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病院の会計待ちで心に決めた5つのこと

マンモグラフィと超音波の検査結果から、がんを強く疑われ診察をでた私。色んな考えが駆け巡り頭はぐちゃぐちゃ。

でも、会計を終えたら運転をして帰らなければなりませんでした。安全に運転するために、気持ちを会計を済ますまでに切り替える必要がありました。

そこで、私は、5つのことを心に決めることによって現実に目を向け心を立て直すことにしました。


①家族に病気の影を落とさない


昔、ポジティブな方が、病との共存は良いということを何かの本で読んだことがあります。

病になってポジティブな精神でいるというのは、なかなか難しい。医学的根拠があるかどうかは、わかりませんがポジティブに生きることにはメリットはありそうです。

それに、科学は100%ではないと思っています。未知の部分があるから面白い。

私は、ポジティブなマインドで生活を送っていきたい。だから、家族に病気の影を落としたくなかった。

どんな病気でも、家族が病気になれば、心配や不安になります。それは、家族の心に暗い影を落とすことになります。

私は、かん患者の家族という立場も経験しています。だからこそ、家族に暗い気持ちになって欲しくありませんでした。さらに、家族の暗い気持ちが、私に跳ね返ってきて私もネガティブな感情に包まれそうで怖かったからです。

だから、家族の前では、明るく、そして前向きに振る舞うことを決めました。

②自分を保つこと


私は、強靭な精神力を持ち合わせていません。

優柔不断、心配性で気の弱い部分があります。非常に精神的に弱く、脆い。何か大きな問題が起きると、すぐ動揺しパニックになりやすい性格だということを自覚しています。

だから、普段からパニックにならないように、「なんとかなる」「どうにかなる」と適当に物事を考えるように努めています。

不安定に積み上げられている私の精神。バランスがひとつ崩れれば、総崩れです。

例えば、長方形の木のブロック積み上げたタワーから、一本ずつブロックを抜き取って、タワーの一番上に乗せていくジェンガゲームのようなものです。バランスを崩しやすいブロックをひとつ抜いたら、ガラガラと全てのブロックがガラガラと崩れていきます。

まさに、がんが濃厚と医師から伝えられた私は、僅かでも弱気になったら精神が崩壊してしまいそうな状況。心臓の鼓動は早く打ち、気持ちはフワフワな状態です。

しっかりと地に足を付け、踏ん張らないと二進も三進も行かない気がしました。がんという病に加えて、メンタルまで病んでしまったら耐えられそうにありません。

だから、どんなことがあっても自分を保とうと心に強く決めました。

③がん中心の生活にしないこと


がんに限らず、体調が悪くなると体調の悪さに気持ちがフォーカスしてしまいす。少なくとも私はそうです。

例えば、身体が痛くなると痛いことばかりに気持ちが向いてしまいます。気づいたら、自分の生活が病中心で回ってしまうことが多々あります。それは避けたかった。

病中心の生活は、前向きに生活する気力を奪うからです。

治りにくい病気は、病と共存していくことが大切。それは良くわかります。

しかし、共存を超えると病中心になってしまいます。

病気だから○○しないようにしよう、病気だから××は食べない、病気だから…。

病気を理由に、やりたいこと、やってみたいことを控えたり、厳しく自制することは、重い病から解放されるかもしれないという期待値が高い。

がんは完治が目指せる病といわれて久しいですが、やはり、「死」を意識しない病ではありません。

死から遠ざかりたいと思えば思うほど、がん中心に物事を考えてしまうことはあきらかです。

病との共存は、時に虚しさを感じることが多いことを私は知っています。そして、病中心の生活は、鬱々とした日常を送っていかなければないことも。

病を抱えて前向きに生活していくことは、とても難しい。

でも、自分を鼓舞してでも前向きに生活していかないと、病に負けてしまう気が私はしたのです。

だからこそ、私は、がんに囚われないように気を付けて生活していこうと決めました。

④自分の人生は自分で決定する


普段の生活で物事を決める際、できるだけ人の意見を聞くようにしています。その方が、物事が上手くいくが多かったからです。

その反面、自分の思いとは多少ズレることもあります。しかし、結果を良くするための妥協点だと思って、周りの人からの意見は取り入れています。

今回ばかりは、私にとって事の重大さが違います。

自分の生死を決める判断です。

それは、自分がどう人生を終えたいのか、または、どう生きていくかの決断です。

周りの意見を取り入れる余裕はありません。

自分の心の声を聞かなければならない時。周りに気を遣っている場合ではありません。

だから、何と言われてようとも、様々な決断をしていくなかで周りの干渉は受けないと決めました。

頑固だ、わがままだといわれても、誰の人生でもありません。私の人生。生き方です。治療に関する全てのことは、家族や友人に相談するのではなく自分で判断を下すと決めました。

私の生き方の責任を誰かに負わせることを避けたかったのも理由のひとつです。

⑤辛くても明るくふるまうこと


これから先、もっと辛いことが起きるかもしれません。

自分の気持ちが沈まないように、どん底に落ちないように、明るく振る舞うことを決めました。

偽りでも、明るく振る舞うことで、辛い気持ちを少しでも和らげることができるのはないかと思ったからです。

暗い闇に落ちてしまうのだけは絶対に避けたかった。

一度落ちたら、基本、気の弱い私は這い上がることができない気がしたからです。それでは、病に心まで奪われてしまうかもしれません。そんな負けは嫌です。

だから、笑うことを忘れず常に明るくしていたかったのです。


これが、私が会計を待っている間に、決めた5つのことです。


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