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術後2日目:術後の胸をチラ見する

術後2日目には、下半身だけならシャワーをOKという許可がありました。胸にはドレーンという管や右手には点滴。色んな管が私の身体にはくっついているので、看護師さんに介助してらってのシャワーです。

下半身だけなので、上は着たままなのかと思っていました。しかし、看護師さんの介助があっても、上を着たままではパジャマやバストバンドが濡れてしまいます。そのため、脱ぎましょうということに。

介助されながらのシャワーは生まれてはじめて。それだけでも、私的には抵抗がありました。

それを察知して、介助の看護師さんは、「私のことは影だと思ってください。透明人間です。」と声をかけてくれました。

その言葉で、多少、恥ずかしさは軽減しました。でも、問題はそこじゃありません。パジャマの上を脱いで、バストバンドを外すことです。

心の準備できていなのに

乳がんに関するネット上の情報を読むと、乳房全摘の手術をした場合、入院中に自分の術後の胸を見ておいた方が良いと多くの記事に書かれていまし。

理由は、胸を失たことにショックを受けても、そばに看護師さんなどの医療従事者があるからサポートを受けやすいからということでした。そのため、入院の荷物には、自分の胸を見ることができうように大き目の鏡を持っていくのが良いとのアドバイスもありました。

私もそのアドバイスに従い、大き目の鏡を持っていきました。

でも、術後2日目に自分の胸を見るという心の準備は整っていませんでした。

しかし、隣で看護師さんが、私がパジャマを脱ぐのを手助けしてくれています。複雑な気持ちの中、シャワーを浴びるための準備が、看護師さんによって進んでいきます。

看護師さんもプロですから、私が胸を見ることに不安を抱いていることは承知しているはずです。ですから、胸に関する話題には一切触れず、人前でシャワーを浴びることや介助されながらのシャワーへの抵抗を和らげるための会話に徹していました。

しかも、気さくに、ユニークにお話するのです。それでも、私のドキドキは止まりません。

失った胸を見る準備が、パジャマを脱ぐ時間だけじゃあまりにも少なすぎます。だから、裸になっても、自分の胸元は見ないように目をそらしていました。

視界に術部が入ってしまった!!

髪を洗ってもらう時です。それまで目をそらし続けていたのに、視界に自分の胸が入ってしまったのです。

が、拍子抜け。

なぜなら、左胸にはガーゼで覆われ、さらに防水のためのビニールのようなシールでしっかりと保護されていのです。

見た目は、ただ胸を怪我した人って感じでした。あんなに、ドキドキしていたのに。「な~んだ。こんな感じなんだ。」で終わりです。

術後はじめてのシャワーは、そんな感じ終え、身体も心もサッパリとして病棟へと戻ったのでした。

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