寝袋もブルーシートも効果を発揮していない。

「そんなにシラミがいるのか?この宿」
朝、温かくなってくると水シャワーを浴びた。どういうわけだか体にいくつか小さな傷が見つかった。ごわごわした体洗いタオルで体をこすると痛いので石けんを泡立たせてそれを使ってマッサージするように体を洗った。

洗濯物も一緒に済ませ、自分の部屋に吊るした洗濯紐にひっかけてファンの最大風量で部屋を出る。

まぁだいたいどこの宿のこうしてファンをつけっぱなしにしていると

『なんだよ!部屋にいないのにつけっぱなしにするなよ!』とまるでお母さんのように、外から帰ってきた時には電源を落とされちゃうんだけどね(電源は部屋の外についているのだ)


このマイソールの街であと3日も過ごさなくちゃならない。
次の街への列車のチケットは持っていない。しかも今日は日曜日。旅行代理店はお休みだ。はっきし言ってよっぽど居心地のいい街以外、3日も滞在すると飽きる。長く滞在しても2泊3日くらいでガンガン前に進んでいきたいんだけど、列車のチケットが手に入らない。この足止め感がすごいイライラする。あっ、それは野菜不足か。

だけど僕には漫画を描くことができるのが救いだ。
原稿用紙とカッターボードを入れたTESCOの手提げバッグを持ってちょっと離れたカフェに向かった。作業場があるのはさ、すげーありがたいんだよ?でも、トイレがないのはすごい困る。尿意を催したら活動終了だからね。


インド中で見かける「Cafe Coffee Day」っていうのはチェーン店のようだ。ここマイソールでも一軒見つけたので足を運んでみた。

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割と高めの価格設定で、ちょっとお金を持っていそうなインド人たちが足を運ぶお店だ。安いお店ではないのでそこまで混雑することもなく作業をするのには向いていると言える。店内はもちろん空調もかかっている。ただしWi-Fiはお店のサイトしか接続できないものか、もしくは使えないか。ここのはWi-Fiは従業員専用みたいだ。パスワードは教えてくれなかった。長居させたくないんだろうな。

まぁ、Wi-Fiなくても作業するんですけど(笑)

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さあ漫画を描くぞ!と意気込んだのはいいのだが、全然話が思い浮かばない。

次のお話にはスーツケースを転がす人物を描こうと思ったのだが、そのイメージに引っ張られ過ぎてなかなか話が思い浮かばない。てか僕、まだコロコロパッカーに会ったことないわ。彼らはどんな旅人なんだろうか?

旅ノートにポソポソとアイディアを書いて「Cafe Coffee Day」を後にした。ちなみにこの日の注文は15ルピー(25yen)の2枚入りチョコチップ・クッキー二袋。ひでえ客だ。


場所を変えたら何か思いつくかもと、ショッピングモールのフードコートで漫画構想の続きをした。

僕が漫画を描いているのを珍しそうに男の子がじっと見てきた。あざとさが滲み出る可愛さだ。彼は自分が可愛いことを理解している。

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この街でバスキングをしてみたらどんなリアクションなんだろうか?

病み上がりの体で路上に出てみたが、反応はイマイチだった。近くで見ていた世話焼きおじちゃんが「バザールの中だったら、もっと人がいるぞ!ついてこい!」と誘ってきたもんだから、今回はプロデューサーを迎えるという形でバザールの中で唄ってみることに。まぁ、バザールの中はバスキングには向かないのは分かってるだけど。今回はプロデューサーを信じてみようじゃないの。

「ほら!ここで唄って!」と得意げに場所を見つけてきてくれるがお世辞にも良い場所とは言えない。言っちゃ悪いけどセンスない。数曲唄うと「ここはイマイチだな。よし!次に行こう!」とすぐに次の場所に移らされる(笑)。

目の前に座っているあんちゃんたちがいつものように絡んできてチャイをおごってくれたり、ここでのバスキングはそんなものだった。

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宿に引き上げて、薬剤の臭いのする監獄の様なシングルルームで日記を書いてしてー…

「がやがやがや(テレビの音)」

「ぎゃはははは〜〜〜!(夜遅くまでうるさいインド人スタッフ)」

「だからうるせえって言ってんだろ!!!他のヤツも寝てるじゃねえか!テレビのボリューム下げろ!ボリューム!VOLUUUUUUME DOOOOWWWWN!!!」


そして昨日に増して体に痒みを覚える。

もう嫌だ!こんな宿!
絶対明日他の宿に移るんだからぁあああああ!!!

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現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。