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「女人禁制」

世界一周172日目(12/17)

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余裕を持って起きるつもりがアラームをスヌーズに切り替え二度寝、三度寝をかまし、起きたのは列車の出発の1時間前!

「やばい!はやくパッキングして宿を出なくちゃ!」
急いで洗濯物をとりこみ洗濯紐をコンパクトにまとめた。

寝袋をカバーに押し込むのにももう慣れた。と言うより、寝袋がしなびた?たぶん寝袋って使い始めは焼きたてのパンみたいにぷっくりとふくれているんだと思う。それが使っていくうちにつれてだんだんとしなびたキノコみたいになっていくんだよ。きっと。

5ヶ月も旅をしていると圧縮袋のジップロックの部分がつぶれてしまってうまく噛み合わなくなってしまった。でもバックパックに入れちゃえばそこまで関係ないだろうとジップロック部分をクルクル巻いて空気があまり逃げないようにしてバックパックにぶちこむ!一番上にKEENのシューズでふたをしてバックパックの口の部分を絞ればパッキングは完了だ!

あぁ、チクショウ!忘れてた!パックセーフがあったんだった。最初は荷物がパンパンに入っていたバックパックも旅を続けるにつれて多少シェイプアップした。今はそれほど苦労なくパックセーフをかぶせることができる。

今のところパックセーフは外からのスリ対策と相手に精神的なプレッシャーをかけることくらいにしか役に立ってない。まあ使っている方も多少は安心するんだけどね。駅でトイレに行きたい時なんかはベンチに固定してお留守番しててもらえるし。たぶん、ユーロなんかのドミトリーでも活躍してくれるはずだ。

少し気になっているのは東南アジアのどこかの国でバスの荷室にぶち込む時にむき出しの配線の電気にやられ、てっぺん付近の網が切れてしまったことだ。ガムテープで補強して繋げてはいるものの、あそこさえ破れば金網の隙間から手を入れることができてしまう。
まあ考えていてもしょうがないさ。盗られる時は盗られちゃうんだから。そういう時のために一年半の保険に入ったわけだし。まだ一回も保険使ってないんだけど、使わないに越したことないね♪このまま無事に旅が続けられることを祈ろう。

ここまで歯磨きしたり、うだうだと30分。

パックセーフでバックパックを終えればあとはインドに来てから一度も乗ってないPenny BoardとMartin Back Packer(ギター)を括り付ければおしまいだ。宿の人にデポジットのお金を返してもらって僕はブラフマパル駅にやって来た。

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来る時には階段の上の方に

「WEL COME TO BRAHUMAPUR」

と書いてあったんだけど、

ここから出て行く時に目を向けると

「WISH YOU A HAPPY JOURNEY」

と書いてあるじゃないか。

こいう遊び心好きだぜ♪バイバイ、ブラフマパル。


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ヒンドゥー語の後にやって来る英語のアナウンスをかろうじて聞き取り列車の番号と到着するプラットホームの番号を確認する。

なんなら近くにいたおっちゃんに自分の切符を見せて「この列車ここに来ますよね?」と念を押す。2重3重チェックは大事!

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にしても、なんかこの切符変なんだよね。

今まで2回乗った列車の切符は自分で取ってたからプリントアウトしたeチケットのどこに車両番号やら座席番号が書いてあるのかが分かったってたんだけど、旅行代理店を通して手に入れたこのチケットには座席番号が書いてない。気になるのは「WL」の文字ー…



「あぁ…、ウェイティンングリスト」か…」



周りの旅行代理店と値段を比較するために、かなりしつこく調べさせて手に入れたチケット。中には「ウェイティングリストだけどいいか」と訊いてくるところもあった。そんなチケットを買ってどうする?引換券みたいなものなのか?駅で次の日の切符に取り替えてもらうとか?

てかあの野郎!そんなことひっとことも言ってなかったぞ!

う~ん…乗っちまうか(笑)

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最悪、演技力を駆使して「旅行代理店のヤツに騙されたんですぅ~…」としらばっくれれば追加料金とかでなんとか乗せてもらえるだろう。払いたくないけど笑

時間通りにやって来た列車に僕はためらうことなく乗り込んだ。

すぐに寝台の上段にバックパックを押し込み、自分も上がり込む。

そして狸寝入りを決める。た、頼む!!!チケットのチェックに来てくれるな!

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寝台の上段は窓も何もないから本当に退屈だ。バックパックのせいで体もうまく伸ばせない。本をサブバッグの中に入れておくんだった。いや、こんな揺れるところじゃ読めやしないだろうな。Wi-FiもないからiPhoneに動画を入れておくこともできない。ひたすらに壁とにらめっこをして1時間やり過ごした。

スリーパークラスって前日に購入しようとするとだいたいは「ウェイティング」なんだけど、こうして乗り込んでみると以外と席が空いている気がする。

それにどう考えても寝台の数以上の人間が乗車している。

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僕の下にいる二人は狭そうにひとつの寝台に身を寄せ合って寝ている。空いているのなら上の段を使えばいいだろうに。

「ひとつのチケットに対して3人まで乗車可能!」とかそんなルールがあるのだろうか?インド人もウェイティングとか無視してるのか!!?

イマイチわからない列車のシステム。結局チケットの確認はされなかった。






今度は降り過ごさないようにGPSの矢印は参考程度に、停車時間の長い駅名とマップを確認し、ピンを落として現在位置を確認していく。そこから目的地までのおおよその時間を予想し、昼寝をとったり音楽を聴いたりして過ごした。そしてやって来たのはVisakhpatnam(ヴィシャカパトナムって言うのか?)という街。

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空港もあって割とデカい。

Wi-Fiを通さないので近頃マップアプリの現在地を割り出す精度が落ちた。自分の嗅覚を頼りに安宿を探していく。もちろん徒歩で。トゥクトゥクなんて信用できないから。

この街は道路が比較的舗装されている。交通量も多く、安宿とは言えないまでも(インドにしては)綺麗なホテルがいくつも立ち並ぶ。

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少し街の中に入るとアパレル店が何件も見かけるようになった。男たちはお上品に素焼きの容器ではなくソーサーを片手にティーカップでチャイを飲んでいる。露店にはサモサを多く見かけるようになった。

「ホテルの密集するところに安宿あり!」これは僕が安宿を探す上で目安にしていることだ。

そして見つけた「DOMITORY」の文字。近くには「BOYS HOSTEL」なんて言う看板も見つけた。なんなら150ルピーのちょっと危険な香りのするドミもある笑

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その中で泊まれそうな場所に目星をつけて行って突撃してみることにした。バックパックを背負いながらの階段が一番キツイ。何かのトレーニングをしているみたいだ。

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建物の4階まで登り、レセプションで泊まれるか訊くと返された言葉は

「お前はヒンドゥー教か?」
「うん。ちょっとね(「ちょっと」ってなんだ?)ジャパニーズヒンドゥー?ダメ?」

今までヒンドゥー教オンリーの宿やらお寺やらでつまはじきにあってきた僕はここでハッタリをかましてみた。でも、僕、ヒンドゥーのお祈りなんて知らないぞ?ググるか?たぶん、嘘は見透かされていたと思う。

ダメなら他を当たってみようと思っていたのだが、案内されたのは200ルピーの部屋。ベッドが2つもある。

「このあと他の誰かと一緒にこの部屋を使ったりするのかな?」
「いや、あんた一人で使っていいぞ」

ん…!!?

ドミトリーと書かれた宿ででシングルの部屋を使うことになった僕。まわりのインド人が面白そうに僕のことを見ていた。

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宿に荷物を置くと早速僕は町を探索してみることにした。

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町の印象としては雑居ビルに小さなお店がいくつもつまっている、そんな感じだ。「ごちゃごちゃした街だなぁ」と僕は思った。まあインド全般的にごちゃごちゃしているんだけどね。

10ルピーの赤いバナナ(バナナにしては高い)を見つけたので食べてみた。ん〜〜…、気持ち通常のものより弾力がある?

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パサパサの思わず水が飲みたくなるタマネギのはさまったサンドイッチ。だいたいこんん感じのB級グルメが僕の主食だ。

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宿の近くに行くとある一時間15ルピー/25yenのインターネットカフェで日記を書いた。

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夜になると宿に戻ってドミトリーのベッドに横になった。
なぜか僕の泊まっている宿は壁に触れると白い塗料がチョークのように付着する。

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現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。