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北欧デンマークの街中で見つけたパブリックデザイン

こんにちは、デザイナーの堀野美雪です。

現在デンマークを旅しながら、その国のデザインを調査しております。

今回は散歩中に見つけた、とあるパブリックトイレについての話です。

パブリックトイレのデザイン

デンマークの街を散歩中、箱のようなもが私の目に入りました。

これはなんだろう?と近づいてみると、どうやらパブリックトイレです。

トイレには一般的に男女のサインが書かれていることが多いのですが、このトイレにはバットマン、人魚、兵隊、視覚障害者、妊婦、ヴァイキング、宇宙人も描かれています。

「男女に限らずどんな方でも利用できるよ」というメッセージが面白くポジティブに表現されています。人外もいるのが笑っちゃうポイント。

この壁の素材も見るからに廃材チップ、リサイクルや環境意識の高いデンマークならではの廃材活用法です。

白樺で出来たベンチが置かれていました。同じ素材で花壇やゴミ箱も上手に目隠しされているので統一感が生まれています。

デンマークでは公園や民家の敷地に巣箱が設置されているのをよく見かけますが、こんなふうにトイレに設置されているのは珍しい。

巣箱が置かれている理由としては、生物多様性の保全、人と生き物が共生する社会づくりのため。

このトイレは残念ながら最近荒らしにあったらしく、閉まっていたので中を見ることは出来ませんでした。

パブリックデザインは国全体のデザインである。

今回の例のように、不特定多数の人が使う公共施設にデザインが加わっていることで「デンマークはただ綺麗なだけではなくデザインとユーモアを持って課題に取り組んでいる国なんだな、移民問題を抱えつつも多様性を受け入れようとしているんだな。」と国全体への好感を持ちました。

街中や景観の小さなデザインひとつでも、私たち外国人が見れば国全体のイメージにつながるものなのだと感じます。

デザインがいかに国にとって重要なものか。

ヨーロッパの公共トイレは有料というのが当たり前ですが、デンマークには無料の公共トイレがいくつか設置されているので安心です。

駅などのトイレに限っては有料なことが多いですが、キャッシュを崩さなくてもクレジットカードで支払いが出来ます。

デンマークを訪れたら、街の中のさりげないものでもよく観察してみると面白いですよ。


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堀 野 美 雪(ホリー)
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