マガジンのカバー画像

世界一周307日

100
2011年3月10日。ひとりの旅行作家が全く新しいシステムによる世界一周の旅をスタートさせた。巡る先はアジア、ヨーロッパ、アフリカ、北米、南米、オセアニアの世界6大陸。『SUGO…
運営しているクリエイター

2020年7月の記事一覧

note40: ドバイ(2011.7.4)

【連載小説 40/100】 「とにかく暑いですよ」 そう友人から聞かされていたので覚悟はして来たが本当に暑い。 2週間滞在するドバイは今日が4日目になるが、着いた翌日には外出は朝夕にして日中はエアコンの効いたホテルに籠ることに決めた。 実はその方が好都合でもある。 というのは、こうやって世界一周の旅を続けながらも僕はネットワークを使って結構あれこれと仕事をこなしているからだ。 観光業界誌向けのコラムやトラベルサイト向けのエッセイ、秋に創刊予定のデジタルトラベルマガジン

note41: ドバイ(2011.7.8)

【連載小説 41/100】 昨日お目にかかった「SUGO6」で世界一周の旅をしているおふたりのことをY夫妻と紹介しておこう。 年齢は今年が結婚50周年ということだから70歳代だろう。奥様が4歳年下だとお聞きした。 Y夫妻の世界一周プランは6月10日出発の4ヶ月期間で、各国2週間前後の滞在で計8カ国を巡るルート設定。 ドバイは台湾・インドネシアに続く3カ所目の訪問地で「Dice Free」を利用されたという。 今回の旅ではこの時期にドバイへ来ることが一番の目的だったから

note42: ドバイ(2011.7.12)

【連載小説 42/100】 昨日の夕方から1泊2日をかけてドバイで人気のオプショナルツアーに出掛け、興奮と共にホテルに戻ってきた。 参加したのは「デザートサファリ」。 夜の砂漠へ4WD車で出かけるツアーで、夕方出発夜中帰りのプランが多いようだが、砂漠で一夜を過ごすオーバーナイトサファリのプランを選んだ 実はドバイでは市内から50分程度も走ればそこは砂漠の世界。 間口は高層ビルが林立する近代都市ながら、その奥には人工物なきアラビアンナイトの世界が広がっているのだ。 ジェ

note43: イスタンブール(2011.7.17)

【連載小説 43/100】 ボスポラス海峡。 西アジアのアナトリア半島と東ヨーロッパのバルカン半島を領有するトルコはアジアとヨーロッパにまたがる国家であり、そこを隔てているのがイスタンブールにあるこの風光明媚な海峡である。 一昨日、イスタンブールに到着して希望していたボスポラスパレスホテルにチェックインした僕は、モスクや宮殿、博物館など、この街を代表する観光スポットを一通り訪れたが、観光地としては何よりもホテルの前に広がるボスポラス海峡がお気に入りとなった。 午前は海峡

note44: イスタンブール(2011.7.20)

【連載小説 44/100】 米国の民間情報機関「ストラトフォー」は1999年のNATOによるコソボ空爆や2001年の9.11同時多発テロを予言したことから「影のCIA」と呼ばれている。 その著作が日本語にも翻訳されてベストセラーになっているから創設者のジョージ・フリードマンの名前を聞いたことがある人は多いかもしれない。 「現実を直視しながら、不可能を予期せよ」 というのがフリードマンの分析手法で、地政学に基づいて国際社会のパワーバランスを中長期的に予測する。 そのフリー

note45: ナイロビ(2011.7.24)

【連載小説 45/100】 昨日ケニアの首都ナイロビにやってきた。 8日間の滞在だから到着しすぐ「DICE ROLL」デーで次の訪問地も決まった。 ダイスの目は「1」で行く先は南アフリカ共和国のヨハネスブルグ。 >>>>> Dice Roll ⑩/2011.7.23-20:00<<<<< Nairobi → Johannesburg 【ヨハネスブルグ Johannesburg】 アフリカ大陸第2の訪問地は南アフリカ共和国のヨハネスブルグ。 アフリカ第1位のGDPを

note46: ナイロビ(2011.7.29)

【連載小説 46/100】 前回、世界都市ナイロビから「サバンナ」や「野生動物」でイメージされる世界が“アフリカ”の全てではないとレポートしたが、実際にマサイマラ国立保護区に5日間滞在してみると前言撤回したくなるほどその自然界のパワーに圧倒される。 観光地としてのマサイマラは洗練されていて、壮大なサバンナを展望できるホテルやロッジが点在し、レストランやプールも完備されたリゾート地である。 そこから毎日出かけたのがサファリドライブ。 日中は気温が高く肉食動物が木陰や林の中