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夕陽に沈むモン・サン・ミッシェル。あまりの美しさに、写真を撮る手が止まった。

世界遺産「モン・サン・ミッシェル」

 パリから西に200km。サン・マロ湾に流れ込むクエノン川の河口に世界遺産「モン・サン・ミッシェル」がある。河口にある小島に礼拝堂が建てられたのは8世紀、修道院を建てる工事は10世紀に始まり13世紀に完成したのだそうだ。

 イギリス海峡に面するサン・マロ湾は、潮の満ち干が大きい。その理由は、サン・マロ湾が面するイギリス海峡の潮の流れが速いためで、その流れに引っ張られるように海はぐいぐい引いていく。その反対に満潮時は潮の流れに押され海がどんどん迫ってくる。その距離は、実に20km近くになるのだそうだ。

 これまで3度、モン・サン・ミッシェルを訪れた。3度とも海に浮かぶことはなく、海の底だった砂浜を歩いて写真を撮った。これではいかんとみんなが思ったのだろう。10年ほど前、海に浮かぶモン・サン・ミッシェル復活工事が始まった。

 100年以上前に造った道路の影響で、潮の流れが止まり、その影響でどんどん堆積した土砂を取り除くために、道路と駐車場を撤去して橋にした。そして、クエノン川の河口にダムを造り、満水時に放水して堆積した砂を流すことを繰り返している。

 そんなことで砂を流せるのかどうかはわからないが、いまは、一年に2度、大潮のシーズンに海に浮かぶモン・サン・ミッシェルを見ることができるようになったのだそうだ。

 これは2010年5月に撮影した、夕陽に沈むモン・サン・ミッシェルである。あまりの美しさに写真を撮る手が止まった。

 パリから日帰りのツアーでは、日程上、おそらく、こういう写真は撮れないと思う。できることなら泊まりがけで行くことを勧めるが、それも天気次第である。

 遠くから見るモン・サン・ミッシェルはあまりにも幻想的である。今度行くときは、海に浮かぶ修道院の写真を撮ってみたい。


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