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日常的郷愁メドレー(歌詞まとめ)

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早いとこ曲をつけてあげたい
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2022年11月の記事一覧

[秋の夜長]

星空の近さはきっと 秋の風が宥めすかした 天球の泣き跡 いちばん綺麗な思い出も 葉っぱを剥がしてしまうから 天球に映して そのまま消してしまうほどに 満天の夏を 琥珀に染めたら 秋風に流して 二人寝の近さをずっと 秋の夜長 絡めてほら 天蓋に隠して 他の誰にも見えないように 夏雲みたいに過ぎないように 季節はいつも 後ろ姿を追ってしまう それすらも肥沃な 星空の魔力だ 抱かれていても 気づけなかった夏の色 移り果てて行けど 風吹けば確かなことは 甘美な琥珀色 人知れ

[僕等が知らないままのこと]

不思議と絶望の季節が明けてゆく 調べは方々のワラベ達を連れ歩く 景色が狭まってはた、王城を見よ 誓いに遮られた想像 梁の上を叩く風雪の音 平穏無事の音 掲げた心臓の動きは止めどなく 聖者の剣をしてもなお力強く 涙を枯らすまで、それはまじないか ただ、願い事か 曇りなき眼よ 全て見通してよ 来たり人は告げる それでも希望なのだ、と 僕らは孤独で されど繋がれて 糸をたどったって 主も知らないで 逸れて山の上 見守るさ 懸命だね、自由なんて ありきたりな勘違いの 歴史の終

[青函LOVERs]

青函ラバーズ 見つめ合ったって 男よ その山並みは恐山 「前の方がよかった」なんて 誰が見ても きっとそう言うさ ホントのとこ わかってんだろ 見送った夜が明けてから 瀬をはやみ追いかけられず 巴が凪いで音近し 青函ストレート 近くて遠い二人だね 青函ストレイト 浅くて深い淀みだね 青函ドリーマーズ 見つめ合ったって 女よ その船はもう動かない 「来なければよかった」なんて 言葉をウミネコが攫ってゆく ホントのとこ わかってんだろ タラップを踏んだ時から 塩気のある河

[唯我論]

Dateless Tripper 幾千の銀河を超えて 片道切符だ 終わりを知らない一人旅 親愛なるパパとママ 友と犬それに仔猫様 光の速さと競りながら 次のボイドへ道半ば、です 夢中で揺らぐ非操舵室 コンピュータと丸い窓だけが 僕の1日、または1世紀 全てが手の内に 幸運なことだ 僕の知る人はもういなかったから 未練なんざ無かった ただ永遠への興味を満たすだけ 僕の夢の世界から 性犯罪が消えて二十五世紀 近頃ではリビドー満たすのに 文明1つ犠牲にする始末 あの日あの

[Day dream]

そうね 1つだけを選ぶなら いやね やっぱやめておこう 思い出すらも全部 持っていけよ 白昼夢みたいさ パーキングの雪みたいね 消えゆくのもあっというまね せめて終わりは気障で カッコの一つもつけたかった お前との出会い、まぐわい、分かち合い 分かってたさ 白昼夢みたいさ まるで運がない短い二月に 鼓動を重ねて 数え終われなかった日々を数えて 白に埋まった シラケた街さ 今日、駅前の、この人垣 手も腕も伸ばせない距離 懐かしいねって笑うためなら 歳を取るのもいいけど

[Hate me, nasty girl]

ネタバレ上手のチョウチョ舞う日は 悪い子気取りが丁度いいね 媚毒の燐粉に皮膚は渇いて 致命傷に塩を塗るのか nasty girl たかが出来心の無礼講だった 一夜限りの風情も アナタの欲望 生身で拝めば ご利益 相場が跳ね上がってゆくよ Hate me, hate me 目と鼻の先の扉の前に 体育座りで上目遣いじゃ 出ていけるはずもなく Hate me, hate me 願わくばアナタから終わらせて 一番気軽な解答を隠して 骸の私にアナタは口づける 身体をくゆらすf

[里を知る]

ワンルームにて 極寒の地 夜更けの雪は降らずとも やかんの湯気は冬の色 邦を忘れた逸れ者 すまなかったと独り言ち 寂し寝 夜伽の宿をこしらえる 詰められた毛布 心遣いは 記憶に揺らめく日々の忘れ物 何故 故郷を発ち 世を嘆くのだ 時知らず 今年も里帰りは 茶色の小箱 便りの印 明かりを見て あなたのフォルムに緩む頬 揃いのコート 指輪一つ 邦の予報と比べつつ 瞬時に透き通る東西の街 されども霞むは奥羽越の道 北前の船の出し湊を 北摂の丘から静かに望む 風が運んでくる

[ラドラマ]

赦してくれないか 俺は寒空の下で呟く 悲しく身を揺らした 世界で二番目 美しい体躯に 赦してくれないか お前を一度棄てたから ホントは見せる顔もないな 俺を攫ってしまうような波の色 時に無邪気さは大罪の記憶 一番暑かった夏は終わって 日ごと夕暮れが空を染めてゆく 西向きの岬は いつでも昨日に張り出して 幼子の頃のように俺たちは 手のひらの香りを二人嗅ぎ合って いつかのラドラマ 風に流すよ 秋雲の残り香 アルバムを開けば 溢れ出すあまたの後悔は 優しく笑ったあの人と

[物怪と僕]

港沿いを歩きなよ すぐに見えてくるだろう やたらとプラスチックな 自然岩礁公園 ありがたがんだよ せっかく生えた水色の苔も 石段石滑らせているだけの 吐き出しかけた澱のよう なあ君だって世界を 見てきたんだろう 怠惰の証だったかな それとも忍耐強さか 万年布団貫いたから ルイヴィトンでも買えたのか 軽々とあしらっていたら 重みが手元から去るだけ プラスチックな悲劇を 君はなんと呼ぶんだい? 喉元過ぎれど油断ならないな 君の不可視の消化器は 腹黒と称され始めなお 僕を食

[空飛ぶ足]

全ての道は何処へゆく ローマなどと抜かすなよ ナポリ見てから死なずとも 長寿の邦だ ふじみ坂 全ての道は日本橋 一本列島 荷厄介 俎上に載せる中山道 高々9キロ 通せんぼ シリコンロード…奥州街道 通過人口 増加の一途 祇園精舎はヒマラヤ麓 モンスーン運ぶ鐘の声 彼が呟く 京は魔境と 使いを寄越せ 空飛ぶ足 全ての道は夜をゆく オリエンタルに魅せられて 去ねアルカディアをオメラスを 理想郷など無いと知れ 全ての道は世の形 正距図法は日毎に増して 亀の甲より年の功 旧

[どんぐし]

落葉樹の顔ぶれは色を変えて 知られざる協演が街に延べゆく 歩道を転がる どんぐしを 見つけてはしゃぐ 横顔を見た 今日の日に垂れるとばり 焦るように飛び立つ鳥たち 数字はいつ増えるの、と 幼子のように貴女は問いかける 冷たく見えた都会の温もりに 抱かれながら僕ら 眠ろうか 静寂色 闇夜の鼻歌に 溶け出す寝息が 甘く 甘く うだるような夏の日を僕ら忘れて 行き違う互いの身を寄せ合うとき 重なる指輪の錆ついた色 どこからともなく語る 願い事 冷たく見えた都会の温もりに 抱