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「インド感覚」

世界一周182日目(12/27)

昨日の夜屋上で宿泊客のおっちゃんと話していると

「写真を撮っているなら
"チャルムナーラ"
なんかオススメだよ。
8番バスで行けるから」

と教えてくれた。

こういうきっかけを大事にしたい。
7時前には目を覚まし
サブバッグを持って宿を出た。

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他の店はどこもしまっているのに、
駅周辺は朝も早くから騒がしい。

バスはどんどん入れ替わり、
トゥクトゥクはニワトリの代わりに
クラクションを鳴らす。

僕は8番バスが
どこに来るのかを探すことから始めた。

「チャルムナーラ?
8バスはどこに来るの?」と訊いても

他のインド人は全然違う場所を教えて来たり
運転手は指をさしてアバウトに
「あっちだ」と言ってくる。

だからさ、
その「あっち」って
どっちなんだっつーの!

なんとか自分で8番バスを見つけ出し、
運転手にチャルムナーラまで行くか尋ねてバスに乗る。

乗客を乗せてバスは
セカンドラバード駅をどんどん離れて行く。

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自分の足では行けないような場所に行くと
ちょっとドキドキする。

そのドキドキはこれから何が
見れるのだろうというワクワク感でもあるし、
自分の知っている場所から離れて行く不安感でもある。

変わって行く街の景色。
歩き回って自分の目で見た景色は
どんどん新しい景色に移り変わっていく。

その新しい景色が目に入り込んでくるたびに
僕は嬉しかった。

たかだかローカルのバスに乗って行く
一時間の移動も僕にとっては旅なのだ。


隣りに座ったおじいさんに「チャルムナーラ?」と
それっぽい建物を指差して尋ねてみた。

その時尋ねた建物はチャルムナーラではなかったが、
おじいさんはその後降りるまで僕に
「あの建物は〇〇だぞ。あっちは△△!」と教えてくれた。
ヒンドゥー語だったから全くわからなかったけどね!

集金係は僕に
「ここがチャルムナーラだ」と教えてくれた。
言われた通りの場所で降りる。

バスを降りたところでは
バイクに3ケツして停まっている少年たちが
僕のことを見てニヤニヤ笑っていた。

笑いたきゃ勝手に笑ってればいいさ。
簡単に手で挨拶をして
チャルムナーラっぽい建物に近づいて行く。


チャラムナーラに到着する前に存在感のある大きな建物を見つけた。

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その脇にも荷物検査のゲートがある建物がある。
まずはそっちに入ってみよう。

荷物検査のおっちゃんがサブバッグを開けさせて
僕の持ち物をチェックする。

いやいや、そんな物騒な物は
入ってるわけけないじゃないですか。

形だけの荷物チェックかと思われた。

「それは?」
「え?パソコンだよ。ほら」

わざわざケースのジッパーを
少し開けて確認させてやる。

「ラップトップは持ち込み禁止だ!」
「はっ?カメラはいいの?」
「ああ。カメラは大丈夫だが、ラップトップはダメだ!」

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い、意味が分からない!

写真撮影禁止でカメラの持ち込みが
できないのなら理解できる。

だが、パソコンの持ち込みが
できないなんて一体どういう理由だ!!?

荷物を預けるクロークも
ラップトップの持ち込みということで
預かってもらえなかった。

いやぁ~…
朝からウザいですね♪

ふんっ!まあいいさ!
僕はチャルムナーラを見に来たんだから。

自然にせよ、人工物にせよ
大きい物を見ると感心せずにはいられない。

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『うわぁ~…すげえな…』

人の少ない朝8時のチャルムナーラ。

へへへ、ラッキーだ。
おっちゃん、教えてくれてありがとうよ♪

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近くにいた警備員のおっちゃんたちに
駅までのバスは何番に乗ったらいいのかを尋ねると
8番だと教えてくれた。
来た時と同じバスか。分かりやすくていい♪

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バス停(なんてあるのか?とりあえず人が固まってて乗り込めそうな速度で走っているバスに飛び乗るイメージだ)までの道のりをブラブラと写真を撮りながら歩く。




10時に宿に戻るとスタッフが宿代を要求してきた。

ははは。意味がわかんねーです。

だって来た時に500ルピー、
(うち60がデポジット、300ルピーはちょろまかされた)、
昨日の朝に140ルピー、
バスキング終わりに120払ってるもん。

明日にはとっとと出て行くし
ここにいる分のお金は既に払ったはずだ。

なにやら英語で
「エクストラ・チャージ。140ルピー」
とか訳の分からないことをぬかしている。

ここのスタッフは比較的聞き取りやすい英語を話すが
請求内容が理解できない。

「君のチェックインした時刻は7:30だろ?だからエクストラチャージだ」

う~む…。ここから推測するに、
確かにおととい僕がここにやって来たのは7時半だ。

そして昨日、催促されて宿代を払ったのが11時過ぎ。
9時に起きてブログの下書きをしてたんだけどね。

つまりここのドミトリーはチェックインしてから24時間制を試行しており(そんなこと聞いてないしどこにも書いてないぞ!)

昨日の3時間ちょっとの超過分のお金
140ルピーを払えってことなのかもしれない。

僕だってそうやすやすと金を払うわけにはいかない。

「はっ!?ぜんっぜん意味が分からないんだけど?
だって今日の分は昨日払っただろ?ほらレシート!」

昨日宿代を払った時に渡されたレシートを見せる。

自分の書いた日付を見て「ぐぅっ…」となるスタッフ。

ここにいてもまた変な理由をつけて
追加料金をむしり取っていこうとするに違いない。
さっさと外に出よう。


まぁ、事務的でボってくる気配は感じられないんだけど
向こうの理屈を押し付けてくるのがウザいんだよね。

こっちは友好的にちょろまかされた
(て言うかぜってーアイツ渡し忘れた)
300ルピーを諦めてちゃんと三泊分お金払ってんだもん。

はい。それで終了!
このあと1ルピーたりともお金払いませんからね!

これでタチの悪い宿だったら物とか盗むのかな?
まぁ、強気に出られるのもあの宿に監視カメラがあるから。

あ~、そういえば明日デポジットの60ルピー
素直に返してくれるのかなぁ?
また「エクストラうんたら」とか言って
返してくれないかもな…

そうなったら60ルピーは諦めようか?

明日のそのことを考えると気が重いぜ...

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昨日行ったカフェで
今度は67ルピーのカプチーノの
グランデサイズをオーダーした。

「80ルピーです」
「えっ!?だってここに67ルピーって書いてあんじゃん!」
「タックスです」

どうやらインドでは税抜き表示が主流のようだ。


インドってさぁ、不思議だよね。

日本に比べたらかなり物価が安いのに、
だんだんとインドナイズドされた金銭感覚になってきて
ボラれることに敏感になっていくんだもの。

ちょろまかされた宿代300ルピーは日本円で約500円。

メシが一食プラス、チャイうんぬんで40ルピーだとして
宿代が200ルピー(たぶんシングルの最安値)、
交通費は距離によるけど列車で7~800円。
バス8~15ルピー。
ネット代15~20ルピー。

と考えると500円分のデカさがわかるだろう。

『まぁいいよ。
たかだか500円くらい』

と気を抜いていたら、あっと間に素っ寒貧だぞ!



『あれ?インドって
こんなに物価高かったっけ...?』



って、それ!三年前のインドに来た時の自分!!!

カフェで背景を描いていると
入り口手前一列の照明が消えた。
僕の座っているサイドだ。


時々光るフラッシュ。振り返ると誰かの誕生日会。

些細なことも今の僕にとってはウザさにしか感じない(笑)

根性で背景を描き終え、ぐったりしていると誕生日会のテーブルにいた女のコが声をかけてきた。

「それ漫画?すごいわね!」
「ああ。どうも」
「今ね、あそこに座っている彼が誕生日なの♪」
「コングラッチレ~ショ~ン…」
愛想を搾って彼にサムズアップする。ニッコリ返す彼。

今日はここまでだ。
明日列車の出る時間まで続きをやるとしよう。

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この街最後のバスキングは駅前。

アナウンスがうるさいと思ったので
駅ではやらなかったんだけど、
ベストスポットを発見した。

アガリは約2時間唄って354ルピー。588円。
張り替えた弦が奏でる音は気持ちいい。

てか手持ちのストックが
1、2弦以外なくなっちゃったんだけど
次の街で買えるのかなぁ?

うむ。500円分はデカい。


現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。