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「インドビザを申請で現職の雑貨屋さんに会う」

世界一周234日目(2/17)

ここカトマンズに来た目的のひとつは「インドビザの申請」だ。

前回タイで取った3ヶ月シングルビザを使って旅した56日間。ビザの期限も切れたことだし、この後のドバイ経由でイランに向かうためにはもう一度インドに入国しなければならない。4年前の初めての旅で訪れたガンジス川のあるバラナシも、もう一度行ってみたい。インドビザに向けて航空券も取った。ホテルも予約した(すぐにキャンセルした)。インドビザの申請は2回目。タイ、チェンマイでも申請したし、余裕っしょー。

インド大使館も宿のあるタメル地区から徒歩10分くらいの距離にある。お気楽モードで業務開始の30分前に大使館前に行くとすごい列が。

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これは別の列でした。


時間になり、整理券「44」を取って順番を待ったのだが僕はもっと早くくるべきだったと後悔した。

どうしてかはわからないが、進むのがめちゃめちゃ遅いのだ。ビザ申請の受付時間は9:30~12:30。こんなんで僕の番までまわってくるのか心配になるほどだった。それより、受付がひとつしかないのはどうしてだろう!!?
一時間くらい日の当たらない寒いベンチで本を読みながら時間をつぶした。

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設置された電子版はまだ20番台だ。こんなことならもっと早く来た方がよかったのかもしれないなぁ…。

受付前にある必要書類が書かれた張り紙を見るとパスポートのコピーとネパールビザのコピーと前回入国した時のインドビザのコピーを取り忘れていたことが発覚した。余裕ぶっこき過ぎたぁああああ!

「ちょっとチャイ飲んできます♪」と必要もないのに軽く嘘ついて大使館の外に出る。

急いですぐ隣りにあるプリンタ屋さんで(たぶんこういう時の事を想定しているのだろう!)一枚10ルピー(10yen)でコピーしてもらった。

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大使館で日本人男性にお会いした。旅慣れた格好をしている人だったので書類の不備がないか最後のチェックをお願いした。

「ああ。問題ないんじゃない?」と言うお兄さん。興味本位で「何やっているんですか?」と尋ねるとその人は現職の雑貨屋さんだった。フリマ出店目的で雑貨を買ってはいるのでぜひ本職の人の話を聞いてみたいと思った。

雑貨屋を始めてまだ1年しか経っていない新米の雑貨屋さんだったが、主にネパールで仕事をしているそうだ。今回は8年ぶりにインドに行くらしい。

そんなわけでいくつか旅や雑貨に関する質問をお兄さんに投げかけてみた。

Q1:「タブラってあるじゃないですか?あの打楽器の。あれってインドとかで仕入れたほうが安いんですか?」
A:「安くて品質のいいタブラを買うんだったらインドネシアだね。でも楽器専門じゃないのならあまりオススメはしない。大きいし、日本へ送るのにも、在庫を抱えるのにも限界がある。それにタブラはどこでも売ってるけど、音が違うんだ。分かる人が聴いたら一発でタブラの善し悪しが分かってしまう。お店よりもお客さんの方がタブラのことを知っている場合があるんだ。B級品のタブラがずっと売れ残ってしまう可能性もある」
「マジっすかー…」

Q2:「東南アジアやインドなんかにいると、よくマリファナの売人に声をかけられるじゃないですか?(実際海外を旅していると胡散臭いヤツによく声をかけられるのだ)日本に仕入れたりする人もいるもんなんですかねぇ?」ちょっとアブナイ質問。
「そりゃもちろん俺はやらないよ(笑)こんな(エスニックな服装に長く延びた髭を生やした)格好してるから空港で荷物検査される時はあるけどね。でもコカインなんてグラム1万とかするらしいよ。それをどうするかっていうとね、体の中に隠すんだ。コンドームの中に入れて、それを飲み込むのさ。腸が異物を出そうと、直前にはトイレに行きたくて冷や汗が出るみたいだけどね(笑)」
「もし仮にお兄さんが密輸してるんなら、こんなことペラペラ喋りませんよね?」
「そうだよ。密輸するようなヤツはもっと普通の格好してるもんさ」

Q3:「なんで雑貨屋を始めようと思ったんですか?」まともな質問。
「まぁ、そりゃ『売れる!』と思ったからだよね。利益は10倍くらいになるからさ。でもやっぱ難しいよ。在庫もそろえておかなくちゃならないし。特に女のコの服なんかは。男だと仕入れられないからね」

それはすげえ分かる。雑貨屋は女のコに向いた商売だと思う。いい感じの服やアクセサリーを見つけても、どうしても踏みとどまってしまう。センスが問われるのだ。なければ沢山の雑貨に触れてセンスを磨くしかない。無論、僕は後者だ。
日本にいる友達に色々相談してはいるんだけどね。


後からやって来た日本人のヨガの先生も交え、色々お話を聞かせてもらった。いつもは喋ってばっかりいる僕だけど、先輩の話を聞くのは面白い♪

この他にもネパールの空港から日本の空港へ100キロの仕入れを送ったという話や日本における旅人に対しての風当たりの厳しさ(ひぃぃぃ~~~!!!)、トレッキングの話などを聞かせてもらった。


「俺、宇宙人だと思うんだよね。日本にいると他のヤツらとどうしても「違っちゃう」んだ。」
「私はねー、インド人だったと思う。めんどくさい手続きをする度に『なんであの国に行くのに毎回こんなことをする必要があるんだろう?』って思うから」

なんてことを話した。

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ビザの申請が終わった後、3人で近くのレストランに昼ご飯を食べに行った。
そこで聞いたのはちょっとオカルトチックな話。

人間の中には自分が宇宙人だと気づいていない者がいるんだとか。

「宇宙人的」かそうでないかと言われれば、僕は宇宙人に部類されるのかもしれない。

どうしても周囲に馴染めない時がある。
みんなでワイワイしている時に違和感を感じる時さえある。

20歳くらいまで周りに合わせようとしていたけど、気づいたら同い年のヤツらとは全然違う道を歩いていた。

「世の中どんどん便利になるけど、人間はますます知恵を失くしていってるよね」
「日本にいると考える時間がどんどん奪われて行く気がするんだよ」
「あっ、それ分かる気がするー」
「朝から晩まで働いて土日はせっかくの休日なので何もしない。それがフツーだろ?」

日本に義務づけられる副作用のあるワクチンの話や、時に昔ながらの農法を使う農家が除草剤や殺虫剤や遺伝子組み換えの種を買わされる話etc…
そういう話は上辺だけしか知らない。知れば知るほど複雑になっていくようで遠ざけてしまう。日本が暮らしやすいのかそうでないのかますます分からない。一体どうなってるんだろう?この世界は?

「地球の自転はどんどん弱まっているだってね」
「最後にはコマみたいに止まっちゃうんでしょ。太陽が全く当たらないところも出てくるよね」
「ってなると、どこが一番住みやすいんスかね?」
「あはは。大丈夫よ。その頃にはみんな死んじゃうから♪」

諸行無常。僕たちはどこへ向かう?とりあえず与えられた限られた時間でやるしかない。


にしてもATMがどこも使えないのはなぜなんだ!!!???

カードの問題はまたしても僕のお腹を痛くさせた。

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現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。