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【仙台】(3/3)冬の仙台は初のバス旅。カッコいいライフスタイルホテル「OF HOTEL」に泊まって酒場を巡る。2023年2月18日(土)〜19日(日)

仙台旅行のつづき、3/3となります。


◾️日本酒モードからワインモードへ

ローストビーフ

「伯楽星」を呑み終え、呑み放題の白のグラスワイン「ルナーリア・マルヴァジア」をいただきます。そして、八寸がちょうどなくなったころに、ローストビーフが出されました。

こちらのお店、ワインは基本的にヴァンナチュール。呑み放題でヴァンナチュールって、採算合うのだろうかと勝手に不安になりますが、グラスの白をすぐに空け、赤のグラスワイン「ルナーリア・モンテプルチアーノ・ダブルッツォ」を注文しました。
ローストビーフは肉質しっかり旨味たっぷりの牛肉で、あっさりとしていながらコクのある和風ソースとの相性も素晴らしいものでした。

赤が当然合いますがが、白も合いそうだと思い白を再度注文して呑んでみましたら、白の酸とコクが意外とロースロビーフとマッチして面白いものでした。

寒ざらしそば
ソルベ

宮城名物のひとつ、川崎町の寒ざらしそばが出されましたので、麦焼酎「無濾過常圧麦85」の湯割りを合わせ、デザートのレモンソルベまでぺろりといただき満腹となり食事を終えました。
 
会計をしますと、「いらっしゃるのは、今日が初めてですか?」と店主らしき男性が声をかけてきました。
「ええ、そうです。料理、どれも美味しかったですけど、特に八寸が凄いですね」と答えると「いえ、もう、これがウチのウリなので」と答え、にこりと笑って見せてくれました。
 
料理、酒、サービスと素晴らしいパフォーマンスの「水と酒 三花(みけ)」に大満足のムスメとわたしでした。

◾️やきとり居酒屋「鳥将軍 花京院店」へ

鳥将軍 花京院店

さて、ムスメは部屋へ戻り、わたしはひとり仙台の夜の街へ出ました。この日はあまりあちこち動かず、ホテル近辺で呑もうと考えていたので、「OF HOTEL」の入口から目に入った昭和感満載の「やきとり居酒屋 鳥将軍 花京院店」へ足を向けました。

お通し

こちら、お通しを含め小鉢料理二品、焼き鳥3本、ドリンク2杯で1,500円という破格の晩酌セットがあり、それを注文しました。
カウンター席は先客2人。中年男女カップルですが、女性客の方がだいぶ酔っていてろれつが回っていない様子。年配の店主夫妻の奥さんの方に、なにやら一生懸命話をしますが、ろれつが回っていないのでよく聞き取れず、奥さんも困ったように苦笑していました。

まずは一杯目に生ビールをもらいますと、お通しにはマグロたたき。これを醤油につけてちびちび箸でつまみながらビールをぐいっと呑ります。

懐かしさと既視感をおぼえる空間

だいぶ古い店のようで、昭和の時代にこんな食堂とか酒場とかがあったなあと懐かしくなります。座敷席には二人組の男性客が二組いて、リラックスして酒を呑み、そして静かに会話していました。
お世辞にも片付いているとはいえない店内ではありますが、こういう店が落ち着くと感じる人は意外と少なくなく、固定客が割といるものではないでしょうか。長く通い詰めている人もいるのでしょう、焼酎のキープボトルもずらりと並んでいました。

焼き鳥

すぐに焼き鳥が仕上がり、そして肉豆腐もやってきました。カウンターの上に雑然と積まれた漫画本を適当に一冊抜き取り、懐かしい歌謡曲をBGMに残りのビールを呑み干しました。

次は何にします? と訊かれたので、芋焼酎の湯割りを注文したところで、「あー、疲れた疲れたー」と30代くらいの派手なコートを着た女性客が入店してきました。
わたしから一席分離れたカウンター席に腰を下ろしながら、「ママ、ボトルお願い。あと氷と炭酸水もね」と奥さんに声をかけ、「今日は午後の3時から貸切の予約入ってて、今の今まで宴会だったから疲れちゃって、もう店閉めて呑みにきちゃった」と続けました。

目鼻立ちがはっきりとした綺麗なこの女性は、どこかこの付近で店を持っているのでしょうか、早仕舞いして帰宅途中にこちらに寄ったという感じに見えました。
焼酎のボトルと氷が詰まったアイスペール、そして炭酸水が出されると、静かに、そしてゆっくりと焼酎ハイボールを作り、「はぁ」と一度ため息をついてから、その女性は酒をちびりちびりと呑り始めました。

そして、ちらりとわたしの方を一度見やり、再び正面を向き、俯き、酒を呑んでいました。
わたしは、「ああ、この人は誰か話し相手を探してるんだな」と感じ取りました。
一人で酔っているとき、見ず知らずの誰かに話し相手になってもらいたい人が時々いるということを知っています。このとき、そういう空気感を肌感覚で読み取ることができました。

眠くなってきたわたしは、まだグラスに半分ほど残っていた芋焼酎を一気呑みし、1,500円を払って店を出ました。

仙台・花京院の夜

100万人都市仙台といえども、少し街を外れるとご覧のとおり夜は通りが寂しくなります。先ほどの女性も、言葉の調子から、どこか切なさとかやるせなさとか寂しさのようなものを抱えているのではないかと思いました。

だから、時に人恋しくなって、温かく受け入れ受け止めてくれる馴染みの酒場に身を委ね、店主夫妻に話を聞いてもらい、そして時には居合わせた誰かに愚痴をこぼし慰めてもらい、ときには酒を奢ってもらったり奢ったりしながら、日々の嫌なことを忘れようとしているのかもしれません。

そんな風に思うと、酒場の存在そのものが、とても愛おしくなってきました。もう一軒、どこか寂れた雰囲気の小さな酒場の暖簾をくぐりたいと思ってきました。なんだか先ほどの女性ではないけれど、自分自身も人恋しくなってきていました。

夕方に足を運んだ「夕焼け麦酒園」へもう一度行こうかと思いましたが、自重してホテルへ大人しく戻りました。

「あれ? 早かったじゃん。もう帰ってきたの?」と起きていたムスメに言われ、「まあねえ、呑み過ぎちゃったからね」と返し、歯を磨いてベッドに潜り込んだのでした。

クラフトビール。銘柄失念。

翌朝、7時半に起き出し、ホテル近くのロイヤルホストでモーニングセットを食べ、その後ホテルをチェックアウトし、仙台での用を済ませました。

仙台駅付近の飲食店でクラフトビールを呑みながらポテトサラダとニョッキをつまみ、高速バスで盛岡へ戻ったのでした。

(おわり)

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