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インフォームド・コンセントで心揺れる

告知を受け、手術前の諸々の検査、形成外科での診察を終える頃には、自分の中にがん患者という自覚が芽生えてきました。そして、告知から10日後。主治医による、手術に関するインフォーム・ドコンセントが行われました。

時間は約2時間。担当医の先生は、レジュメを用意してくださり、説明は3部構成で行われました。家族に同席してもらっての説明なので、はじめの30分は私の病状説明、次の1時間は手術の方式やリスク、合併症など手術に関する諸々の説明、最後の30分で術後の治療方針の説明を受けました。

事細かに説明を受けていると、いよいよ本当に手術をするんだという実感が湧いてきました。完治を目指して治療を受けるぞという気持ちになりました。

ただ、私は、このインフォームドコンセントでがんの告知よりもショッキングなことがありました。

それは、乳頭・乳輪も切除するということでした。私は、乳房の再建を希望しています。綺麗な乳房を作るためには、乳頭・乳輪も切除した方が良いということが乳腺外科の担当医と形成外科の担当医の先生と話し合った結果なんだそうです。それは、私にとっては衝撃的な意見でした。

もちろん、綺麗な乳房の再建をしていただきたいので、特に何も言わず受け入れました。乳房を失うのも辛いですが、それ以上に乳頭・乳輪を失うのは辛かったです。

実は、乳頭・乳輪を失うということ自体に衝撃を受けたのではないかもしれません。インフォームド・コンセントによって、漠然としてた乳房全摘出手術というものが、具体的になったことによって、私の中に乳房全摘というものに対するイメージが完成。そのため、喪失感というものを感じたん瞬間だったのかもしれません。

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