(part 2) 調査〈戦争〉をどう捉えていますか 20代に聞く実感、教育、アクション(仕事文脈vol.24・特集1「反戦」と仕事)
〈part 1 の続き〉
終戦から80年近くが経ち当時を知る人が少なくなる中、戦争の記憶の継承が課題と言われる。戦争が遠いもののように扱われる一方で、SNSを開けばウクライナ侵攻やパレスチナでの占領、虐殺の情報がリアルタイムで流れてくる。そして日本が戦時中に行った植民地支配や加害行為の構造は、まだなくなってはいない。
現在20代の世代は「戦争」にどんなイメージを抱いているのか。学校教育で学んだことや、行っている具体的な行動などを聞いた。(編集部)
05 日本の加害国としての歴史を深く教わる機会が少なかった
名前:りほ
職業:大学院生
年齢・性別:26、女性
現在住んでいる地域:イギリス・ロンドン
1)憎しみや強欲によって動機づけられた、身体的・構造的な暴力。
植民地主義や資本主義などの抑圧構造が絡まりながら、権力を持つ人・組織の利益が最重視され、命や人権がないがしろにされる状態。
2)修学旅行で広島や長崎を訪問して原爆の恐ろしさを再認識し、「こんなことは二度と起こってはならない」と思ったことを覚えています。その一方で、高校までの教育を振り返ると、日本の加害国としての歴史(先住民族であるアイヌや琉球の人たちへの暴力、戦時中の近隣国の植民地化など)については深く教わる機会が少なかったと感じます。
また、高校では国際科に所属していたこともあり、日系カナダ人が第二次対戦中にカナダで強制収容されていた歴史、カンボジアで紛争中に埋められた地雷がまた多く残っており現在も撤去活動が続けられていることなど、世界の戦争の爪痕について考える機会がありました。
3)戦争や虐殺の現状についてSNSでシェア・投稿したり、自分の身の回りの人と話す(すでに興味を持っている人と話すことに加えて、それ以外の人に対しても話題にしてみる)ように心掛けています。
その他、デモに参加する、加害国に関連する商品やサービスをボイコットするなどの行動のほか、セミナーなどのイベントに参加して歴史や現状について学びを深める時間も積極的に作っています。
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