最近の話 #3 〜より道の先の山の主

トレッキングシューズや登山靴を履いているなら
より道ついでにもう少しだけ
足をのばしてほしい場所があります。

ひとつは「山抱きの大樫」。

深沢小さな美術館の少し手前で山側に入っていきます。

少し登るとなんだかふと気配を感じて
見上げてみると…

「わっ！」
思わず声が漏れてしまうほど
ものすごい迫力の大樫がそこに。

年数を重ねた樹木って
まるで人のよう。

この大樫はまるでふたりの人間が絡み合っているかのよう。
見る角度によって異なる姿が美しい。

そしてもうひとつ
訪れてほしい場所は「千年契りの杉」。
ふたつとも名前のセンスがいいよね。

千年契りの杉への道は
看板通りに進めば良いのだけど
看板の指し示す方角が完全に人ん家の敷地内。

でもそれで正解です。

軒先を通らせていただきながら
恐るおそる住人と思しきお婆さんに
「千年契りの杉に行きたいのですが…」
と声をかけると
「はーい。いってらっしゃーい。」
と笑顔で見送ってもらえたから。

山の入り口にはあじさいが。

しばらく山道をすすんでいくと現れる
千年杉。

東京にこんな立派な杉の木があったとは。

１本の大きな杉の木かと思って横から見ると…

なるほど。
だから「契り杉」なのね。

そして木の根元には小さな祠が。
このあたりに住む人々にとって
とても大切な木なんだろうな。

新しいパワースポットを発見したような気持ち。
世界が優しさと楽しさであふれる日がきますようにとお祈りをして
そっとこの場を去りました。

この日訪れた場所の位置関係は
おおよそこんな感じです。

あじさい山をめぐるおでかけは
すべてを通して思っていた以上に物語的でした。
なかなか旅に出ることができない私が
思わず見てしまった白昼夢のよう。

不思議で美しい1日。