デザイナーがお気に入り欧文フォントについてめちゃくちゃ解説する"セリフ編"
こんにちは、デザイナーの堀野美雪です。
これまで書いてきたnoteを分析していたのですが、フォントについて書いている記事には比較的「いいね」が多くつきます。(まだnoteを使いこなせてないので10いいねがついたら良い方。どうぞ温かい目で。笑)
みんなフォントが好きなようで嬉しいです!
私もフォントが好きで今までもかなり細かく書いているのでそのせいかなと思ってます。
というわけで、デザイナーのみなさんはそれぞれにお気に入りのフォントがあると思いますが、今回は私のお気に入りフォントをご紹介したいと思います。
王道のGaramond(ギャラモン)
セリフ体の王道中の王道といえばGaramond(ギャラモン)。これは外せません…!
16世紀フランス・ルネサンス時代、フランス人の活字父型彫刻師、クロード・ギャラモンにより制作されました。
フランスらしい優雅と洗練さを併せ持ち、”再生と復活”というルネサンスの精神性を含んだ書体といえます。
タイトル、本文、両方に使える万能性に加え、日本語の組版とも相性が良く、王道でスマートに見せる必要があるものに最適なフォント。
「Q」と「R」の尻尾の優雅な伸びやかさ「W」の重なりが特徴的。この辺りに私は優雅さを感じます。
Garamond(ギャラモン)の代表例
フランスの化粧品ブランド『L’OCCITANE(ロクシタン)』のロゴはGaramond(ギャラモン)を採用しています。
『L’OCCITANE(ロクシタン)』は、南フランス発の化粧品メーカーで、添加物や着色料を使用しない100%植物由来の原料を使用しているブランド。
https://www.instagram.com/loccitane_jp/
フランスの老舗的な信頼感と女性的な優美さを、Garamond(ギャラモン)がしっかり表現しています。
古典的でモダンなBaskerville(バスカヴィル)
Baskerville(バスカヴィル)はイギリスを代表する書体の一つ。
18世紀のイギリスの印刷業者ジョン・バスカヴィルによってデザインされました。
この時代といえば産業革命がイギリスで始まる頃です。
Garamond(ギャラモン)のようなオールド・ローマンからBodoni(ボドニ)のようなモダン・ローマンへの移り変わりの過渡期に生まれたフォントであることから、トランジショナル・ローマンの代表的フォントと言えます。
活版印刷では、文字の周りにインクのにじみがつきますが、この時代になるとにじみの少ない印刷機が使われるようになったため、オールド・ローマン体の時代よりも細く鋭利なラインが表現できるようになったのです。
古典的で気品があり、見出しから本文まで組むことができ、伝統を受け継ぎながらも新しい挑戦の意欲がある企業などにぴったりなフォント。
「Q」のテールの特徴的な折り返し、セリフのない「W」の交点、「g」の隙間が特徴的。細いセリフと鋭利さを持ち、優雅で力強い印象になっています。
Garamond(ギャラモン)と似ていますが、並べて比べると、やはりBaskerville(バスカヴィル)の方がモダンで鋭利になのが分かります。
Baskerville(バスカヴィル)の代表例
Baskerville(バスカヴィル)は『Tiffany & Co. (ティファニー)』のロゴタイプのベースになっています。
気品が高く、由緒正しい伝統を守りつつ、いつの時代でも愛されるコンテンポラリーなスタイルも取り入れている『Tiffany & Co. (ティファニー)』の理念に合っていますね。
最後に
以上セリフ体からは、王道のGaramond(ギャラモン)、古典的でモダンなBaskerville(バスカヴィル)、2つのフォントをご紹介しました。
私は個性が強めなものより、「洗練」「合理的」「王道」といった感じが好みです。
来週はサンセリフ編をお届けします!
皆さんの推しフォントはなんでしょうか?よかったらコメントで教えてくださいね。
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