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[僕等が知らないままのこと]

不思議と絶望の季節が明けてゆく
調べは方々のワラベ達を連れ歩く
景色が狭まってはた、王城を見よ
誓いに遮られた想像

梁の上を叩く風雪の音
平穏無事の音

掲げた心臓の動きは止めどなく
聖者の剣をしてもなお力強く
涙を枯らすまで、それはまじないか
ただ、願い事か

曇りなき眼よ
全て見通してよ
来たり人は告げる
それでも希望なのだ、と

僕らは孤独で
されど繋がれて
糸をたどったって
主も知らないで
逸れて山の上
見守るさ
懸命だね、自由なんて
ありきたりな勘違いの
歴史の終着駅

未来志向の音色が都を駆け巡る
伝説の聖者は御伽へと身を落とす
誰も顔を見たことがない先鋒隊
想定されない大損害

ワラベ達が見逃すはずもなく賑わう更地
いつかのスローガンの跡地

曇りなき眼よ
清めを信じてよ
来たり人は蜃気楼
なに、じきに戻るだろう

僕らが乞うもの
されど見えぬもの
糸をたどったって
選り好みもしないで
逸れて街の中
目を伏せた
このまま五感全て
放り出してしまえたなら
歴史ごと白紙に戻せる

曇りなき眼は
声を持たないらしい
来たり人は行ったっきり
この世界らしい?まことにね

主は変われど王城は絶えず
調べは方々のワラベ達を連れ歩く
景色を統べる藤色に時は流れ入りて
私情共々に揺らぐ音
平穏無事の音


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