見出し画像

とっときのとっかえっこ

私の祖母は鹿児島に住んでいて、御年87歳になる

私の出生地であり、母の生まれ故郷である鹿児島には数人の親戚が住んでいて、
高齢の祖母の様子を見に年に何度か鹿児島に帰省する

免許を返納し、また足も悪いため、ひとりであまり遠くへは行けない祖母。
せっかくなので祖母を連れて桜島を観光することにした。


桜島

年中噴火する活火山としてのイメージがある桜島だが、実は5000人近い島民がいる
桜島へは鹿児島市からフェリーで15分渡ることができ、島民には鹿児島市内へフェリー通勤・通学する人も多い。
早朝から深夜まで何本ものフェリーがあり、東京の交通手段でいうと湘南新宿ラインで大崎から池袋まで行くような本数と時間の感覚だろうか。

島には美味しいものがたくさんあるが、
何度行っても一番の思い出に残る味は、桜島フェリーの中にある蕎麦屋「やぶ金」のそば

たった15分しかないフェリーの乗船時間の中で、必死に店に並んで必死に食べる。

急いで食べるから美味しいのか、本当にあの蕎麦が絶品なのか…

謎は謎のままにしておこう。


さて、桜島フェリーのタラップを降りると、ざわっと、野生の風の匂いがした。
来たな。桜島

桜島といえば、世界一小さいみかんである桜島小みかんや、世界一大きい大根である桜島大根が有名だ。

島の入り口からすぐの場所にある食堂
桜島小みかんの練り込んだうどんを、桜島大根のおろしとともにいただくことができる。
多分桜島に行くと毎回これを食べている気がする、もちろん今回もね。

さぁ腹拵えをした後は、桜島を車で一周。

これが我が家の鉄板コースだ。

今回泊まったお宿も前回と同じで、入り口の桜島が噴火している様子が描かれた絵画を見て懐かしいなと思ったり。


…でも看板の色褪せ具合とか、フロントのカーペットの染みとか…
何もかもがあの頃と同じとは言えなくて。

実は祖母を伴って桜島に上陸したのは約15年ぶり
私はまだ小学生にもなっていなかった
あの頃の私は「桜島噴火する?怖い?」とかなんとか、可愛いことも言えていた気がする。

あんなに楽しかったはずのお泊まりも、今では祖母の介護のことばかり。
あの時は祖母に手を引かれてここに来たはずなのにね。

島も宿も私も祖母も、みんなしっかり15年分歳をとっていた


この記事が参加している募集

ふるさとを語ろう

サポートして下さると、私の「ひとり旅」がよりアクティブになります♪もっと知らない世界を知りたいっ(っ ॑꒳ ॑c)ワクワク