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東北の今を見に行く2014 プロローグ(前編)

2014年8月。連日の猛暑が続く中、私は福島県の南部、いわき市にいた。2週間前に唐突に旅に行きたくなり、会社に嘘をついてまで(ごめんなさいおばあちゃん)有給をとって決めた旅。といっても1泊2日で、飛行機のチケットは東京発着のものを買ったのであまり遠出はできない。そこで考えたのは、東京から常磐線1本で行ける福島県。その中でも東京から比較的近い、いわき市を訪れることにした。

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いわきといえばスパリゾートハワイアンズである。が、私にとってはそこは高値の花。そこで私が気になったのは復興商店街である。いわき市には復興商店街が何か所があるが、私はそのなかの一つ、浜風商店街がある久之浜地区へ向かうことに。

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復興商店街があるのは久之浜第一小学校の敷地内にある。私はバックパッカーのくせに地図が読めない。ナビアプリも使いこなせない。駅員に聞いたが分かるがどうか。間違っても不審者・誘拐犯に思われないように気をつけないといけない。

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久ノ浜駅前交差点

街を歩くと舗装したての新しい道路が目立つ。そんな中、家の軒先に干されていた玉ねぎにびっくりしながら商店街へ向かう。

“ハワイ”のお膝元でタンメンに舌鼓?

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久之浜第一小学校に併設されている浜風商店街は、かつて沿岸部で営業していたお店に商工会、合わせて11店舗が連なる復興商店街。見たところ、観光客より地元住民むけのようだ。

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時計はすでに午後1時を指していた。「腹へった!!」と思い店舗の一つ、からすや食堂へ。

スーツケースを引っ掛けて、中に入ってみると、昼時とあってかお客さんは一杯。見たところ、やはり地元の方が多い。やはり私のようなよそ者が浮いて仕方がない。

メニューは中華料理が多かったのだが、私はタンメンを頼むことに。

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テレビでは台風8号の情報がひっきりなしに流れていた。そして壁を見てみると、有名人のサインがぎっしり。カンニング竹山さんから荒川強啓さんまで、3年のあいだにいろんな人が来たんだなぁ。

タンメンを黙々と食べていると店の女将さんが

「どこから来たんですか?」と話しかけてくるので、
「沖縄からです」と答えると
「まぁあんな遠いとこから!」とびっくり。きょ、恐縮ですぅ。

仮設店舗にはクーラーがないうえに、熱々のタンメンを食べて、さらに暑がりな私。Tシャツがあっという間に濡れる…。それを見かねた女将さんが、
「向こうのお店にはクーラーがあるから」と私に教えてくれたので、タンメンをきっちり食べた後に、久之浜商工会の店舗に向う。

と、ふとテレビを見ると…
「青森県三八上北で震動5弱…」
「原発は正常に稼働している…」

また地震…。そういえば、あの日は東北の殆どの世帯が停電していたという。停電で暗闇の中で恐怖に耐えていたんだろうに違いない。普段、ライフラインを普通に使えている環境に感謝しなきゃと思いつつ、タンメンを食べ進めた。

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