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[エピローグ]

エピローグに代えて
君は今でも泣いている
隣に座っている
二人のどちらが待っていたって
僕には違わないんだ

エピローグに代えて
君を今でも覚えてる
生け垣を照らすのは隙間だけ
上手な手の繋ぎ方なんて
初めが駄目なら全部ダメ

中身が全部漏れていっても
同系統色パッケージ

エピローグを込めて
車がバイパスを騒ぐとき
年を指折り数えるとき
間違いでも知っている
居場所を知っている

傘の手元に奪われたもの
つき返されたらあっけない

赤い花を香れば
今でも確かに求めている
証のような傷みが響く
束ねた五月雨が
夏空に追われるとき
慕情の拙さがハウリング
季節は重なれど
後ろ髪を振り返る
梅雨の音

エピローグが消えて
ひとりがふたりを塗り替える
道は姿を変えている

青い葉色は陰る
日増しにいい子を選んでは
連れてゆこうと企んでいる
束ねた長雨の
名残が意味を変えるとき
狭間に置いたペアリング
季節は巡れど
振り返ることなかれ
夏びとと

エピローグに代えて
君を今でも覚えてる
生け垣を照らすのは隙間だけ
トートログを超えて
君が残すのは古傷だけと
代わりに凪は揺らいでる

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