見出し画像

ただ帰すなら素人。生活が継続できる支援こそが老健の役割【社会福祉士の活躍を含めて】

こんにちは。現役社会福祉士のタカヒロです。

以前、こんなツイートをしました。

プロフィールでも書いている通り、僕は介護老人保健施設(以下、老健)で支援相談員として働いています。

老健では、リハビリテーションを実施し、自立度と介護力を向上させ、在宅復帰を目指すことが役割です。

詳しくは、こちらの記事をお読みください。

加えて、老健では在宅復帰だけではなく、退所後の生活が継続できるように支援することも必要です。

今回の記事では、僕が経験した老健での在宅復帰支援についてお伝えします。

その中で、社会福祉士である僕がどのように内外部と連携を図ったのか、についても解説します。

退所支援で重要なことは、生活が続くように支援すること

退所支援で大事なことは、まさに生活が継続できるかどうか。

ただ帰すだけなら、利用者と家族を説得して、居宅ケアマネジャーに「サービス調整よろしく!」て感じで退所させたらいいんです。

しかし、それでは老健の役割が達成できません。

介護老人保健施設の役割は5つあります。

1.包括的ケアサービス施設
2.リハビリテーション施設
3.在宅復帰施設
4.在宅生活支援施設
5.地域に根ざした施設

これらの5つの役割を遂行してこそ、老健の社会的意義があるのではないでしょうか。

バイオ・サイコ・ソーシャルアセスメントの視点

バイオ・サイコ・ソーシャルアセスメントとは、以下の通りです。

・バイオ:医療的、身体的側面についての検証
・サイコ:心理的、精神的側面についての検証
・ソーシャル:社会機能についての検証

なぜ、バイオ・サイコ・ソーシャルアセスメントが必要なのか、についてですが、一般的に福祉職というのは、「医療的情報に疎い」と言われています。これは結構心外なことなんですが、事実でもあります。
福祉職は医療職と違い、福祉にスポットを当てた学問体系ですので、当然医療的、身体的側面での理解は乏しいです。
反面、「サイコ」や「ソーシャル」の分野については体系的に学んでいます。そこに福祉職の存在価値を感じている人は多いのではないでしょうか。しかし、その分野でのアセスメントに偏りがちなのも否めません。
人間は、得意な分野に偏りがちと言われているので、知らぬうちにアセスメントにおいても「バイオ」を置き去りにしている傾向があると思われます。

とはいえ、利用者が現在どのような状態(病態含め)になっていることは、理解する必要があります。

バイオ・サイコ・ソーシャルアセスメントでは、「3つの側面で利用者を捉え、包括的にアセスメントすることで、強みや課題の発見および支援の糸口を見つけることにつなげる」ということです。

冒頭で掲載しているツイートの例で見ると、「低栄養」ということが紛れもなく「バイオ」という情報です。

もっと言えば、低栄養と判断している数値や状態についても「バイオ」となります。

そのような情報を客観的に収集し、そして利用者の心理や社会面も含めてアセスメントすると、退所後の生活で何が問題なのか、利用者はどんな生活になりそうなのか、イメージ形成にもなるんです。

多職種連携を「つむぐ」こと

社会福祉士は専門職同士を「つむぐ」ことが役割だと思っています。

各専門職は「点」となっていることが多い。

そこで、さきほどのバイオ・サイコ・ソーシャルアセスメントを利用して、医療・介護の専門職や地域の社会資源を、どう活用できるかを考えることが社会福祉士として重要になります。

ツイートの例であれば、栄養状態の改善を図るため、栄養の専門家に退所後も関わってもらえるよう訪問栄養指導の導入、栄養と同様に筋力低下による廃用症候群予防のため、リハビリテーションの継続を図るということを調整しています。

社会福祉士は決して一人では支援できません。

「各専門職や地域との協働で支援が成り立つ」ということベースに仕事へ向き合う必要があると思います。

まとめ

今回は、老健にスポットを当てた退所支援についてお伝えしました。

繰り返しですが、社会福祉士は一人で支援をすることはできません。

多職種協働が必須ですが、そのためには客観的なアセスメントが必要になります。

その指標の一つが、バイオ・サイコ・ソーシャルアセスメントです。

多職種協働で悩んでいる方がいれば、この記事を参考にしていただければ幸いです。

では今回はここまでとします。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

Twitterのフォローもお願いします!

僕の記事や人間性に興味を持っていただけたらサポートをお願いします!いただいたサポートは有益は情報発信として還元いたします!!