【東京】(1/5)初夏の東京にて東京三大酒場「鍵屋」「シンスケ」で酒場の底力に触れる旅 2019年7月5日(金)-6日(土)
2017年の宮崎の友・イグチさんとの旅から2年、イグチさんが出張で東京を訪れることになり、それに合わせわたしも上京し一緒に酒を呑むことにしました。この旅では、もう一人の愉快な仲間・uniさんも合流し、老舗酒場を行脚することになりました。
注)2017年7月の記事になります。
⚪︎東京でイグチさん、uniさんと呑むことになったのです
梅雨も明け切らぬ2019年7月の初め、九州宮崎の友・イグチさんが上京すると聞きました。イグチさんとは2017年の9月に九州を台風の中、一緒に旅して以来、お会いしていませんでした。
久々にイグチさんと痛飲してみたいものだと思い、わたしもスケジュールを合わせて上京することにしました。
イグチさんは木曜・金曜の出張のため上京し、土曜に宮崎へ戻るという二泊三日の旅程と聞きました。なので、わたしもそれに合わせて金曜日に東京へ向かい、その日の夜にご一緒し、土曜に盛岡に帰ってくることにしました。
休暇を取得した金曜の午後、iPadで映画鑑賞をしながら2時間強の新幹線移動です。新幹線の中でイタリアのビール「モレッティ」の350ml缶を2本空けて、東京に到着です。東京駅からは、予約しておいた「東横イン」のある浅草橋まで山手線と総武線で移動しました。
この日は、18時に根岸の「鍵屋」集合でした。イグチさんは仕事を終えたあと「鍵屋」へ直行すると言っていたので、わたしも遅れないようにとホテルを出たわけですが、ただただ電車で移動するのも味気ないので、下町を眺めながら、歩いて「鍵屋」を目指してみました。
根岸「鍵屋」まで電車で移動すれば最寄駅は鶯谷駅ですが、とりあえずそのあたりまで歩いてみることにして、台東区の下町をぶらぶらしながら少しずつ近いでいきます。まず、鳥越の「おかず横丁」を経由し、秋田藩を由来とする「佐竹商店街」を通過します。
ときおり雨がぱらつく、蒸し暑い東京をのんびり歩きます。金曜の夕方近い時間帯、ひと気の少ない静かな街中を行くのは、気持ちいいものでした。
そういえば、少し前にたまたま参加した、とある建築士の講演会で「景観はそこに住む人々の文化と営みによって形成される」と聞きましたが、東京の下町はまさにそうなのでしょう。人々の暮らしが、そこかしこに滲み出ており、それがまちなみを形作っているように思えました。
関東大震災を、第二次世界大戦を、高度経済成長を、そして失われた三十年をくぐり抜け、平成を過ぎ令和に至っています。そんな人の姿、まちの姿が目にまざまざと飛び込んでくるから、東京は面白く興味深く感じられるのです。
そして、東京2020オリンピックでどうなっていくのだろうか、などと思いつつ上野に差し掛かると、上野周辺の変貌ぶりもすごいことになっていました。
「聚楽」のあったあたりも再開発で綺麗な商業ビルが建ち、変わらぬ雰囲気と思えたアメ横・御徒町付近もすっかりインバウンドを通り越して、外国人の街になっているようにも見受けられました。
⚪︎1856年創業の「鍵屋」でみそまめ
さらに歩いて歩いて、ようやく鶯谷駅が見えてきます。お目当の「鍵屋」は、もう目と鼻の先です。
「鍵屋」では、宮崎の友・イグチさんと、そしてもうひと方、古い呑み仲間uniさんと合流となるわけです。
なお、uniさんについては、旅の仲間の紹介の折に、知り合った経緯を記しております。
uniさんは盛岡にご実家があるので、盛岡にいらした際などに何度か呑んでいますが、uniさんもイグチさんやわたし同様、基本的に酒と酒場を愛するヘンタイ気質でして、この日はこの3人からなる愉快な仲間たちで呑むこととしていました。
さあそして「鍵屋」に到着すると、一足早く着いていたららしいuniさん、イグチさんと再会です。「ごぶさたでーす!」「あー、どもども!」「ではでは、いきましょかーー!」などと再会を喜び合いながら、「鍵屋」の暖簾をくぐります。
さて、その「鍵屋」ですが、東京においても老舗中の老舗の酒場で“東京三大酒場”のひとつとも言われているようです。
なお、他の2つの酒場は、湯島「シンスケ」、大塚「江戸一」といわれているようでして、この日は根岸「鍵屋」のあと足を運ぶ酒場に「シンスケ」を予定していました。
予約していたカウンター席に陣取り、サッポロ赤星大瓶を3人で呑み、喉を潤していると、名物のみそまめ(煮豆)が供されます。このみそまめ、雑誌か何かで拝見しして以来、わたしにとっては長い間憧れてきたお通しです。
茹で大豆が出汁醤油につかっているシンプルな肴ですが、どこか奥深い味わい深い一品。自宅で何度か、真似て作ってみたことがありますが、実物をいただいてみると、わたしはまったく明後日の方向の実物とは似ても似つかないものを作っていたのだと、このとき気づかされました。本場のホンモノは至高の味わいでした。
「とり皮やき(二本560円)ならすぐ出るよ」と御主人がいうので、それをいただくことにします。四代目店主の清水賢太郎さんは、見た目それなりにお年を召しているようだが、仕事をする手元は一切ぶれることなく、しゃっきりとされています。
そして、料理を乗せている皿も、実に渋くて、実にいいのです。実に痺れます。
で、わたしがひたし豆同様、かねてから食べてみたかった「うなぎくりからやき(一本520円)」を3本注文すると、「はい、くりからあと一本!」と御主人が声を出します。おそらくこれに呼応する客がいたりいなかったりという、コールなのでしょう。
これぞ酒場だよね、という雰囲気に酔いしれながら、uniさん、イグチさん、わたしは、寛ぎつつもテンションマックスとなり、入店5分と経たずにビールを干します。で、勢いづいて「櫻政宗熱燗を二合!」と、早くも燗酒モードに突入です。
(2/5へつづきます。)
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