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【世界一周#2ペニダ島】本当に必要なモノは何か?

どうも27歳無職です。
日本寒すぎてずっと風邪です。季節ごとに体調崩していたあの日々を思い出してます。こんな中で日々働いている皆様。相当タフだと自覚して頂ければと存じます。

さて、引き続き粛々と旅の日記を更新していきたいと思います。それではっ
※前後の日記と比較して感じた事や主張が矛盾する事があると思います。それも自身の思考の変遷としてそのまま書いていきます。


バリ南東に浮かぶ離島、ペニダ島。かつては悪魔が住む場所として現地から敬遠されてきた島。近年はその豊かな大自然が注目され、沢山の観光客が訪れている。

「ペニダ島はオススメだよ!」

留学中、英会話練習の一環で、アメリカ人の先生がバリ島に住む現地の知り合いと会話する機会を提供してくれた。そんな彼にバリ島付近でオススメの場所を訪ねた時に帰ってきた答えであった。大体のスポットを日帰りで周ってしまうのが定番のようだが、彼のシンプルな言葉が妙に頭に残り、数日間の滞在を決めた。

*

借りていたバイクを返すため戻ったウブドから埠頭があるサヌールを経由し、ペニダ島行きの船に乗り込んだ。一人旅で船に乗って移動するのは初めてで、自分が曲がりなりにも旅人である事を実感させる。窓から見えるくっきりと濃い積乱雲を眺めながら、心はやけにワクワクしていた。

一時間もしないうちに船がゆっくりと波止場に向けて回転し始めた事に気づく。どうやら目的地に到着したらしい。

船から降り、その海の青さに気づく。水色の絵具に更に白を足したようなブルー。純粋にきれいな海を見た事はあるが、ここまで南国を連想させる色に出会うのは初めてだった。

熱狂的なタクシーの勧誘を切り抜け、ホテルを目指し歩いていく。
道路が舗装されている箇所は少なく、昨夜雨が降ったのか大きな水たまりが所々できており、その水たまりを避けるように鶏が歩いている。

「オハヨウゴザイマス」

パスポートを受け取った後、初老のオーナーがニコッとして拙い日本語を話す。元気過ぎす、どこか素朴で商売っ気が無いこの笑顔を見た後、すぐに延泊を決めた。

部屋で夜まで休憩した後、近くの食堂で食事を済ます。肉団子のスープを注文。食べようとスプーンを手に取ると、後ろの席に座っていた客である現地人が美味しいトッピングを教えてくれた。

部屋に戻り、ベットに入り色々な事を考えていると、言いようの無い孤独感に襲われる。

「この先どう生きていくのか」

「こんな孤独な旅をこのまま続けていくのか」

「もし病気やケガになったらどうしよう」

無数の問いがネガティブな結末とともに舞い込んで来る。

気分転換のため、歩いて近くの海まで向かう。バリ島と違い、波の音と犬の鳴き声以外聞こえないとても静かな海だ。木や柱にはいくつかハンモックが用意されている。何も考えずに寝転んでみる。

不安な気持ちをぼーっと観察する。今まで他人と過ごす事や社会に属する事で誤魔化してきた何者でも無い自分と向き合う。自分の中に無数に浮かび上がる問いに対する答えは依然として出ないままだが、ゆっくりと時間をかけてそんな自分を肯定していく。これが旅をするという事なんだろう。

次の日、バイクを借りて島中を回ってみることに。外は快晴。高台から見渡す限りの海原。手付かずの自然に心を打たれながら走る。海から吹く冷たい風に心地よさを感じる。
色々な場所を周りながら景色を楽しむ。

夕方、夕陽を見るため島の西側に位置する海へバイクを走らせる。

バイクを停めると駐車料金としていくらかのお金をスタッフかどうかもわからない現地人へ渡す。駐車スペースと言っても足下は既にサラサラの砂で、サンダルの中は砂だらけになっていた。

売店では焼き鳥やトウモロコシがその場で焼かれており、香ばしい香りと共に煙が辺りに上がっている。そこを抜けると目の前は海で、既に太陽は目の前に見えるくらいに傾いていた。

黄色い砂浜は橙色の西日に照らされて、黄金に輝いている。上から見ると、きれいな三日月の形をしているであろうビーチの両端には、濃い緑の木々が生い茂っており、砂浜とのコントラストがとてもきれいだ。

太陽が海面に近づくにつれてどんどん空がピンク色に染まっていく。気が付けば辺りの人は砂浜に座り、うっとりとした顔で太陽を眺めている。

適当な場所に寝転んでイヤホンを着け、音楽を聴く。そのうち太陽は完全に海の中に入って行ってしまい、東から空が紫に染まっていく。夕方と夜の間の黄昏時。この時間がとても心地いい。

この瞬間は自分だけの時間で自由だ。何も無い自分だからこそ、執着するモノも何も無い事に気づく。

こうやってイマを生きる瞬間をもっともっと味わいたい。時々感じる孤独も含め、一人旅にどんどんのめり込んでいっている自分がいた。

気が付けば辺りは真っ暗で空には幾つかの星が見えている。

人生は思ったよりずっとシンプルなのかもしれない。この豊かな自然の中に身を置くと、そんなに多くのモノはいらないように思えてきた。

こうやって沢山出てくる問い。その答えを探しながら旅を続けよう。








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