![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/30786545/rectangle_large_type_2_203b454b22fb021fe8dc6f6f87027ea5.jpeg?width=800)
「インドのビーチへ」
世界一周176日目(12/21)
ふらっと立ち寄ったこの街でまさかウォールペイントのデザインの依頼が舞い込んでくるとは思わなかった。
今日はオーナーのスマンスと12時にデッカン・フライド・チキン(DFC)で待ち合わせをて一緒に街の写真を撮りに行く予定だ。
僕は早めにお店に出向いていつものようにカプチーノだけ注文してスマンスを待った。
お店はクリスマスの飾り付けをしている。旅をしているとそういうイベントなんて全然実感が湧かない。そうかそろそろ一年も終わりか。日本はどんなだろう?いつものようにクリスマス商戦がどうとかプレゼントがどうとか変わらないのかな?
12時までは漫画の構想や落書きをして店内で過ごした。
時間になってもスマンスは店に現れなかった。
さっきお店に顔を出してたから「12時にね!」って言ったのにな?
時刻は12時半をまわった。
これはもしやウォールペイントの原案をデザインするって話がー…
流れた!!?
う~…そういうところインド人いいかげんそうだもんなぁ。
ふつうに「あ~!やっぱあの話なしになっちゃったわ!」 とか言いそう…。オーナーだから忙しいのかもしれないけどそれならヒマそうにしている従業員に伝言があってもいいんじゃないか?
だが、これは一度受けた依頼。まぁイラストをプレゼントするってのも面白いじゃないか。原案がどうとか言う以前に。
僕は13時までスマンスを待ったが彼はお店に現れなかったので一人で町の写真を撮りに行くことにした。
地図を確認するとビーチまで2キロもないことがわかった。途中、ギターの弦を補充したりしてビーチへ向かう。
この数日間、僕の行動範囲は狭かったがこうして足をのばしてみると街の新しい顔を発見することができる。
街の中心地は交通量が多くごちゃごちゃした雰囲気だが、ビーチに近づくにつれて喧噪は遠のいていく。高台の住宅地から海が見えると興奮を覚えずにはいられなかった。
まさかの野良Wi-Fiもゲットすることができた。
海やビーチという言葉からは「遊び」のイメージが思い浮かぶが、海に訪れるだけでもどこか新鮮な気持ちになれる。そりゃ四六時中海を見て生活している人からしてみたら「ああ、海っしょ?それで」って当たり前に感じてしまうかもしれないが、旅をしている僕からしてみたら行く先々の訪れる海は全て新鮮であり、全くの別物なのだ。
プリーの海とヴィシャカパトナムの海はまた違った空気を持っている。ビーチには遊びに来ている人もいれば、地元の人がまったりと過ごしていたりする。
遠くの方には大型の貨物船が見えた。貿易も盛んなのだろう。
このビーチは欧米化されている観光客向けのビーチというより、地元の人々が楽しむところのように思える。そのこじんまりとしたスケール感が逆によかった。
写真を撮り終えた僕は一旦宿に戻り、漫画製作の道具を持って再びDFCに向かった。
ウォールペイントのデザインを描くために厚めの色紙を30ルピーで購入しサイズが大きかったので半分に切ってもらったものにiPhoneの写真を見ながら下書きをしていく。
2時間ほどで一枚描き終えそろそろネットカフェに行こうというところでスマンスが僕を呼んだ。彼の友達、アレンと一緒にSUZUKIの車に乗り込んだ。
日本人の僕に気を遣ってか、車内ではTOKYO DRIFTが爆音でかけられている。てかそんなアーティストいたんだ。
「ビール飲むか?それともブラックコーヒーの方がいいのか?」いっつもお店でコーヒーばかり飲んでいる僕に冗談めかしてスマンスが尋ねた。いや、それはお店で一番安いからなんですよ(笑)
でも、ビールはありがたくいただきます♪僕は自分からビールを飲むことは滅多にないから。
酒屋の前に車を停めて店員にビールを買いに行かせる。
「バドワイザーとキングフィッシャー
どっちがいいんだ?」
「じゃ、キングフィッシャーで!」
そんなふうにして一日が締めくくられた。
これがインドなのだ。
ゆるゆるいこうぜ。
現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。