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(1/9)初の九州横断に狂喜乱舞し、広島まで足を伸ばす。 2015年11月28日(土)-12月2日(水)

2015年11月、初めて九州を訪れたときの旅行記になります。呑み仲間のイクヤさんとツッチさんと一緒に、宮崎の友・イグチさんに会いに行き、そしてイグチさんの案内の元、九州を旅しました。
最高の仲間たちとの最高の旅でした。この旅をきっかけに、同じメンバーで、以後、コロナが世の中を一変させるまでの5年あまり、年に1回程度旅に出ることになりました。わたしにとっても、「はじまりの旅」になります。
注)2015年11月の記事になります。


◾️午前10時、3人は盛岡駅に集合した。

午前10時集合から少し遅れて、JR盛岡駅の地下にある「PRONTO」に現れたのは、秋田県在住イクヤさん。9ヶ月ぐらいかけてプランを練ってきた九州縦断の旅の出発の朝です。

PRONTOで生ビール

まさかそんな日の朝に、「いやー、前の晩に呑み過ぎちってよーー」と言いながら遅れてやってくるとは思ってもいませんでした。
わたしはというと、少し早く着いたので、同じく早めに着いた大学の先輩でもあり、古い呑み仲間でもあるツッチさんと、一足先にビールを呑みつつ、「イクヤさん、遅いですねぇ」とイクヤさんがやってくるを待っていたのでした。

なお、イクヤさんはわたしの古い知り合いであり兄貴分であり、かつては岩手に住んでいましたが、家庭の事情で秋田へ引っ越しされました。
20代はじめにひょんなことで知り合い、それから一緒に酒を呑んだり、マレーシアやシンガポールへバックパックひとつで一緒に旅したりした、古い旅の仲間です。
イクヤさんとツッチさんの関係はというと、わたしを通じて気づいたら一緒に呑む関係になっていた、というところです。

さて、イクヤさんから遅れた事情を聞いてみると、前の晩に呑みすぎた上、乗る予定だった盛岡行きの高速バスに乗り遅れ、奥様に車を運転してもらいバスを追いかけ、道路上でバスを追い越し、そして次のバス停でバスに乗り込むという荒技で現れたようでした。まあ、こんなエピソードをたくさん持っているのが、われわれのリーダーで兄貴分・イクヤさんです。

「アハハハハ、やっちゃったよーーー」と大笑いしながら、ぐいっと生ビールをあおるイクヤさんに、「まあ、間に合ってよかったっすよ」と苦笑いするツッチさんとわたしでした。

さて、盛岡駅から花巻空港へは、バスで移動することとしていました。しかし、花巻空港から福岡まで飛ぶJAL便は、前の日から続く悪天候の影響により、天候調査中の状態が続いているという情報が入ってきました。

◾️花巻空港でフライト時間を待つ

天気予報によると午後から天気は回復する見込みではあり、われわれのフライトは14時ぐらいだから全然問題ないだろうと踏んでいましたので、お昼過ぎに花巻空港に到着し、空港内にあるレストラン「安比高原」で呑気にビールを呑み直し、チーズとビーフジャーキーをつまみました。

花巻空港で

この旅の目的。もちろん九州旅行ではありますが、真の目的としては宮崎の友・イグチさんと再会することにありました。

10年以上も前にネットで出会って知り合って、初めて盛岡で顔を合わせてから幾度となく、九州宮崎から盛岡まで遊びにきてくれていたイグチさん。
酒と食と酒場の好みが一緒で、気も合う友人同士となっていましたので、いつの日か九州の地で出会いたいと願い続けていたのでした。

そのイグチさんが福岡で待っていてくれる、そう考えると自然にテンションが上がり、われわれはどんどん陽気になっていきました。

旅が始まる前が楽しいのですよ

「時間もあるし日本酒だな。日本酒でも呑もうぜい」とイクヤさん。
その言葉に対し、「え、日本酒? 昼間っから??」と一瞬迷いを見せるのは自分自身は常識人でありノーマルな人間であると思っているツッチさん。

実はツッチさん、旅立つこの日のほんの少し前にたまたまとある酒場で顔を合わせ、「11月にイクヤさんと九州へ旅行するんですが、ツッチさんも行きます?」と気軽に誘ったら、「ちょっと考えさせて」と言ってその日は別れ、後日「せっかくだから一緒に行きます」と連絡が来て、旅の仲間となった経緯があります。

なお、ツッチさんはイクヤさんにいじられ続けるというポジションとになっています(笑) あ、あと、お財布番です。朝にとりあえずみんなから1万円ずつ集めて、飲食の際の会計をまとめてしてくれる係です。

おのおのの位置付けとしては、イクヤさん=リーダー兼ハプニングメイカー、ツッチさん=会計係兼いじられ役、わたし=交通手段手配係兼記録係、といった具合でした。
あ、福岡空港で待つイグチさんは、旅のコーディネーターですね。

ともあれ、グラスを3つもらい、陸前高田市の銘酒「酔仙 純米 生貯蔵酒」をくいっと呑ります。

ざる蕎麦

〆に各々蕎麦をもらい、これで腹を満たしていきます。蕎麦は新蕎麦でしょうか、香り高く喉越し爽やかです。日本酒を振りかけて食べても良く、われわれの食欲は満たされました。

フライト時間まで20分となったので、レストランを出て搭乗手続きを済ませます。手続きを済ませると「ただいまキャンペーンやってました~~、花巻–福岡間のフライトには、片道2,500円の商品券を差し上げていま~~す」と空港係員のアナウンスがあります。

なになに? 商品券? 空港でも使えるんですの?? と尋ねてみると、「はい、そうです」とのことなので、わたしはもらった2,500円の商品券で宮沢賢治の「雨ニモ負ケズ」がプリントされたハンカチを5枚買い求めました。これは、旅の途中に出会った人にプレゼントとすることにしました。

不安高まる「天候調査中」

そして、「まだ天候調査中か、、、」などと案内板を眺めていると、係員の男性が小走りで現れ「JALxx便(われわれが乗る予定の便)は、強風のため欠航となりました!」と大声で叫び走ってきました。

「え、」とわれわれ含め搭乗を待っていた人々は一瞬固まり、次の瞬間騒然となりました。しかし、そこからわれわれの行動は早かったと思います。

荷物を返してもらい、搭乗手続窓口に戻り、今後の見通し等々を聞きました。なんといっても、夕方18時過ぎには福岡の酒場で呑むことになっていましたので、少しでも早く南へ南へと移動したかったのです。

「次(16時くらい)はどうですか?」
「わかりません、天候次第です」
「代替ルートは?」
「羽田から18時過ぎに飛ぶのがあります」
「それに振替はできます?」
「はい、可能です」
「ちょうどいい花巻空港駅からの新幹線はあります?」
「はい、、、と、こちらです(時刻表のコピーを出す)」
「よし、これでいきます。羽田からのフライトにチェンジで!」
「かしこまりました」

ということで、タクシーで花巻空港駅へ、やはり可能な限り素早く移動し、まずは各駅停車「やまびこ」で仙台へ向かいました。
そこで後発の各駅停車じゃない「はやぶさ」に乗り換え、途中、先ほどまで乗っていた「やまびこ」を追い抜いて、「やまびこ」より20分早く東京へ到着しました。

◾️無事、羽田空港に到着する。

銀材ライオン 羽田空港店

東京駅から羽田モノレールに乗り込み、羽田空港に到着。なんとかかんとか、福岡へ飛ぶ算段が整いました。心と時間にゆとりができましたので、
そのわずかな時間を生かそうと、飲食に貪欲なわれわれは「銀座ライオン 羽田空港店」に駆け込み、白ビール「白穂乃香」をぐいっと呑りました。30分くらいは余裕があったでしょうか。

ローストビーフ

焼き上がったばかりのローストビーフと金華鯖のスモークをツマミに取り、急ぎ食べて呑みます。

「この旨いビールとツマミにありつけただけで、花巻空港をあきらめて羽田空港にきた甲斐があるねぇ」と、われわれは悦に入って、満足げに笑い合いました。そして、「欠航というトラブルを見事に克服したもんね」というやり切った感すらありました。

もちろん、羽田までの新幹線等で移動したことにより、財布的にはマイナスになってはいたものの、ですが。

<2/9につづきます>

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