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「日曜日の昼下がり。男たちの熱気」

世界一周86日目(9/22)

11時間の爆睡をキメた後、僕は荷物をまとめてこの宿を移ることにした。

こんな刑務所みたいな部屋ともおさらばだ!ごみ箱すらおいてないのはどういうことなんだ!


昨日、町を歩いていたらたまたま発見したCHAYA HOTEL。

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表のベンチに欧米人がたむろしていたので『もしや!』と思ってどんな部屋があるのか訊いてみるとドミトリーがあるではないかぁっ!しかも2ドル!ちゃんとWi-Fiだってある。

CHAYA HOTELで案内されたドミトリーにはベッドは4つ。しかも宿泊客は僕ひとりだけだった。ひゃっほーい!


今日の散策は昨日とは反対方向へ行ってみることにした。wiki travel によるとバタンバンはコロニアルな建物と多数のお寺、おびただしいコウモリのいる洞窟、バンブートレインなんかが有名らしい。

そういう場所へ行くためにはやはりバイクやトゥクトゥクをチャーターしなければならず、僕はアンコールワットに備えてこの街でも散策だけにしておいた。

旅の先々で観光名所と沢山出会うだろう。だけど、そのひとつひとつ全てを訪れることはできないと思う。予算もあるしね。心から『行きたい!』そう思える場所に行ければいい。観光するだけが旅ではない。


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最近になってようやく食欲が収まってきた気がする。

朝、昼は「ガーッ!」と食べるのだが、夜になるとお腹も落ち着き食べなくても平気になってきた。それでもお菓子はやめられない。

「Familiy Mart」でパインクッキーをパクパク食べながらWi-Fiでブログを更新した後、昼前に書くブログってなんか好きだ。


街の反対側に行ってはみたが、待っている景色は変わらなかった。
『昨日と同じことしてないか?』と僕は思った。
旅が単調なルーティンワークの用に感じてしまうとちょっと焦る。

この暑さとブランチを詰め込み過ぎたせいで気持ち悪い。水も何本飲んだだろうか?さっき、かき氷も食べたんだっけ?

散策を途中で切り上げ宿に戻る途中で、男たちがひしめきあい、ただならぬ雰囲気を発するカフェを発見した。

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僕は最初、ギャンブルかなんかをやっているのかなと思った。

カフェの入口付近で中の様子を伺っていると、お店のおっちゃんが「なんか飲むか?」と声をかけてきたので、ここで何が行われているのか訊いてみた。

「あぁ。ボクシングだよ。タイボクシング」

同時に賭けも行われているようで観客たちは競りのように指を突き出しよれた紙幣が飛び交う。

カフェに集ったおっちゃんたちが鼻息を荒くして見ているのはリアルだけどリアルのファイトじゃない。テレビのファイトだった。

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大型とも言えないテレビに映し出されているのはタイ人同士のボクシング。もちろんキックもありのやつだ。それをおっちゃんたちは超真剣で観戦しているのだ。ただ観戦するだけじゃなくってお金が絡んでくるとエキサイティング度合いも増す。

試合展開が決まりそうになるとみんな一斉に立ち上がって勝負の行方を見守る。勝負が決まると賭け金のやり取りがあり熱気は少し収まった。おっちゃんたちはタバコをふかしながら次のファイトに備える。

そっかぁ。今日は日曜日だった。おっちゃんたちが毎日こんなことしてないことを祈るよ。



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宿に戻った後、本格的に何もすることがなくなってしまった。

いや、色々やりたいんだけどできないのだ。
さっきから何故かWi-Fiはキャッチしてるのにネットには繋がらないし、本を読みたくても照明が暗過ぎて読む気になれない。漫画を描く机だってありゃしない。

街が夕暮れに染まる中、僕はマーケットをぐるりと一周して、宿の隣にある本屋さんでブラックコーヒーを注文した。

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本屋さんってワクワクする。

中には読み終わった本を次の本と交換してくれるところもある。
そういったサービスを利用してみたい思いもあったが、僕はまだ「ホテル・ニューハンプシャー」を読み切ってないし、このボロボロの本はどこも交換してくれないだろう。

コーヒーを飲みながらモレスキンのお小遣い帳をつけているとブラックパンサー(缶ビール)と唐揚げのような物の入ったビニール袋を持ったおっちゃんがやって来た。トムと彼は名乗った。職業はトゥクトゥクドライバーらしい。

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僕がこれからアンコールワットへ向かうことを言うと

「あそこは入場料高いからね〜。でも、おれたちにはお金は入らないのさ!
ノーマネー!ノーハニーさ!はっはっは!」

なんて冗談を言った。そんな御茶目なトムさんの左手の薬指にはばっちし結婚指輪がはめてあった。何をおっしゃいますやら笑。お子さんも一人いるそうです。

トムさんは唐揚げの様な物を僕に少しわけてくれた。
「これはピッグスキン(豚の皮)さ。カンボジア・ポップコーン。映画館でポリポリ食う時もあればお酒のおつまみにもなるんだ」

そう言ってトムさんからもらったピッグスキンを食べてみると、こりゃあ美味しいや。確かにお酒のつまみに合う。

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さぁて、明日はよいよシェムリアップ入り。

レセプションの机を借りて蚊の襲撃に頭を悩ませながらもちょっとだけ漫画製作をした。


現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。