見出し画像

彩り野菜の自家製ピクルス


今回はバルの前菜としては絶対にはずせない自家製ピクルスのレシピをご紹介します。

単なる漬物と侮ることなかれ。

ピクルスはお店の数と同じ数だけのレシピが存在すると言われるほど豊富なバリエーションがあり、味つけはもちろん、使用する野菜から火の通し方まで個性様々で見た目はシンプルですがとても奥の深い前菜なのです。

僕のお店で出しているピクルスは優しい甘酸っぱさと野菜本来の食感を活かした浅漬けタイプで、さっぱりとした味わいですのでパンやご飯のお供に…というよりは以下のような用途に向いているかと思います。

・食事の前の軽い突き出し(食欲増進効果あり)
・オードブル盛り合わせの中の一品(他の前菜を引き立てる)
・お酒のおつまみ(ワインや日本酒、焼酎や梅酒と相性抜群)
・こってりした料理を食べた後のお口直し(お口スッキリ)
・お弁当のサラダ代わり(お酢の殺菌効果で傷みにくい)
・小腹が空いたときにポリポリ(ヘルシーな大人のおやつ)

ご紹介している基本レシピの量が少し多いように感じるかもしれませんがタッパーや瓶などに作った状態のまま、ピクルス液に漬けて冷蔵庫保管しておけば軽く1ヶ月程度は美味しく食べられますのでご安心ください。

① 基本の材料

【ピクルス液】 ※作りやすい分量
リンゴ酢 … 450ml
白ワイン(甘口) … 900ml
グラニュー糖 … 125g
 … 8g
輪切り唐辛子 … ひとつまみ
ローリエの葉 … 2枚
黒コショウ(ホール) … 5粒(瓶の底などで押しつぶす)

【ピクルス】 ※作りやすい分量
・キュウリ … 2本
・ニンジン … 1/3本
・カブラ … 1個(※もしくは大根 1/4本)
・ブロッコリー … 1/2個
・パプリカ(赤・黄) … 各1個
・セロリ … 1本
ヤングコーン(水煮) … 5~10本(缶詰や真空パックのもの)
エキストラバージンオリーブオイル … 適量(お好みで)

② ピクルス液の仕込み(前日)

1. ピクルス液の材料を全てに入れ、強火にかける。
 ※黒コショウ(ホール)が手に入らなければ、あらびきブラックペッパーを4~5振でも代用できます。

2. 一度完全に沸騰したら火を止めて、そのまま放置。

3. 常温まで冷めたら完成。
 空のペットボトルなどに移して冷蔵庫で保存する。
 ※唐辛子ローリエも取り除かず全てペットボトルに移します。


③ ピクルスの調理

1. キュウリはピーラーで間隔を開けて3~4箇所ほど皮を剥き、約3㎝角の乱切りにする。

2. ニンジンは皮を剥き、食べやすい長さのスティック状にカットする。

3. カブラ(もしくは大根)も皮を剥き、食べやすい大きさにカットする。
 形状は小ぶりな一口サイズであれば何でも構いません。

4. ブロッコリーは一口サイズの小房に切り分ける。
 太い茎の中心部もスティック状にカットなどすれば使えます。

5. パプリカはヘタと種と中の白い筋を取り除き、スティック状にカット。
 片側の先端を尖らすように切ると盛り付けた際にお洒落に見えます。

6. セロリは幅の広い下側の硬い筋だけをピーラーで削ぎ、葉を取り除いて、茎の部分を5㎜厚程度に斜めスライスしておく。

7. ヤングコーンはキッチンペーパーで余分な水気を拭き取り、長さを半分にカットしておく。

8. 鍋にお湯を沸かし、ニンジン、カブラ(もしくは大根)、ブロッコリーを放り込んで2分間ボイルし、2分たったらすぐにザルにあげてお湯を切る。
しっかり火を通す必要はなく、やや硬めくらいのほうが美味しくできます。

9. タッパー密閉瓶に全ての野菜を入れ、冷蔵庫に寝かしておいた冷たいピクルス液を野菜が完全に浸るまで注ぎ入れる。
タッパー密閉瓶は使いやすい大きさのものを複数に分けても構いません。

10. 冷蔵庫で一晩以上寝かせる。

11. 小皿に彩りよく全種類の野菜を盛り付け、お好みで少量のエキストラバージンオリーブオイルをかけ、セルフィーユなどのハーブを飾ります。
ノンオイルでも充分に美味しいため、オリーブ油は必須ではありません。

一晩寝かせた翌日から1ヶ月間は問題なく食べられますが3日目~10日目くらいが一番の食べ頃です。だいたい2週間前後で食べ切れるくらいのペース配分でお召し上がりになられることをおすすめします。


④ ポイント&ヒント

・このレシピに使っている野菜はほんの一例です。苦手な野菜は省いて構いませんし、もちろんキュウリのみなど単体の野菜だけでもお作りいただけます。フルーツなど野菜以外のものでも美味しくできますので様々な野菜や果物を漬け込んでみてください。

【ピクルスにおすすめの定番野菜】
・キャベツ … 生でも使えますがサッと湯通ししたほうが美味しいです。
・赤タマネギ … 鮮やかな紫色がとてもキレイです。軽く湯通しして。
・カリフラワー … ブロッコリーと同要領で。独特の食感が楽しめます。
・ミニトマト … 丸ごと湯剥きするか数箇所に穴を開けてから漬けます。
オリーブ(緑&黒) … 缶詰や瓶詰の水気を拭き取って使います。
※オクラやレンコン、ナスやキノコなども下加熱すれば漬けられます。

・フルーツのピクルスだとオレンジやグレープフルーツなどの柑橘系とモモやチェリーやイチゴなどの柔らかで肉厚な果実がポピュラーです。シャキシャキ食感のリンゴやナシなども作ったことはありませんが美味しそうです。

・基本的に野菜のカット形状は何でもOKです。乱切り、輪切り、スティックカット、いちょう切り、短冊切りなど、それぞれの野菜の食感や個性が引き出せるよう工夫してみてください。

全てをスティック状に統一したりするのもお洒落ですね。

・キュウリのピクルスをサンドイッチやハンバーガーやポテトサラダの具などとしても使いたいのであれば、5㎜厚くらいの斜めスライスにしておくと使いやすいです。

ただ、単体で食べるのであれば3㎝幅くらいの輪切りか乱切りなど大きめにカットしたほうが美味しいので、他の料理に使うときはその分だけを小さなタッパー密閉瓶で個別に作ったほうが良いかもしれませんね。

・僕のお店ではミツカンのリンゴ酢を使っていますが米酢白ワインビネガーなどで作る方も多くいらっしゃいます。また同じリンゴ酢でもメーカーや商品によって旨みや甘み、味の深みが全然違いますので自分の好みのお酢を見つけてください。

・ピクルスやマリネのような食材を油や液体に漬け込む料理は漬けるときの温度差が重要です。冷たい食材に温かい液をかけたり、温かい(もしくは常温)食材に冷たい液をかけるとそこに温度差が生じます。

すると食材と液体は均一な温度になろうとしますが、その際に濃い味が薄い味の方へ強く浸透しようとする力が働くのです。

今回のレシピの場合は常温やボイルや湯通しをした温かい野菜に冷蔵庫で冷やしておいた冷たいピクルス液をかけていますが、例えばキャベツなどのサッと湯通しすればよい食材だけでピクルスを作るのであれば、常温のキャベツに沸かしたピクルス液をかけるだけでも湯通しと温度差の浸透で美味しく作ることができますし、カリフラワーだけなどの場合はピクルス液でボイルしてから放置すれば、そのまま完成します。

ですが、この方法では長い余熱が発生するので野菜の湯で加減をベストの固さに調節できません。またブロッコリーなどの緑野菜は加熱した後、すぐに冷やしたほうが発色が良くなるため、僕は温かい食材に冷たいピクルス液をかけるという調理法を選択しているわけです。

・ピクルス液だけでも仕込んで冷蔵庫に常備しておけば、作りたいと思ったときや他の調理で野菜が中途半端に余ってしまったりしたとき、いつでもすぐピクルスにして長期保存しておけるので意外と重宝しますよ。


⑤ 要点まとめ

・前日までにピクルス液を仕込んで、冷蔵庫で冷やしておく。
・野菜は食べやすい一口サイズかスティック状にカットする。
・そのまま生で食べるのに抵抗がある食材は下加熱しておく。
・瓶やタッパーに野菜を入れ、冷たいピクルス液を注ぎ浸す。
・冷蔵庫で一晩以上寝かす。3日後~7日後くらいが食べ頃。
・小皿に盛り付け、お好みでEXVオリーブ油をかけてどうぞ。
・食材と液体の温度差が美味しいピクルスをつくるコツです。

※内容にご意見ご質問等ございましたらお気軽にコメントくださいませ。

← 前のレシピをみる  次のレシピをみる →

いただいたサポートは子供食堂の運営活動資金として有効に活用させていただきます。