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旅と本、文章などなど

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これまでのわたしの投稿からエッセイを集めました。バックパッカーだったころの旅のことや、食べもの、本や文章のことなどを気ままに書いています。
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#海外旅行

18年かかった宿題ーインドネシアでバティックを学んで

「これが最後の作品ね。どんな色で仕上げる?」と先生は尋ねた。 1997年末から1998年1月まで…

「気ままな旅」が許されるという贅沢

またやってしまった。どうしてこう、鈍感なのだろう。 想像力が足りなすぎる。なぜ、もっと早…

手軽な「おすすめ」をほしがる人たち

あちこち旅行していると、さして親しくないひとにも「おすすめ」を聞かれることがある。  「…

微笑みの国の「善意のリレー」

「おーい、おーい、止まれえー」 すっかり暗くなった通りで、山で遭難した人が救助隊を呼んで…

旅に必要な3つのことば

「旅行中、ことばはどうしていますか」と、旅人同士で話すことがある。 残念ながら日本語は、…

君の名は

動物が好きなのだけれど、バードウォッチングだけはどうも苦手だった。 子どものときからの近…

長旅は、自分の身の丈を教えてくれる

20代の終わりに差しかかるころ、わたしは会社を辞めて、長い旅に出た。 残業続きで忙しかったけれど、わたしは本をつくる仕事がとても好きだったし、同僚との関係にも恵まれていて、気の合う仲間同士、家を訪ね合ったりするような間柄だった。 それでも、休暇を使って海外旅行を繰り返すうちに感じる物足りなさは、膨らむ一方だった。島国の日本は、どこへ行くにも海を越える時間がかかる。短い休暇の範囲では、せいぜい首都と有名観光地だけの訪問になりがちだ。 たとえば東京と、京都や大阪だけを見て、

そしてわたしは、笑顔に会いに旅に出る

市場が好きだ。 色とりどりの果物や、名前も知らない野菜を見たりするのが楽しい。 何より、買…

旅立つ日に手渡された、お弁当

「気をつけて。また来るときは連絡してね」と言いながら、張さんは重い包みをわたしに手渡した…

だから市場はやめられない。ローカル市場の魅力 <海外自炊旅 1>

観光名所よりも、まず市場旅先でどこに行くかときかれたら、わたしは真っ先に市場と答える。 …

降り注ぐ「黄金の雨」 ゴールデンシャワー 【南国花信風  2】

ゴールデンシャワーという英語名は、「黄金の雨」という意味。満開のときには、それこそ雨が降…

「旅人の木」 オウギバショウ 【南国花信風 1】

タビビトノキとよばれる木がある。 なんだか親しみのわく名前だ。青い空にすっと伸びた背の高…

旅先で、ごちそうになる側の作法

外国に行き始めたのがアジアだったので、「国力の差」は旅先でもついてまわる問題だった。1990…

熱帯が一年中同じだなんて、うそだ

日本を飛び出して長い旅をしていたころ、熱帯にも季節の移り変わりがあるのを知った。一年中暑いのはその通りだけれど、同じ気候なわけではない。 季節風の影響を受ける東南アジアでは、風が熱を運び、雨をもたらす。照りつけるような強烈な日差しの下を歩くのは、かなり体力を使うことなので、旅行者も地元の人にならって早朝と夕方が活動時間になる。昼間は、冷房の効いた涼しい屋内にいるのが正解だ。 誰と会っても「寒い」と言うバンコクの12月12月初めのバンコクは(タイにしては)涼しく、ゲストハウ