「ルアンプラバンの夜は雑貨天国」
世界一周116日目(10/21)
野宿したルアンプラバンのバスターミナルは思いのほか快適だった。
朝6時には職員さんたちや車のエンジン音で起きざる得なかったが、『しっかり寝れたな』という感じがあった。
途中、上の階にあるレストランの従業員が下に駆け下りて行く音にビクッと反応してしまうシチュエーションもあったのだけど...改めて自分の寝てみたところを見ると野宿をするには恵まれた環境だったこと分かった。
ベッドの代わりのベンチがあるし、そのベンチにバックパックを盗まれないようにダイヤル錠でくくりつけることができた。サブバッグとサンダルも盗まれないように足の下に敷き、枕はパタゴニアのアウターが丁度よかった。
どんな宿にも枕があって寝ることが自然のように思えるけど、自分で寝床を作ってみて思うのは枕ってけっこう重要だってことだ。サブバッグを枕代わりにすると中の一眼レフなんかがゴツゴツ当たって良いポジションに頭を置かないととてもじゃないが眠れない。(もちろんバッグの形が整わない場合もある)バスや列車の移動で時々使う無印良品の首枕(空気を入れるタイプ)は平面で枕にした場合、安定しない。首枕の形状じゃ寝返りも打てないし、平面で寝るにはむかない。やっぱり枕には安定性とフィット感がないといけないようだ。
衣類を重ねたり丸めたりして即席の枕を作るのが一番いいのかなとそんなことを考えた。誰かと「枕談義」したい気分だよ。野宿をしている旅人はどんな枕を使っているんだろう?
パッキングを済ませてタバコを一本吹かすと僕はバックパックを背負い前にサブバッグをかけルアンプラバンの町に出た。
マップアプリによるとこの町にはそうとうな数のゲストハウスがあるみたいだ。これなら安宿を探すのも難しくないだろう。友達はルアンプラバンの過ごしやすさを教えてくれた。「何もないのが良い」そうだ。きっとのんびりしたところで過ごしやすい町なんだろうな♪
期待に胸を膨らませて宿の密集する通りに向かった。
だが、そんなに甘くないのが旅だ。僕がルアンプラバンに抱いた感想は 「やどだいが高い」ということだった。今まで泊まってい金額から2倍以上に跳ね上がるなんてザラだし、言うまでもなく大半の食事は10,000KIP(120yen)以上。バイクのレンタルなんて一日からのレンタルしかできず、千円を越えてしまう。同じラオス内なのにどうしてここまで値段が変わってしまうのかその急激な変化に僕は戸惑いを隠せない。
バンビエンにあった35,000KIPのCentral Backpackersと同じ名前の宿があったが、バックパッカーとは名ばかりの料金設定だった。
だけど僕はどんな町にも安宿があることを信じたい。Central Backpackerのに泊まっていた鼻ピアスのおねーやんの「30,000の宿ならこの向こうの通りにあったわよ」の一言を頼りに僕が行き着いたのはLEMON LAOS BACKPACKERという宿だった。なんとドミトリーで30,000KIP。この宿を見つけたとき、僕は思わずガッツポーズをした。
随分と年期の入った宿らしく(なんと1936年からある建物らしい!)宿も綺麗とは言いがたいが、スタッフさんたちの雰囲気はとても温かく、居心地の良さを感じた。
宿に荷物を起き、手ぶらになってこの町を歩いてみると、ルアンプラバンを訪れた人たちがどうしてこの町を好きになったのか、その理由が少しわかったような気がした。
観光地化されているのだが、そこまでやかましくなく、ちょっとこぎれいな建物や、思わず入っていきたくなる路地がある。
それにお土産やさんも充実してた。
宿に戻り、日記を書いているとフランス人の女性が話しかけてきた。
「あれ?誰もいないのね。あなたは外に行かないの?」
「えっ?外で何かやってるの?昨日はお祭りだったのは知ってるけど。」
「やってるもなにもいつもお祭りみたいになってるわよ」
まあ、これも何かの機会だと、夜のルアンプラバンに出た僕は衝撃を受けた...
昼間は車やバイクが通っていたメインの通りは露店がずらっと並ぶマーケットになっていた。夜のルアンプラバンは観光客で賑わっている。カラオケ的なことも行われていた。
ショックだったのが仕入れた雑貨が大量に、しかも安く(つってもせいぜい50〜60円なんだけど)売られていることだった。な、なんだったんだ。あんなに値下げ交渉したのは...。
打ち拉がれた僕は雑貨を買わずに眺めたあと、食(しょく)に走った。
いつもなら絶対買わない10,000KIP(120yen)のバゲットを喰らい、餅米が食べたくて入った路地裏で見つけた「10,000KIP、ワンプレート盛り放題」につられてプレートに何種類もの炭水化物を盛り、一瞬で平らげた。瞬殺だった。
『はぁ...なにやってるんだおれは...』
アホ面なのはいつものことだが、「食い過ぎ」を突きつける自分の写真に思わずギクリとした。丸顔なのは母親似だが...太れば母親の輪郭に似てくるだなんて....。
仕入れにも負け、節約すると言った自分にも負けた。自己嫌悪だ…。
現在、自作キャンピングカー「モバイルハウス」で日本を旅しながら漫画製作を続けております。 サポートしていただけると僕とマトリョーシカさん(彼女)の食事がちょっとだけ豊かになります。 Kindleでも漫画を販売しておりますのでどうぞそちらもよろしくお願いします。