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「旅先で作業すること」

世界一周174日目(12/19)

朝食を宿の周辺で済ませる。

ここはヴィシャカパトナムという街。

観光できる場所として
ビーチや洞窟なんかがあるみたいだけど、僕が向かう先はまずはネットカフェ。そこでメールやらブログをチェックする。

そしてそのままDeccant Fried Chickenに向かう。

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インドではなかなか、漫画を製作するのにうってつけのテーブルがない。カフェなんてそんなにないんじゃないかな?あったとしてもけっこう高かかったりするし、たぶん、インドではカフェは比較的にお金を持っている人が行くようだ。

僕みたいに「作業場」を求めにカフェに行くんだったら話は別だけど、チャイなんて5ルピー/8yenでどこでも飲めるからね。

これはちょっと高めの7ルピー。

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今僕が描いているのはいつものような自分のレベルを上げるためだけの漫画ではない。

以前お世話になった仲間の依頼で4ページほどのショートストーリーを描いている。だから原稿用紙にそのまま下書きというわけにはいかず、久しぶりにネーム(下書きの下書き)を描いているわけだ。

昨日完成したネームはiPhoneのカメラで撮影し、MacのiPhotoで明度を上げて文字を見やすくしてLINEで送る。朝のネットカフェで修正箇所をチェックして、また新しい4ページを描くのが今日の予定だ。これで宿でWi-Fiが使えたら申し分ないんだけど…。贅沢は言ってられないな。

200ルピー/332yenの宿、一時間15ルピー/25yenのネットカフェ、25ルピー/42yenのカプチーノ。

これらがそろっているだけ、作業環境としては十分恵まれているだろう。


このお店を訪れる客層は身なりのちゃんとしたインド人から、自由に使えるお金を持っていそうな高校生や大学生とかだ。

飲食店ということで12時と19時頃にはお客でテーブルが埋まるが、それ以外はめっきりヒマ。

つまりほとんどの時間は僕と2~3人のお客さんしかいない。

フードメニューは決して安くはない。ドリンクもMサイズのカップで50ルピー/83yenもする。いや、日本に比べれば安いんだよ。ただ、ペットボトル飲料だったらそこらへんの売店で25ルピーで買えるんだ。だから、このお店がちょっと高いことは分かるよね?

お腹が減って(っていうか長く居座っているうしろめたさから)注文するとしてもせいぜい29ルピー/48yenのベジタブルバーガー。ガッツリ食べちゃったらお金がとんでいっちゃうからね。

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DFCの店員は僕のやっていることに興味津々で、

ヒマな時間はちょいちょい僕のテーブルにやって来ては僕がネームを描いているのを見物したりする。

中には僕の名前を覚えていて「シミ!」とか声をかけてきてくれる店員もいる。

あまりにもちょいちょい僕が漫画を描いているのを見に来るので、このお店の人件費がどうなっているのか、赤字垂れ流しになっていないのかとても気になったくらいだ。いや、僕がバイトしていた串焼き屋さんだったら絶対人員削減されるシチュエーションだからさ(笑)

このお店のオーナーが僕にチキンバーガーをプレゼントしてくれた。

自分のことは「迷惑な客」だと認識しているしてはいるが、まさかこんなよくしてくれるなんて♪

僕もお返しにオーナーの似顔絵を描いて渡した。

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旅をしながら漫画を描いていくこと。

移動と滞在のバランスが重要に思える。どんどん前に進みたい気持ちもある一方、一カ所に落ち着いて作業する時間も必要だ。

外にギターを持ってバスキングしたい時もあるし、旅ノートにするスケッチも地味に大切。

記憶から絵に再構築することはちょと技術を要する。何度度も目にしているはずなのに時々「あれ?インドの女の人の服装ってどんなんだ?」とか細部を思い出せない時もある。ねえ、トゥクトゥクがよく見ると、同じ街で何種類もあるのって知ってた?

そういうのをあとで思い出せるように写真をパシャパシャ撮ってるんだけどね。

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まぁ、なにが言いたいのかって言うと

「シミさん、ヴィシャカパトナムに何しに行ったんですか?」
「ん~、漫画描きに♪」

この旅は自分にしかできない旅。

他のヤツらと比べていてもしょうがないぜ。

まさかこの後、作業場にしていたデッカン・フライド・チキンで思わぬ出来事が起こるとは。

今日もカプチーノをお供に漫画描いてきます。


現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。