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[Dear Northern Town]

2周りと少しばかり巻いた大切なフィルム
僕は永遠にあなたを愛せないけど
うんと沢山貰ったものを
素敵なあの娘とか
万年筆とかに込めておくのだ

忙しなくグローバリズムが押し寄せたら
それでもボラードは錆びつつも唯そこに
世話になる指折りを誰も責めないのなら
どうか終わりの話なぞ忘れて
抱きしめてほしい

Dear my northern town, northern town
高嶺をうつす巴印の港を
去るフェリーに乗って遠くに消える
その度に崩れゆく街の幻を見る
Dear my northern town, northern town
あなたをうつす鏡に成れはしないけど
振り向けばそこに いつでも黒く深く
七重の浜

歳の違いとか男女がどうとか
ボーダーレスに友達と布団に籠もる今夜は
なぜだろう過去だけが確かなのだ この身は
どこから来たのと故郷に
五芒の星に問う

あなたはいつ変わったの?
あなたはいつ老いてしまったの?
あなたはこれから何に手を延べるの?
あなたはいつか僕のところに
また来てくれるの?

Dear my northern town, northern town
明日の宿も決めずに旅歩く秋空にも
去る真実が視界を追われた夜の帳も
紛れもなくあなたは僕だけのもの
Dear my northern town, northern town
この悲しみに生まれてなければとすら思う
祈りを捧げる いつでも黒く深く
七重の浜

2周りと少しばかり巻いた大切なフィルム
僕は永遠にあなたを許さない
うんと良かれと詰めた荷物は
そっといい加減なワケに
載せてしまうだろう

あなたはいつか僕のところに
また来てくれるの?

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