イギリス・ロンドン <ロックダウンから12か月の総括①>

本日からしばらく、今年2回目の雪が降るロンドンです。

最初のロックダウンが始まって早11か月になりました。ほとんどのシティ(金融街)のオフィスと同じく、2020年3月半ばの公式ロックダウン宣言のちょっと前からもう自宅勤務だったので、軟禁生活も11か月になりました(※その③を書くまでに12か月になったのでタイトルを変更しています)。

精神と時の部屋状態で、時間や曜日の感覚がよく分からなくなっていますが、いろいろあったことを時系列でまとめたいと思います。案外長くなったので2回に分けます。

2020年3月(公式ロックダウン前後):


「中国からのウイルス」の報道が続き、2月くらいには東アジア人に刺さるような目線が……東アジア人は公共の場に居づらい雰囲気。

フラットメイトの韓国人の若い女性が、高級エリアにある地下鉄駅で白人の男に足首を思いっきり蹴られる事件が発生。心理的ショックとともに痛みで1週間くらい歩けなかったようでかわいそうでした。
恐ろしくなったので、(前はあきらめても)後ろからみてアジア人に見えないように、速攻で髪の毛を金髪に染めて、その後ロックダウン毛染めブームに乗っかりピンクにしてやりました。自宅警備員だし。

3月に入ってから、パスタ、トイレットペーパー、手の消毒剤がある時期にパニックが始まり一瞬にして店の棚から消えました。パスタの人気は異常で、乾麺は保存がきくからかあっという間にどの店の棚も空に。その次は代替として?アジア系の乾麺・米なども売り切れに。
しかし最後まで英国産ポテトだけは品切れにならず、必ずお店で売っていたので、イギリスではジャガイモだけは緊急時でも困らなそうです。

街は緊迫感でピリピリしていましたが、それと呼応してか世紀末感が上昇。ロックダウン発表直前には、超高級住宅地の路上で車の窓がぶち割られていたり、謎の大きな丸い穴が貫通している鳩が落ちていたりして、異様な不穏な空気が漂っていました。

当時は治安があまりよろしくない東ロンドンに住んでいたのですが、家から徒歩30秒のホームレス村がパワーアップして人口が増え、村の規模とそこらの物(ゴミ?)の散乱が拡大していきました。テントには「金くれ」の張り紙。

アメリカなどで駐車場などの広い場所にホームレスを移植?したニュースが流れていましたが、イギリスでも同じだったのかどうなのか、しばらくすると全員テントごと忽然と消えました。

2020年4月(緊迫感):

ロックダウン下では一日一回、買い物またはエクササイズのみ外出が許可されており、軟禁状態に。緊迫感の中、卵やパスタ、トイレットペーパー、ハンドウォッシュを求めて朝一で長い列に並んでお買い物する日々。幸い市街中心部に住んでいたため、郊外より物資の復旧は早かったようです。

あれだけエコバッグを推奨していたのに、突如「やっぱコロナつくからやめてね」に変更。グレタさんが悲しみそうな使い捨てに方針転換になり、食べ物や買い物への心配が広まりました。暖かい食べ物は比較的大丈夫という論調が強まる中、生物を扱う寿司屋は依然暇そう。
気にせず寿司を買って帰る道中、人の消えた交差点のど真ん中で堂々と、他の鳥をもぐもぐ食べる大きなカモメに遭遇……。街は北斗の拳的な世紀末感に溢れていました。

食べ物の持ち帰りも基本すべて閉店になったのですが、卵など生活用品を無理矢理に店先に置くことで店を開けていた大手外食チェーン店があったので、たまに買い食いができました。

毎日コロナのニュースにも疲れてきて、現実逃避のため携帯版ポケ森を一日中する毎日。
ほぼ家から出ない日ばかりでしたが、ある日外に出て運河沿いを歩いたところ、明らかに「諸君!ルール違反の世帯外集合だろ!」感強めな多人数集合の若者たちが、日向ぼっこしたりピクニックしたりめいめい集合していました。大きい公園は閉鎖。

この時点ではマスク無意味論が幅を利かせていたので、まだかなりの人がノーマスク。英国では西洋諸外国と比べても「マスク嫌い度」が1位でニュースになっていました。あの自由勝手なラテン気質のフランス人やイタリア人以下とはどれだけアンチ・マスクよwww

2020年4-6月(強行突破の一時帰国):

2月頃から謎の腫瘍が育ってきており、病院の予約を入れていたものの、ロックダウンでコロナと関係ない科が全面閉鎖になり、病院にかかれない事態に。4月に幸い日系病院の総合科で見てもらえたものの、該当する専門科はロンドン中どこにも開いていないと告げられる……

致し方ないのでリモートで仕事をしながら、手術のために日本に一時帰国をすることに決めました。腫瘍のサイズがもう危ないくらい育っていたので、速攻帰るため翌日の航空券を購入。

関西人ですが、当時関空は開いていなかったので、国際便の到着は東京一択に。明らかに座席は空いているはずなのに、年末便くらいの高級なお値段でしたが背に腹は代えられず。

そして購入時には「羽田空港で関西行き乗り継ぎ」とあったのに、ネットで調べると「国内線は公共交通機関のため乗れない」とあるではないか……焦ってJALに電話すると「規則で乗れません」との回答が。
公式サイトで次の日のチケット買っているのに、何で売るかなその海外発着乗り継ぎチケット?!


さて意外と長くて疲れてきたので、一時帰国編は次回②に……




野宿出身、未だにおよそ野良ですが、まだサバイブしてます。