デンマークで最も有名なデザイン会社に学ぶ、ブランディングデザインするということ
こんにちは、デザイナーの堀野美雪です。
最近はデンマークのデザイン関連の記事を読み漁っております。
実際デンマークに近々行くのもあり興味分野の一つ、デンマークと日本は価値観が似ていて面白いのです。
デンマークのブランディングデザイン会社「コントラプンクト」
Kontrapunkt(コントラプンクト)はコペンハーゲンと東京にオフィスを構える、政府機関や大企業、スタートアップのデザインを支援する世界的に有名なブランディングデザイン会社です。
その代表であるボー・リネマン氏のいくつかのインタビュー記事を読んだ中からブランディングの哲学を学んだので私の感想も交え要約していきます。
ブランディングで大切なこと
ボー・リネマン氏がブランディングで大切にしていることは、クライアントの本質を正しく伝えること。どんなに良いイメージ戦略をしても、企業の実態と異なっていたら良い結果にはなりません。
依頼を受けたら、要望を聞く前に相手はどんなアイデンティティを持っているのか、何を実現したいのか、何を求めているのか、まず「聞く」ことを大切にし、企業ポリシーや倫理を探ります。
デザインを考え始めるのはそれからです。
そして、長く愛されるものをつくること。イメージ刷新は企業にとって高額な出費です。「サイトガイスト※」を取り入れつつ、長く親しまれるものをつくりたいのです。
※サイトガイスト:「時代の精神」を意味するドイツの哲学。情勢やトレンド、雰囲気、時とともに移ろう時代の流れのこと。
企業は「美学」と「物語」を取り入れよ!
企業はいかにオリジナリティを発信していけばよいのか。
大企業の多くは、変化が必要だと理解していてもその方法がわかりません。デザインは企業と社会をつなぐ「調停者」になりえます。
「美学」や「物語」の何が重要かというと、それは人間の感情に直接訴えかけるからです。その力は、新しいアイデアや考え方を発展させることができ、大きな変化を可能にしてくれるのです。
日本をブランディングするならどうしますか?
国のブランディングは、国民にとって一目でわかる目印、そして共通のアイデンティティになるかもしれない。外国から来た人に対しても、国の魅力やユニークさをアピールできるかもしれません。
日本企業は「ブランディング=ロゴと色」だと思っていて、タイポグラフィー(フォント、文字の形状)にはこだわりがあまりありません。人が文章を読む時、私たちは文字を読んでいるようで、実は無意識のうちに文字のタイポグラフィーを読んでいます。
何の哲学もない、お化粧みたいなデザインに価値はありません。デザインは、ただどう見えるかではなく、人が何を考えて、何を言って、どう動いて、どう関わり合うかなどにまで影響を与えるもの。
企業をブランディングすることと同じように、国について考えることもとても大切なんです。
では、日本人は日本をどうデザインするか? それは、日本という国のルーツに関わるデザインであるべきだと思います。「日本社会や日本人の価値観の本質には何があるのか」を見つけ出し、それをデザインとして視覚化すればいいのです。
国ごとブランディングデザインするということ
コンプランクト社が手掛けた政府機関のデザインを紹介します、今後の参考になるような良質な事例でした。
デンマーク外務省のロゴ
意識したのは、政府と国民の距離感を縮めるように設計したこと。他の国のロゴと比べると違いがよくわかると思います。政府はふつう、あえて敷居を上げるブランディングをすることで、厳格で、権威高いことを国民に誇示しようとするものですが、人口約560万人というこの小さな福祉国家では、効果がありません。
政府だって国民に対してオープンで、フラットであることが要求される。それをそのまま表現したのが、私たちのデザインなんです。
デンマーク政府のロゴガイドラインです。↓
デンマークの省庁のデザイン
デンマークの省庁のデザインはデンマーク王室の王冠をモチーフにして、省によってデザインをアレンジされている。小さな本が見えたり、金庫の鍵が見えたり、その省の特徴がモチーフに表されているのがおもしろい。
さいごに
デザインってやっぱり面白い。こんなに長いのに最後まで読んでいただきありがとうございました。
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